義理のお父さん
2019年11月、夫からプロポーズを受けた。
その翌月の12月、初めて夫の実家を訪れた時の話。
夫は典型的な大阪人という感じで、お笑い好きでよく喋る。
そんな夫の家族構成は、お父さん、お母さん、2人のお兄ちゃん。
お母さんは、明るい料理上手な大阪のおばちゃんっていう印象。
一番上のお兄ちゃんは、やや控えめだが、それでも鋭いツッコミを入れてくる、やや注意人物的な印象。
2番目のお兄ちゃんは、夫と同じく大きな声でよく喋る、夫より更にキレがある The 大阪人という印象。
最後に、一家の主人である、『お父さん』だが、
家族の中では一番大人しくて、端っこでいつもニコニコしていて、私が考える大阪人とは全く違うタイプの印象だった。
そんな源田家の家族が、末っ子がプロポーズをした相手を連れて来たので、一家総出で歓迎会を開いてくれていた。
当時、沖縄に住んでいた私と夫は、飛行機とリムジンバスを乗り継いで2時間ほどかけて、やっと大阪の南の方にある夫の実家に到着。
時はすでに、夕食どきとなっていた。
玄関を開けると、家族全員が笑顔で迎え入れてくれた。
挨拶もそうそうに終え、すぐに夕食の席についた。
そそうはないだろうか?
夫の家族に受け入れてもらえるだろうか?
変なことを言って突っ込まれたらどうしよう・・・
など、極度なガチガチに緊張した状態で食卓についた。
私が案内された席は、お父さんのと夫の間で、2人に挟まれるようにして座った。
夫は、2人の兄たちと、つもる話に花を咲かせていた。
夫が何か言えば、兄2人が突っ込むという大阪独特のノリ。
私は入っていけなかった。
恐怖さえ感じていた。
お母さんは一生懸命、料理をしていたので、私は何気なく隣にいたお父さんと話をした。
お酒好きと聞いていたので、沖縄から泡盛と海ぶどうをプレゼントで持って行った。
寡黙な印象のお父さんだったが、今日一番の声で「ありがとう!」と最高の笑顔で喜んでくれた。
そうこうしている間にも料理がどんどん作られていき、テーブルいっぱい料理が並んだ。
お祝いということで、鯛の尾頭つき塩焼き、赤飯、お刺身、スペアリブの煮物、春巻き、魚の甘酢餡かけ、サラダなどなど・・・
12月後半でクリスマスも近かったのでクリスマスケーキも用意されていた。
食事を食べながら、お父さんが、私の実家の沖永良部島のことを聞いてくれたり、お酒を進めてくれたり、とても温かくて優しく接してくれて、私の緊張もだんだん溶けてきた。
そんなお父さんだが、横で見ていると、机の上に、小さなコップを5つ並べていた。
それぞれに、違う種類のお酒が入っていて、
どうやら、食べるものによって、その都度、飲むお酒を変えてるようだった。
春巻きを食べる時は、ビールを飲み
お刺身を食べる時は、日本酒を飲み
ステーキを食べる時は、赤ワインを飲み
おつまみのチーズを食べる時は、白ワインを飲んでいた。
私たちがプレゼントした泡盛は、何で飲むのかな?とドキドキしながら見ていると、
なんと、ケーキを食べながら泡盛を飲んでいた!!
なんでやねん!!!!! そこは、海ぶどうでしょ!!!!
と突っ込みたくなったと同時に、
「あ〜・・・
私もこうやって大阪人のツッコミになれていくのかな・・・」
と思った。という話でした。