総合内科専門医/第228問(循環器)/2019

総合内科専門医試験
2019年度予想

72歳の男性。左下肢痛を主訴に来院した。
現病歴:2年前から500m程度歩行すると両側下腿に疼痛が出現していたが放置していた。次第に、100m程度の歩行で両側下腿の疼痛を自覚するようになった。しばらく立ち止まってじっとしていると疼痛は軽快するが、足先に冷感としびれが残っていた。1ヶ月前からは左足趾尖の安静時疼痛が出現し、写真のような足色変化が見られるようになってきたため受診した。
既往歴:15年前から高血圧症と脂質異常症のため医療機関にかかっていた。投薬を受けていた時期もあるが、60歳の退職後は受診が滞っていた。
生活歴:妻と2人暮らし。摂食、排泄および更衣は自立している。喫煙は20本/日を43年間。飲酒は機会飲酒。
現 症:意識は清明。身長168cm、体重75kg。体温36.3℃。脈拍76/分、整。血圧156/88mmHg(右上肢)。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。頸部と胸腹部に血管雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右足に色調変化はないが、左足は暗赤色に変色している。右の後脛骨動脈は触知するが、左では触知しない。
次に行う検査はどれか。1つ選べ。
a. D-dimerの測定
b. 下肢静脈造影
c. 足関節上腕血圧比(ABI)測定
d. 下肢単純CT検査
e. 下肢末梢神経伝導速度の測定

< ここから解答・解説になります >


解答

c
下肢閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans: ASO)

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