総合内科専門医/第259回(呼吸器)/2019

総合内科専門医試験
2019年度予想

54歳の男性。持続する喘鳴、手足のしびれ感および発熱を主訴に来院した。
現病歴;2年前から喘鳴が出現し、気管支喘息と診断され自宅近くの診療所で治療を継続している。3か月前から四肢のしびれ感が出現した。四肢のしびれ感が増強するとともに2週前から発熱を繰り返すようになったため紹介入院となった。喫煙歴はない。ペットは飼育していない。粉塵吸入歴はない。体温38.6℃。脈拍112/分、整。血圧140/90mmHg。呼吸数24/分。四肢末梢に軽度の表在・深部感覚の低下を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。
血液所見:赤血球488万、Hb 14.1g/dL、Ht 42%、白血球17,600(桿状核好中球2%、分葉核好中球53%、好酸球30%、好塩基球1%、単球1%、リンパ球13%)、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.9g/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 101mEq/L。免疫血清学所見:CRP 12mg/dL、β-D-グルカン3.3pg/mL(基準10以下)、抗好中球細胞質抗体PR3-ANCA 10EU/mL未満(基準10未満)、MPO-ANCA 90EU/mL(基準20未満)、IgE 2,180IU/mL(基準250未満)。動脈血ガス分析(鼻カニューラ3L/分酸素投与下):pH 7.37、PaCO2 45Torr、PaO2 65Torr、HCO3- 25mEq/L。胸部エックス線写真と肺野条件の胸部単純CTとを別に示す。

確定診断後、3日間のステロイドパルス療法を施行し,プレドニゾロン(PSL)60mg内服を開始した。発熱と喘鳴症状は改善し、PSL 40mgで退院したものの、手先のしびれ症状が残存している。神経症状を有するこの患者に対する治療として最も適切なのはどれか。
a. シクロスポリン
b. ボリコナゾール
c. 高用量吸入ステロイド
d. ガンマグロブリン大量療法
e. アスペルギルス減感作療法

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解答

d
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)

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918字

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