【スプラトゥーン】なぜ初代スプラが今でも語り継がれる存在なのか、熱狂ファンだった筆者の観点から語る
はじめまして。ハイドラ使ってる人です。初代はスピコラを使い込んでました。
この記事は約11,000文字あります。全てをゆっくり読んだ場合の目安で15〜20分ほどの時間がかかることをご承知ください。
この記事の要約からご案内します。
・はじめに、スプラトゥーン初代の発売前〜現在までの歴史をご紹介します。
・その後、スプラトゥーン初代が今でも語られる理由について初代プレイヤーだった筆者の観点から。その理由とは変化が多く密度が高かったこと、思い出補正の2つに大きく分類され、前者はさらに以下の8つの要因から成り立っています。
①熱狂的なファンの存在 ②スプラ2以降、コントローラーとボタン配置の変更がなされた事 ③キャラクター人気 ④混沌としていたブキ環境 ⑤ステージ人気 ⑥ブキの個性 ⑦侵略!イカ娘 ⑧攻撃力アップと防御力アップのギアパワー
・その後はスプラ3が初代回帰をすることについて思うことを綴っていき、最後に、初代の伝説化について筆者の意見を語って終わります。
以上の内容について、それぞれ詳しくお話していこうと思います。目次も用意していますので、気になる内容のみピックアップしていただいて問題ありません。
それでは、本文をはじめます。
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1. 前説
最新作スプラトゥーン3の発売から早くも8か月が経過しようとしています。
ネットでは新ブキ追加や環境のあれこれを議論され、悲しくもその評価自体決して高いと言える状況にありません。(インターネット上の評価では少数派の意見が目立つというのもあります。)
評価の際、過去作との比較が行われるのはスプラトゥーンに限らずどのゲームにもあります。それ自体悪いことではなく、比較することで良い点悪い点の洗い出しや評価基準がわかりやすくなるメリットがあるため、必要なことではあると感じています。
しかし、スプラトゥーンではやけに初代が持ち上げられすぎているというのが私の正直な感想です。
今回は私の偏見や独断を含ませながら、初代が今まで語り継がれる理由と正当性についてお話できればと思います。
今回の記事の中で、私の立場はできる限り平等であろうと思っています。
しかしながら私自身もかつてスプラ初代で夜を明かし、暴言をはきながらプレイし続けた経験があり、今の私をつくる一部分としてのスプラ初代が存在します。
そのためかつては初代こそ至高と考えていた時期が存在し、今でもその傾向からこの記事には、やや初代の思い出補正がかかっている点があることにご承知ください。
それでは、まずは初代の歴史からお話しします。
2. スプラトゥーン初代の歴史
① Wii U というゲーム機
スプラトゥーンの歴史を語る上で外せないのがゲーム機の存在です。
まずはそちらからお話させていただきます。
現在、任天堂が発売しているNintendo Switch(以下:スイッチ)は、2017年3月3日に発売されました。思えばもう6年経ったわけです。早いですね。
その一世代前に当たるゲーム機に「Wii U」というゲーム機がありました。発売開始は2012年12月8日(日本での発売日)でした。いわゆる年末商戦、クリスマスプレゼント目的に購入する層を狙ったものと考えられます。
詳しい話は他の方が細部まで語ってくださっているのでここでは割愛しますが、間違いなく任天堂製家庭用ゲーム機としては失敗もいいとこでした。
簡単に訳を話しますと、
このWii Uというゲーム機、家庭用据置ゲーム機の世代としては第8世代というグループに分類され、PS4やXBoxOneと同世代になります(それらより発売は1年早い)。
当然同じ世代であるゆえに比較をされます。問題となったのはそれらと比較したときに明確な強みが無いということ。
確かにタッチ画面付きコントローラーは目新しく、テレビがなくても遊べるというのは強みではあったかもしれません。
