消化器病/第28問/2018

消化器病専門医試験
2018年度予想

49 歳男性。主訴は掻痒感。数年前から健康診断で肝障害を指摘され、今回他院で黄疸を指摘され、精査を目的に当科を紹介受診。生来健康で、特記すべき既往歴、家族歴はない。
現症 : 体温 36.8°C、血圧 136/88mmHg、脈拍 72/分、眼球結膜黄疸なし、眼瞼結膜貧血なし、腫大リンパ節触知せず、呼吸音 : ラ音聴取せず、心雑音なし、腹部 : 平坦・軟、圧痛なし、腫瘤触知せず。
血液検査所見 : 赤血球 444 万個/μL、Hb 13.9g/ dl、白血球 3400 個/μL、Alb 3.9g/dl、尿素窒素 12.3mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、T.Bil 1.02mg/ dl、AST 345U/l、ALT 422U/l、γ GTP 523U/l、ALP 946U/l(基準 115~359)、Amy 27U/l、CRP 0.8mg/dl、CA19-9 244U/ml、CEA 4.4mg/dl。腹部超音波検査所見 : 肝辺縁鈍化なし、肝実質 エコー均一、脂肪肝軽度、肝内胆管拡張軽度、肝腫瘍なし、総胆管拡張なし(5mm)、胆囊異常なし、主膵管 MRCP(Figure 1)と ERCP(Figure 2)を示す。
本疾患について正しいものを 2つ 答えよ。
a. 高齢男性に多く、一峰性の分布を示す。
b. 本邦では約30~40%が炎症性腸疾患を合併する。
c. ERCP画像で膵管狭窄像も認めるのが特徴である。
d. 肝生検における組織所見で onion skin lesion を認める。
e. 治療では副腎皮質ステロイドに良好に反応するのが特徴である。

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解答

b 、d
原発性硬化性胆管炎(PSC)

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821字

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