知りたくないわけではない

ナードマグネット『僕は知らない』のMVがYouTubeで公開されました。
長い道のりでした。曲をレコーディングして、撮影したのが今年の2月。ソーシャルディスタンスがどうこうみたいな概念もまだ生まれていない頃でした。

実はこれ、当初はワンカット一発撮りでいこうという話になっていて、ひとつのスタジオの中で出演者、スタッフみんなでどたばた動き回りながら結構大変な撮影だったんです。
ただそこで撮れたやつを見て、せっかく登場人物が沢山いるのでそれぞれの設定をもうちょっと深掘りできないだろうか？ってことで追加の映像を撮ろうとなったのですが、そうこうしているうちに世の中はどんどんおかしなことになっていき、やれ緊急事態宣言だステイホームだイソジンだなんて事になってなかなか作業が前に進まなかったのでした(そういえばイソジンの話もう誰もしなくなったな)。
なのでもっかい見てもらうと随所で差し込まれてる映像が後から出したやつであとはワンカットなのだなあ〜とわかってもらえるかと思います。大変だったよねえ皆さん。ほんとご協力ありがとうございました。

そういった経緯により、曲の配信リリースからMVの発表までかなり期間が空いたわけですが、そもそもこの曲自体を書いたのがアルバム『透明になったあなたへ』のレコーディングに入るちょっと前なので、2018年の末とかなんですよ。2019年の頭には弾き語りで披露してたんじゃないかな。もうずいぶん昔のことのようです。
昨今の音楽シーンのスピード感からしたらたったの1曲を世に出すのにどんだけ時間かけてるんだよ！という話ですが、書き上げてから今まで何回も何回も歌っていく中で日増しに「この曲できてよかったな…」と思えてきています。毎回歌うたびに違う気持ちになっている気がします。実際自分の周りを見ても、世の中全体を見渡しても、すっかり色んなことが決定的に変わってしまいました。

過去の自分の曲が書いた当時の気持ちとはまったく違う角度からそのときの自分に返ってくる、みたいなことが結構あるんですが、この曲もきっと長い付き合いになることでしょう。どこかの誰かにとってもそうであれば幸いです。MVも各登場人物のバックグラウンドについて想像の余地がたくさんあると思うので、何度も繰り返し見て楽しんでもらえたらいいなあ。監督のリンちゃんの今後にも大注目です。また映画の話いっぱいしたいぜ。

あとこれも書き残しておかないといけない。
2月にMVの構想を練ったりキャストを集めたり撮影当日にもずっと走り回ったりして支えてくれたのはマネージャーやっぴょんでした。現場を離れてしまったのは残念ですが、心身を休めてくれていたらいいなと思っています。本当に色んな面で無理をさせてしまったことを今も悔いています。MVちゃんと出せたよ。ありがとう。