しかしながらそれを生かしたゲーム作りを当の任天堂がきちんと提案できず、微妙な性能の低さも相まって他社(いわゆるサードパーティ)が軒並み他ハードに移行してしまったことは擁護できない事実です(他にも理由あり)。
もちろん発売された任天堂製ゲームはどれも質が高く、それらを遊ぶことを目的に購入する意義はあったと思いますし、実際スイッチへの移植が行われた作品も多々あります(スーパーマリオ3Dワールドやピクミン3など)。
しかし第8世代は共通して何よりも悩みのタネがありました。それがスマホゲームの台頭です。ゲーム機をわざわざ買うということへの意義が問われた時代でもありました。
② スプラトゥーン発売まで
去る2014年6月、ゲームの祭典として世界最大のE3(= Electronic Entertainment Expo、米国)にて突如発表されたのがイカを操りインクで攻撃、ナワバリを奪い合うまさしくスプラトゥーンそのものでした。試遊もできたとか。
全世界に映像が流れ渡り、それを見た誰もが斬新なゲーム性や魅力的なキャラクターに心奪われたものでした。
日本においては特にその話題は大きく、2015年 5月 9日・10日には完成を記念した完成披露試射会を実施。公式からはニコ生(これもなんか時代感じますよね)でもその様子は配信され、大盛りあがりを見せました(なお試射会は絶大な人気のため後日1時間限りで復活)。
③ スプラトゥーン発売
2015年5月28日、ついにスプラトゥーン初代は発売されました。ついで1日遅れで米国と欧州、2日遅れでオーストラリアでも発売されました。
発売後1ヶ月も経たない6月24日には世界累計売上100万本を記録しました。
また日本国内においては12月に100万本を達成し、これは当時日本でWii Uを持っていた人々の、およそ2.5人に1人がスプラトゥーンを購入している計算でした。
合わせて本体とソフトが同梱の「Wii U スプラトゥーン セット」も1ヶ月半で完売するほど、「本体を買ってでもやりたい」という人気がうかがえます。
当時は家電量販店でもそこまで本体が確保されてなかったのか、そのときには考えられなかったWii U争奪戦なんてことも起こっていたことは思い出です。
④ 全盛期
今でもフェスといえば一大行事。スプラトゥーンを超えたバチバチの争いが繰り広げられました。
なお、この時代フェスは1ヶ月に2度あることもしばしば。2015年6月から2016年7月までのおおよそ1年1ヶ月の間に16回ものフェスが行われました。
最初のお題こそ「朝食はパンかごはんか」という内容でしたが、2回目からいきなり「赤いきつね派か緑のたぬき派か」という荒れそうな内容をぶっ込んできました。これにはプレイヤーも大盛り上がり。
おまけに「きのこの山かたけのこの里か」という踏み込んではならない戦争の火種も起こしました。
⑤ スプラ2 発売 & 新世代ゲーム機への移行
2017年7月21日、初代発売の約2年後にスプラトゥーン2が発売されました。
併せてアップデートやフェスなどの公式のサポートも2へ移行し、短くも初代は役目を終えました。
ハードもスイッチへ移行し、画質向上、新たな世代の幕開けとしてWii Uの役目も終了しました。
⑥ チーターの温床、そして現在
Wiiでお馴染みとなったHBL(= Homebrew Launcher、自作アプリをゲーム機上で実行するためのソフトウェア。)がWii Uに登場。
これによりWii U用チートコードがネット上に多く出回るようになりました(HBL以外にも改造行為は多くあります)。
この結果スプラ初代はチーター(チートを使う人)の温床となり、永遠にスペシャルをはき続けたり、試合終了直前に急に全て塗りかえされたり。なんでもありの無法地帯となりました。
これがごく最近まで続いていました。
ところが今年(2023年)3月3日、緊急メンテナンスが行われました。
この記事執筆現在(5月3日)、まだ終わってません。
3. スプラトゥーン初代が持ち上げられる理由
筆者の出した総括 (結論)
今回記事を執筆するにあたり、Wii Uを再度起動するなどして当時のことを思い出していました。
