語り兵衛

僕は人間が急に変わる時を見ると、魔に囚われたと思っています。金の亡者になる、異常に食いすぎで醜く太る、人を騙して金品を奪う、これは全て妖魔のせいだと思っているんです。幼い子どもはみんな天使の心を持って生まれてきます。そして僕の中でヒーローが誕生しました。日本人らしいヒーローです。僕は、いつかこんな日本人の心を表現した映画やアニメを撮りたいと思っています。時の河を渡り現れるもの、その名は語り兵衛

語り兵衛

人は大いなる魂を分け与えられ天から生まれてくる

しかし時として人は煩悩に溺れる

昔から魔がさす、魔が悪い、魔違い、魔酔いと

恐ろしい妖魔の存在を教えられてきたにも関わらず。

現代は言葉も代えられ、その重大さに気付かずに生きている。

人の欲はマグマのようだ、ふつふつと次から次へ熱い欲が湧き上がる

周囲を燃えつくすまで冷えることはない。

そして、人の心の闇に棲みつく妖魔は、欲と言う名の食い物をたらふく喰らい

身体の中で醜く太り、遂には人の心全てを食い殺す。

終いには見た目は人間のようだが冷たい妖魔の目になる

まるで喰らうことしか能のない爬虫類の目をみるようだ。

この恐ろしい妖魔に対抗できるものはただ一人。

言の葉の弓を携え、時の河を渡り現われし者

その名は語り兵衛

身近なものが変化し、恐ろしい妖魔に襲われるもの

あるときは、時の壁を破り一瞬にして現れる

いっぱいに引き絞った言の葉の弓から解き放たれる、言霊の矢!

貪(とん)・瞋(しん)・癡(ち)・慢慢(まん)・疑 (ぎ)・悪見(あくけん)妖魔退散!破ぁぁぁぁぁ!!

オレンジの光を放ち風を切り裂く言霊の矢は一瞬にして妖魔を粉砕する。

絶叫を残し妖魔は黒い霧となり地面へと消える

黒い炎の燃えた後には赤子が泣いてる

言霊の矢は人を殺すことはない。

赤子は語り兵衛の手により、癒し人の里へと運ばれる

そして再び正しき道を目指し歩き始めるのだ。

時の河を超え現われし語り兵衛とは

その時代、時代に生まれ、詩を綴るもの、歌を詠むもの、物語を書くもの、歌を歌うもの、人の心を動かすものたちのこと

男であろうが女であろうが、それは全て語り兵衛なのだ。 完


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