第2回内科専門医/第248回(血液)/2022

第 2 回内科専門医試験
2022年度予想

63歳の女性。排便後に突然胸痛と動悸とを訴えた。意識は清明。身長 161cm、体重 75kg。呼吸数 28/分。脈拍 112/分、整。血圧 98/76mmHg。顔面蒼白で苦悶状である。動脈血液ガスで PaO2:61 mmHgと低酸素血症、 血清Dダイマー高値(10.55 μg/dl)を認め、胸部造影CT検査で両側肺動脈に造影欠損像を認め、急性肺血栓塞栓症の診断となった。治療として、未分画ヘパリンの持続静注を開始したところ、ヘパリン使用開始後に血小板数が 7.4 × 10⁴μl に減少、血清Dダイマーが上昇し(126.4 μg/dl)、静脈血栓の増加を認めた。
この病態について正しいものはどれか。2つ選べ。
a. 血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体を測定する。
b. ヘパリン使用開始後3日以内に発症しやすい。
c. 血小板減少に対して血小板輸血を行う。
d. 未分画ヘパリンを中止しワルファリンを使用する。
e. 未分画ヘパリンを中止し抗トロンビン薬を使用する。

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解答

a、e
ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)

試験でのポイント

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2,317字

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