このスピーカー何ワット?

なるべく簡単に説明する難しい音のお話。
よくコンサート会場のミキサー席で聞かれる質問は「このスピーカーは何ワットですか?」僕は「およそ一台で3000W位の耐入力ですね。」と答えます。すると「だから大きな音がするんだ」と言われます。説明が長くなり本番の準備に響くので「そうですね」と答えます。

 実は耐入力はコンサートなど大音量で再生する場合、大きなファクターなんですが、音の大きさとはあまり関係がありません。一番はスピーカーの能率が大事なんです。

 85db(デシベル)/wのスピーカーに50wのアンプをつないだものと98db(デシベル)/wのスピーカーに10wのアンプをつないだものでは後者のほうが格段にでかい音がでます。オーディオ用のスピーカーは85db(デシベル)ぐらいに能率の低いものが多いのでアンプも高出力でドライブするほうが良い音がしやすいです。昔のアルテックなどは高能率のスピーカーが多く小さな出力でもパンパかパーンとデカイ音がします。90デシベルと言うと工場の騒音ぐらいです。98デシベルと言うと電車が通過するのガードしたの音ぐらいです。110デシベルというと車のクラクションを目の前で鳴らされる感じです。つまり後者は1ワットで電車が通過するガード下ぐらいの音がするってことなんです。

例を少し

●ダイアトーンのオーディオ用スピーカー(平均的)

■出力音圧レベル:90dB/W/m

■耐入力:300W

●アルテックA7 昔の映画館仕様のスピーカー(今では高級オーディオ)

■出力音圧レベル:105dB/W/m

■耐入力:50W

●トランペットスピーカー(選挙や学校など)

■出力音圧レベル:112dB/W/m

■耐入力:30W

●コンサート用JBLスピーカー

■出力音圧レベル:98dB/W/m

■許容入力:3200W(プログラム)

とまあ雲泥の差なんですね。コンサート用ですと耳がぶっ壊れそうになるぐらいの最大136dbもの音が出ます。因みに136デシベルと言うと至近距離の大砲の発射音らしいです。聴いたことないけどね(笑 

 スピーカーも人間も同じで沢山食べないと動けない人やちょっとでも凄く動ける人がいたり。能率は悪いけど良い仕事をする人、手早いんだけど間違いの多い人などなど音の世界も人間界と同じなんですね^ー^

「小さなアンプで大きい音を鳴らしたい」と考えたら、カタログを見て高能率のスピーカーを選ぶと良いですね。電気の節約にもなります。 感謝


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