多くの要因はあれど、その人気の理由は以下の2つにまとめられると考えます。
運営・プレイヤー共に初めてのタイプのゲームであるため、短い期間で様々な試みが行われ、変化が多く、密度が高かった。
思い出補正
思い出補正も十分な理由になり得ますが、シリーズ評価の指標として出されるほどの「伝説的作品」たらしめているのは、やはり1の理由が大きいものであると感じます。
そこで、以下でそれにつながる要因となった、初代ならではの特徴をお話ししていこうと思います。
① 熱狂的なファンが多かった
スプラトゥーン初代は最終集計で全世界495万本、日本国内では151万本と言われています。
対してスプラトゥーン2では全世界1330万本、日本国内511万本もの驚異的売り上げを見せています。
これを見る限り2の人気のほうが圧倒的に見えますが、しかし筆者である私個人的な判断を下すと、「初代のほうが熱狂的なファンが多かった」と感じています。
初めて触れる「インクでナワバリの奪い合い」というゲーム性から、初代はその盛り上がりを見せましたが、プラットフォームがWii Uであったことから多くの人はスプラ2にて初めて参加することができました。
しかし初代に対してスプラ2がここまで売上を伸ばしたのは、やはり初代の盛り上がりが多くの人に伝わったことに起因すると感じます。
ただ、やはりそれだけ熱狂したファンにとって、仕様変更や環境の見直しは慣れ親しんだものと変わってしまった衝撃をもたらし、「初代のが良かった!」と紛糾されることとなってしまいました。
少数派か否かに関係せず批判的意見の目立ってしまうインターネットにおいて、このような「初代の輝きしか認めない」という運動が活発化し、今のような評価を生んでいると考えます。
② コントローラー & Bボタンジャンプの強制化
私個人的に、Wii U ゲームパッドはスプラトゥーンのために生まれてきたコントローラーであると考えています。
スプラトゥーン初代では現在と異なり、2画面で試合をするというのが基本でした。
通常時はテレビを見て塗り、倒し、そしてゲームパッドの画面でマップを見るというのが初代の特徴です。
1画面ではないというのがポイント。視線の移動こそ必要ですが、敵位置把握や塗られていない場所の確認のためにXボタンでの画面の切り替えはいらなかったわけです。
スペシャルのトルネードは落とす場所を下画面からタッチで選び、スーパージャンプもタッチで選択。2や3のマップでの十字キー選択よりも高速かつ的確に選択できたことは今では得られない特徴でした。
併せて操作方法のお話。初代のジャンプキーはXボタンでした。要は右側4つのボタンで一番上に来るボタンなのですが、シューティングゲームではこのボタンでのジャンプが基本的な位置。遊びづらいという意見もありましたが、むしろシューティングゲームをやり慣れた人には親しみやすい位置であったともいえるでしょう。
2以降では任天堂お馴染みのBボタンに変更されました。
これ自体に問題はないのですが、キーコンフィグ(ボタン入れ替え機能)がなかったことでBジャンプを強制されたプレイヤー達がやる気をなくすこともありました。
なおこの件については、スイッチ本体の設定でキーコンフィグ設定はできます。ただ他のゲームにも引き継がれてしまう上、ゲーム内の表示と異なってしまうことからかえってやりづらいという意見もあります。
③ キャラクターの人気
これについては多々反発があるかとは思います。
キャラクターの問題。特にアイドルグループはどれ派かで大きく意見が分かれるところです。
初代のシオカラーズ、2のテンタクルズ、3のすりみ連合とで、どれが好みか。
ネット上の意見ではありますが、シオカラーズの人気が今でも高いように感じます。
この件に関しては、各作品のヒーローモードにも理由があるのではないかと感じています。
初代はもとより、新グループが登場した2・3においてもヒーローモードの進行役となっているのはシオカラーズです。
テンタクルズについては完全に追加コンテンツ(オクトエキスパンション)での登場となっています。
