共同通信杯 走法分析

今回の共同通信杯は去年に引き続き好メンバーが揃った印象。予想オッズを見ると4強といった感じだが、下位人気にも走法から見た能力の高い馬が多い。また、走法が良くてもいまいち決め手に欠けるような馬も多く、着順まで予想するとなると非常に難解なレース。
個人的に馬券を考えるなら、走法による能力の順位付けをしつつも、決め手や東京適性、追い切りなどを総合的に見て判断したいところ。
これらを踏まえて以下では、各馬の走法見解と能力・適性などを記載してます。良ければご覧ください。

アケルナルスター

ストライドと回転のバランスは取れていて、滑らかさもある叩き型のフットワークだが、特に左手前のときに重心が後ろに寄っているのが気になる。その影響で上滑りするような走法になってしまうため、超高速馬場なら良い脚が使えるが、今の馬場ではこのような走法はあまり好走例がない。
また、この重心の位置が改善されてきたとしても、叩き気味のフットワークであるためパワー型にシフトしていき、東京よりも中山適性が高くなるように感じる。

アサヒ

全身の連動性が良く、ストライドや回転量など全体的にバランスが取れている良い走法。前脚はやや叩き気味のフットワークだが、しなやかで窮屈さが無く芝でもスピードを使える形。
また、デビュー1,2戦では前脚のパワーが軽い印象だったが、前走や今回の1週前追い切りを見ると、しっかりと地面にパワーを伝えられるように良化していた。後脚を見ると派手なバネ感があるわけではないが、可動域が広いため、小回りよりも東京で長い脚を使う方が向くように感じる。距離も1800-2000mがベストであるため、今回も好走を期待できそう。

アバンチュリエ

前脚が綺麗に伸びて地面を撫でるような使い方のスピードタイプ。回転力は十分にあり、ストライドも大きいが、可動域が広く伸縮性があって跳びが小さいため1800mは若干長く、本来の良さが出せるのは1600m。
しかし、東京1600mにおいては能力が高く、今の馬場なら1800mでもやれてもいいように感じる。

エイシンシュトルム

前脚を折り曲げて叩きつけるのに加えて掻き込みも強いため、流石にダート向き。また、ストライドがそこまで伸びない割に回転量も不足しているため、ダートでも中央のレベルは厳しいように感じる。

サンストックトン

首が前では無く下に沈み込むような使い方でフットワークとの連動性があまり良く見えない。脚もあまり上がっておらず、ストライド×回転量的にも現状では自己条件の小回りの方が良さそう。

ジオグリフ

トップスピードに乗ってちゃんと走れてるときは姿勢を低くしてストライドをのばせているが、その走法になるまでに阪神外回りですら残り50mになってやっとというように時間がかかりすぎる。トップスピードではないときは首が高くて状態が起きて連動性が悪いため、フットワークのみで走る上滑りするような走法。
新馬戦ではこのような走法でも加速できていたが、それはその時期の馬場が高速で上滑りの走法でも勝手に加速できる馬場であったためだと考えられる。今回の1800m戻りはプラスに働くだろうが、メンバーレベルなども加味して個人的にはそこまで能力を評価できない。

ジュンブロッサム

長い脚でゆったりとした回転でストライドを大きくする走法。徐々にスピードをあげるため東京はベストではあるが、あまりにフットワークに力感がなくて回転も遅いため距離は短くとも2000m、ベストは2400m以上に感じる。

セイウンプラチナ

首があまり使えず、ストライドもあまり大きくない走法。前脚は着地点が前目とはいえ叩きに寄りすぎてる感じでややワンペース気味なフットワークであるため、現状では中山で前目につけてごまかす形がベストといった印象。

ダノンスコーピオン

回転力がそこそこあり、姿勢を低くしてストライドを伸ばせる走法でスピード能力は評価できる。また、以前まではスピードに乗るまでは状態が高く、脚さばきが硬くて伸縮性もあまりない形だったが、前走では若干改善されていた。このようなことから、今回の東京替わりはプラスに働きそう。
しかし、良い走法ではあるものの、近2走では新馬戦にあった手前替えの際の前脚のしなりがなく、いまいち決め手に欠ける印象。直線で徐々に伸びてきて好走はするだろうが、勝ち切るまではイメージが湧かないのでオッズや買い方によっては思い切って切っても良さそう。

