第2回内科専門医/第245問(肝胆膵)/2022

第2回内科専門医試験
2022年度予想

次の文を読み、62~64の問いに答えよ。
56歳の男性。心窩部痛を主訴に妻に伴われて来院した。
現病歴:昨晩、夕食後に心窩部痛と悪心とを自覚した。心窩部痛は次第に増強し、背部痛も伴うようになった。
既往歴:30歳代から肝機能障害を指摘されている。
生活歴:飲酒は日本酒3合/日を30年間。喫煙は20本/日を36年間。
家族歴:父親が胃癌、母親が高血圧。
現 症:意識はやや混濁。身長168cm、体重58kg。体温37.8℃。呼吸数40/分、脈拍120/分、整。血圧100/56mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆して、上腹部に圧痛と反跳痛を認め、筋性防御も認める。肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球450万、Hb 12.6g/dL、Ht 39%、白血球 18,800(桿状核好中球61%、分葉核好中球10%、好酸球2%、好塩基球2%、単球5%、リンパ球20%)、血小板 6.9万。血液生化学所見:HbA1c  7.6%、総蛋白 6.0g/dL、アルブミン 3.2g/dL、尿素窒素 54mg/dL、クレアチニン 2.8mg/dL、血糖 268mg/dL、尿酸7.8mg/dL、総コレステロール180mg/dL、トリグリセリド140mg/dL、総ビリルビン 1.2mg/dL、直接ビリルビン0.3mg/dL、AST 130U/L、ALT 150U/L、ALP 380U/L(基準115~359)、γ-GTP 130U/L(基準8~50)、アミラーゼ 2,400U/L(基準37~160)、Na 142mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 112mEq/L、P 3.0mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.41、HCO3- 26mEq/L。免疫学所見:CRP 13.2mg/dL、CEA 2.5ng/mL(基準5以下)、CA 19-9 18U/mL(基準37以下)、CA125 120U/mL(基準35以下)。
腹部造影CTを別に示す。

問題1)まず行うべき管理として正しいものを2つ選べ。
a. 膵切除術
b. 鎮痛薬投与
c. 大量輸液
d. 血液浄化療法
e. 副腎皮質ステロイド投与

問題2)この症例の検査値、検査所見において重症度に関与している項目は以下のうちどれか。正しいものを2つ選べ。
a. 血糖 268mg/dL
b. アミラーゼ 2,400U/L
c. 血小板 69,000
d. 腎下極以遠までの炎症波及
e. 動脈血ガス分析で pH 7.41

問題3)入院後に重症度判定を繰り返し行い、全身評価する方針となった。この疾患において、重症度判定を行う期間について推奨されているものを1つ選べ。
a. 3時間以内
b. 6時間以内
c. 12時間以内
d. 48時間以内
e. 72時間以内

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解答

問題1)b、c
問題2)c、d
問題3)d

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1,696字

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