無課金勢、もといそこまでやりこまないプレイヤーにはテンタクルズは印象が薄くなってしまいがちです。(3でも今後の登場が期待されてますが…果たして)
そのほかに、アタマ屋のアネモ、クツ屋のロブ、ギア注文のダウニーなど、初代由来で今でも人気なキャラクターは数多くいる印象です。
④ スプラ3より混沌としていたブキ環境
スプラトゥーン初代の環境ブキ、当時やってた人なら思い出すことも容易でしょう。
圧倒的長射程にクイックボムとスーパーセンサーがついて近〜遠距離まで一個で担えるリッター3K。
塗り力、キルタイムの速さに加えて凶悪サブスペ構成(ポイズンバリア)のスプラスピナー・コラボ。
こちらからの攻撃しか許さないシールドを持ちながら、長射程2確メイン、いざというときのダイオウイカ持ち.96ガロン・デコ。
正直言ってブキ差と理不尽さは過去最悪だったと感じています。
しかしそれらブキを使い敵を叩き続ける快感は2や3では味わえないと言う人は多いかと。
個人的な3の問題は(特にナワバリにおいて)自陣奥まで攻められてしまったが最後、戦況を簡単にひっくり返せないというものがあります。
初代だったら簡単かと言われたらそういうわけではないのですが、リスポーン地点の無敵化や超強力スペシャルなどにより、困難な状況でもその戦況を打破することは不可能ではありませんでした。
2ではスペシャルが一新され、無敵スペシャルは制限をかけられてしまいましたが、初代の頃はそんなのお構いなしに時間いっぱい無敵となり、ほぼ負けなしの戦況を作ることも可能でした。
ダイオウイカを敵が出してきたから負けじとダイオウイカを出す、なんてことは見慣れた光景。挙句の果てにはリッターが4人集まったチームでナワバリ勝利も見慣れた光景、といった混沌さは、混沌をテーマのスプラ3よりも高いと今でも感じています。
シリーズ初作品なのでまだバランス面や環境がテスト段階という感じでした。
逆に、そのテストに我々プレイヤーが参加できているという優越感もありました。
⑤ ステージ人気
初代で登場したきり現在まで復活していないステージはいくつか存在しています。
もちろん初代に存在していたステージすべてが良いものだったかというとそういうわけでもなく、なぜ復活(続投)させたと突っ込まれるステージもいくつかありました。(タチウオとマヒマヒは特に)
とはいえ、人気ステージはいくつかありました。それらが良ステージだったかは別として、非常に特徴的なステージだったので、印象に残っている方は多いはず。
以下のステージは初代で出たきり復活していないステージです。
・デカライン高架下
・シオノメ油田
・ネギトロ炭鉱
ただこれらステージは、真ん中が2つに分かれていたり、ステージの奥に広場があったり…など極めて特徴的過ぎて今のところ復活するとも思えないステージであると思われます。
実際シオノメ油田なんかはガチマッチをやる上であまりにも問題が多く、ガチホコとガチヤグラを閉鎖されましたし。(ガチアサリは初代にはありませんでした。)
シオノメとネギトロはもはやネタとして語り継がれる存在。しかしながらある意味その存在こそ初代を彷彿させるものとして語られています。
ヒラメが丘団地とマヒマヒリゾート&スパは3にて復活しましたが、改変が加えられた結果初代の時のが良かったと言われてしまうことに。
キンメダイ美術館はあまり変わっていませんがそもそもそんなに人気のステージでもなく…。動くステージは嫌という声は多くあります。
⑥ ブキ(見た目)に個性アリ
初代アップデートで最後の方になって追加されたブキ、「ブキチセレクション」と呼ばれるブキ群は最後のアプデということもあり、なかなか尖っていたものが多くありました。
スプラ2でもそのうちのいくつかは復活し、新たに追加されたものもありましたが、初代にしか存在しなかったものもあります。
これらはいわゆる派生ブキという分類で、例えば以下のようなもの。
・スプラシューター・ワサビ(公式がスシをネタにしてきた)
・スプラチャージャー・ベントー(弁当で間に挟まれる緑色のやつ(バラン)が付いてる)