ダノンベルーガ

フットワークにしなやかさがあって回転力も高く、前走で早い上がりを使っていることからも芝でもスピード能力はある程度評価できる。しかし、首が高く、前脚が折れ曲がって叩きつける形で伸縮せず四輪駆動のようなパワーに寄った走法であるため、本質は荒れた馬場や道悪に適性があるように感じる。

ビーアストニッシド

ストライドが大きく綺麗で回転力も高く、前脚はちょうど良い感じに伸びる良い走法。フットワークを見ても地面を撫でるような感じでスピード能力は評価できる。改善点を挙げるとすれば、首が少し不安定であるため連動性が悪くなってしまうことだが、1週前では若干だが改善されてきたように感じる。
また、フットワークの力感が強いため、2000mよりかは1800mの方が向くだろうし、ワンペース気味でもないので、前走無理矢理折り合ったのが生きて今回切れ味を使えることができれば十分勝負になるように感じる。

フジマサフリーダム

前脚は折れ曲がって叩きつけるような使い方だが、首が伸び切っていて使えていないためか、走りが軽く、パワーも弱い中途半端な走法。今後は東京ダート2100mとかに出てきたら面白そう。

プレサージュリフト

ストライド×回転量の値が大きく、能力は高く評価できる。フットワークは前脚を曲げて回転させる感じで着地点が体に近いためややパワー寄りだが、こういうタイプは脚捌きの硬さが取れて、前目で地面を蹴れるようになればスピード能力がより高くなる。
今回の1週前追い切りではまだ改善しきれていないため、地力は評価しつつも今後に期待したい。

メイショウラナキア

ストライドは大きいが、首が低く伸びきっていて使えておらず、フットワークの力感も弱いためスピード能力はそこまで高くない。デビュー2戦とも適性のある、スピードが求められない2000mで成績を残しているが、今回は距離短縮に加えて馬場を考えると、流石にスピード不足に感じる。

レッドモンレーヴ

ストライドと回転のバランスはいいが、東京にしてはストライドが小さい方。前脚が伸びきっていて状態が高く、上滑りするようなフットワークであるため夏の時計が早い小倉あたりで狙いたい。

印 

良馬場の場合
◎アサヒ
○ビーアストニッシド
▲アヴァンチュリエ

雨の場合
◎ダノンベルーガ
○アサヒ
▲ビーアストニッシド

アサヒ
追い切りを見てもやはり前脚の力強さが増して走りの連動性がさらに高くなったように感じる。また、前脚は力強くはなってはいるものの、叩き要素が強くなく、良馬場でスピードを出すことができ、かつ雨が降って渋っても重馬場までなら問題ないバランスの取れた使い方。
元々の能力も十分に高いため、どちらの馬場でも高く評価したい。

ビーアストニッシド
走法の形や前脚の伸び方が綺麗でスピード能力の高い良馬場向きの走法。渋ると他馬比較でパワー不足に感じるが、良馬場であれば全然劣っていない。
また、今までは顎が上がってしまうような首使いだったが、追い切りでGOサインが出てからはしっかりと首が下がってものすごくいい形で使えていた。元々の能力に加えて、この良化もあるのでここは人気薄でも期待したい。

ダノンベルーガ
正直、本質はパワータイプでスピード能力の評価に困っていたが、雨が降るようであれば素直に高く評価したい。この馬は前脚を折り曲げて回転させる叩き要素のあるフットワークであるため渋ってもむしろ歓迎で、回転力も高いため馬場が悪い中でもスピードを使えそうな走法。さらに、首が高めであるため、雨が降って滑るようになっても相対的に有利となるため、雨・道悪適性は高く見える。

アヴァンチュリエ
この馬もマイルで好走していたようにスピード能力が高く、東京向きの良い走法。上記したように、回転力的に1800mの延長は向くように見えるため、良馬場でスピードを活かせるようであれば期待したい。



最後に、皆さんいつもいいねやRT等して頂き、本当にありがとうございます。
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