5月30日

語彙のある人には憧れる。
スラスラと文字を書き連ね、豊かな感性で世界観を形どる。
私自信も小説やラノベ、SSなんかをよく読むが、文字を読むだけで状況を想起させる力にはとても驚かされる。いつかは私も言葉を操れるようになりたいものだ。とりあえずは読むことで勉強しようと思う。


それはそうとして、今日は2021年5月30日、何の日かといえばまあ、日本ダービーの開催日である。つい最近ウマ娘にハマり、ついでに、いや、正確に言えばついでではないのだが見始めた競馬観戦。どちらも結構すぐ飽きるかと思っていたのだが、どちらも思ったより長続きしている。競馬観戦自体は桜花賞から見始め、皐月賞は見逃してしまったが、それ以外は毎週見ていた。そんな中で、桜花賞と皐月賞にて、ソダシとエフフォーリアという、無敗の一冠馬が生まれていた。つい最近競馬を知ったばかりなので、三冠馬が生まれた瞬間の喜びや凄さはいまいちよく理解していないが、「無敗の」三冠馬は、恐ろしく凄い業績であることは、始めたての私でも理解していた。惜しくも去年、コントレイルとデアリングタクトという馬が、クラシック、牝馬ともに三冠を達成しているので、この業績を見られなかったのが非常に残念だと思っていた矢先の無敗の一冠馬。なんて幸運だ。と、思っていた。

5月23日、オークス。
優駿牝馬とも呼ばれる、スピードとスタミナを兼ね備えた、樫の女王が誕生するレース。そのレースにて、惜しくも「無敗の」一冠馬、白毛の女王ソダシは、鋭い末脚が持ち味のユーバーレーベンに敗北、三冠を逃した。桜花賞が1600mで、オークスが2400mだったのもあり、距離が合わず持たなかったのだろう。これは別に三冠を逃したソダシを軽蔑しているわけではない。当然、樫の女王に輝いたユーバーレーベンを称賛しているし、惜しくも玉座を逃したソダシにも、敬意を表している。それに、ここで終わりなわけではない。牝馬三冠の最後の一冠、秋華賞がまだ残っている。そこで再びソダシが立ち上がり、数々の優駿と競い合ってくれることを願っている。

5月30日、日本ダービー。
東京優駿と呼ばれる、皐月賞、菊花賞と並びクラシック三冠の一角に数えられる、”最も運の強い馬が勝つ”と呼ばれるレース。そのレースには、私の期待の最後の馬、エフフォーリアが出走していた。参加している馬はどれも輝かしい記録を残している三歳馬だ。だが、エフフォーリアは前走皐月賞で、三馬身差の好記録で勝利している。勝てるはずだ。エフフォーリアなら、去年のコントレイルに続く、栄光の三冠馬になれるはずだ。

――だが、現実はそう甘くはなかった。
この日本ダービーを制したのは、黒鹿毛の恐ろしい差し脚の持ち主、シャフリヤールであった。皐月賞をパスしてまで日本ダービーを狙った姿勢が、必ずダービーを獲ると願うその意志が、彼を勝利に導いたのだろう。

――他にも注目の馬が居た。
牝馬の出走としては7年ぶり、ダービーを制すればウオッカ以来14年ぶりの牝馬の優勝を飾ることが出来た、サトノレイナス。
桜花賞ではあの白毛の女王ソダシと競り合い、惜しくも二着だったが、持ち前の鋭い末脚でギリギリまで戦い抜いた、誰もに夢を見せた優駿。
だが、甘くなかった。ダービーは、誰にも甘くなかったのだ。


色々言いたいことはある。私の今年の追う夢破れ、彼、彼女たちの追う夢破れ。私も悲しい思いはしたが、彼らの悲しい思いのほうが私なんかよりよっぽど強いだろう。でも、ここで終わりじゃない。まだ二冠は獲れる。私は、何にも屈さず立ち上がり、最後の一冠へ、それ以降もレースへ挑み続けることができるように、祈るだけだ。

次のG1は安田記念だ。目玉は紛れもなく以前ヴィクトリアマイルを制したグランアレグリアだろう。それに、その次である宝塚記念にはあのコントレイルが出走する。残念ながら出走予定であったデアリングタクトは繋靭帯炎で出走できないようだ。三冠馬対決が見れるかと思ったが、デアリングタクトが生きていればチャンスはきっとあるはずだ。

走れる限り夢は叶う。確かにソダシやエフフォーリアは三冠を逃したが、「無敗の」一冠馬であり、数多くのファンの期待を背負っていたという事実が消えることはない。競馬には、ストーリーがあり、追いかけたくなる「夢」がある。私はこれからしばらく、彼らを追いかけようと思う。

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