・スプラローラー・コロコロ(コロコロコミックとのコラボ、ローラー部にコロコロのロゴついてる上、ローラーでコロコロという…)
これらのように公式がブキで遊んでるぞ(楽しんでるぞ)というのが伝わってくるのが初代の魅力でもあったかもしれません。
⑦ 侵略!イカ娘
安部真弘氏による漫画作品、「侵略!イカ娘」(『週刊少年チャンピオン』2007年35号〜2016年13号、全22巻)とのコラボによる装備が存在しました。
共通点は間違いなくイカ。
今でこそマリオやポケモンなど多くの作品が会社間コラボを行っているため、任天堂作品がコラボしている様子は珍しいものではなくなりましたが、当時は任天堂のゲーム内に他の要素(コラボ)が入り込むことは非常に珍しいと言っても過言ではありませんでした。
そんな中で大人気漫画作品(アニメ化もされました)とのコラボとあって大きな話題を呼びました。
2016年、スプラトゥーン初代が佳境に入った頃に、9年間に渡った侵略!イカ娘の連載も終了。現在は版権の関係かスプラ2以降は無くなってしまいましたが、復活を望む声はかなり多くなっています。
その他にもファミ通のファッションコンテストにて採用されたタイショウ装備(寿司屋の大将風)も復活が望まれてます。
スプラ2限定もありますし、やはりコラボ系は復活が難しいのかもしれません。
⑧ 防御力アップ 攻撃力アップ のギアパワー
スプラ2で無くなったギアに防御力アップというギアがあります。
これは敵のメイン・サブ・スペシャルどの攻撃に対しても積んだ分だけ防御力が上がるギアパワーでした。
対照となるギアパワーは攻撃力アップです。これは逆にどの攻撃でも攻撃力が上がるギアパワーでした。(一部ブキでは必須級)
例えばL3リールガンD(3点バースト、サブ:クイックボム)というブキにおいて、攻撃力アップのギアパワーを一定以上積むと、メインウェポンの攻撃が1トリガー分(3発)全て命中した際、そのダメージは最大99.9になります。基本的に99.9の場合、インクを踏んでるなどで余分なダメージが加わるのでほぼ確実にキルすることが可能です。(これを疑似確と呼びます)
L3リールガンDの場合、さらに併せてサブのクイックボムの威力も上昇するため、1個で2度美味しいブキになり得ます。
この攻撃力アップのギアパワーは場合により環境を壊す勢いで強かったためか、2ではサブ(ボムなど)の攻撃力が上がらない「メイン性能アップ」としてアプデにて登場しました。
しかしながらこれも先のメイン疑似確が強かったため結果として環境を壊す勢いになってしまったのですが…(竹銃など)。
初代では対抗策がありました。それが先の「防御力アップ」です。これを積めば疑似確相手にも秒殺される心配が少なくなり、むしろその防御力の高さで前線を張るタンク職としての役割など遊びの幅も広がりました。
2では疑似確への強力な対抗策(ギアパワー)がないことが問題視されました。
改めて 総括(結論)
先ほども申し上げた通り、スプラトゥーン初代の人気に火が付いた理由には2つの大きな理由があると私個人は考えています。
1. 運営・プレイヤー共に初めてのタイプのゲームであるため、短い期間で様々な試みが行われ、変化が多く、密度が高かったこと
2. 思い出補正
この2つのどちらか、あるいは相乗によりスプラ初代はあれだけすごかったと持ち上げられる機会が多くなっています。
初代発売からおおよそ8年、スプラ2発売からおおよそ6年が経過した今となっては、チーターの温床、メンテによるサービス停止などもあり「かつての初代」というものがどんなものであったかを再現できない状況にあります。
オンラインゲームという都合、その盛り上がりは多数のプレイヤーが存在してこそ成立するものです。
もうあの時の盛り上がりを見ることができない、そのうえ多くのプレイヤーがスプラ2へと移行してから5年以上が経過してしまった以上、
スプラ初代の存在はかつての栄光、伝説へと昇華されることとなってしまいました。
4. スプラトゥーン3は初代へ回帰しようとしてる?
スプラ3は発売当初から、その雰囲気やブキ、装備環境にどこか「初代風味」を感じずにはいられませんでした。
スプラ2で一新されたスペシャルウェポンも、3では仕様変更のもと一部の初代スペシャルが復活しました。
ましてや発動中は完全無敵のスペシャル、テイオウイカが登場。こちらも初代のダイオウイカとは若干の差があるものの、2や今までの3には存在しなかった「発動中はどれだけ攻撃を喰らっても無敵」というスペシャルが復活を遂げました。
スプラ3で初代を彷彿とさせるブキを紹介します。
スプラ3で初代を彷彿とさせるブキ一覧
同じサブ・スペシャルウェポンの構成のものが初代に存在するブキです。
わかばシューター
スプラシューター(初代のスプラシューター・コラボ)
スプラシューター・コラボ(初代のスプラシューター・ワサビ)
.52ガロン
ボールドマーカー・ネオ(初代のボールド無印)
.96ガロン・デコ(見た目もほぼ同じ)
スプラローラー・コラボ
カーボンローラーデコ(初代のカーボン無印)
スプラスピナー・コラボ
スクイックリンα
初代回帰することを望まれているのか
確かに、初代を感じさせるものの多さからスプラ3は2をあまりやってこなかった初代勢の復帰を後押ししました。
こういったオンラインゲームにおいて最も重要なのは長く遊べる基盤作りとゲーム人口の確保だと私は考えます。
初めてシューティングゲームを触るプレイヤーから、一定のブキを極めて頂点を目指すガチ勢まで、多くの人々が「長く」楽しめるゲーム性を取るべきであり、その方法に正解はありません。
今作(スプラ3)は最初期こそ話題を集め、非常に多くのプレイヤーを集めました。
しかしながら、段々とその人口は減りつつあります。いわゆる「飽きが来た」というやつです。
今いるプレイヤーをできる限り確保しながら、新規プレイヤーを集めるため、スプラ運営は初代への回帰を更に後押ししました。
あのとき楽しんでいたプレイヤーたちへ、思い出させる目的も伴いながら、派手なスペシャル、派手なブキで戦う光景で新規プレイヤーを取り込む。
スプラ初代は派手だからこそ、混沌としていたからこそ、その話題を集める手段として有用なのでしょう。
ただプレイヤー目線で考えたときに、初代回帰を求められているかは別問題です。
それこそ初代のときのような派手なスプラを望んでいた人々には嬉しいことでしょうが、スプラ2のような、ブキごとのバランスが考えられていた時代を求めているプレイヤーも数多く存在しています。
要は、スプラ2の進化系を求めていたプレイヤーの希望とは異なる方向に現在のスプラ3は向かっています。
ここにおいて、スプラ2と3は別のゲームであり、様々な楽しみ方を提案するという見解を示すこともあるでしょう。しかしながら、現にスプラ2のアップデートは終了し、フェスはじめ多くの要素はスプラ3へと移行してしまっています。
別のゲームであるというのであるならば、それぞれにおいてアップデートやサポートを続けるべきであると考えます。
個別のサポートにおける問題や新規プレイヤーを取り込めなくなる金銭的な問題もつきものなのが厄介ではありますが…。
5.終わりに
黒歴史と言われ続けたゲーム機の数少ない良心として、「これがなければ真っ黒なままだった」ともさえ語られるスプラトゥーン初代。
伝説を作り、任天堂の新規IPとして確固たる地位を築き上げた作品が、今のここまで語り継がれるのは、一見すると良いように見えて、ナンバリング作品が初代と比較されてしまい、評価が紛糾するという問題も持ち合わせています。
あの頃遊んだプレイヤー同士でどこが良かった、どこがダメだった、そう語り合うことは非常に有意義なことだと思います。
しかしながら、今を楽しむプレイヤーにその話を持ちかけることや、運営に対して文句を言う比較として持ち出すのは決して良いこととは思えません。
スプラトゥーンが変わる、しかしそれは初めて今作でスプラトゥーンを遊ぶプレイヤーへ向けた要素の追加が行われたということ。
私達のような、昔から遊んでいたプレイヤー「だけ」に向けられた作品ではありません。
初代を伝説へと昇華することに問題はありません。しかしその伝説の再来には期待しないほうが良いでしょう。
忘れられない思い出としてのスプラトゥーン初代の楽しかった日々を取り戻すことは、オンラインゲームでは難しいものです。
私達はその日々を取り戻せないからこそ、今もあの日々を語り続けるのです。
スプラトゥーン3に今後の期待も込めて、今回の記事を終わりたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、また。