見出し画像

これから花屋で働きたい方へ

花の業界に入って25年。
アルバイトから始めて今は経営者になりました。
これから花屋で働きたい方へのメッセージと思って書きます。

結論

花屋はプロの技術者が花を販売するところ。
趣味の延長として考えているのならやめたほうがいい。

花屋が求める人材は雑用と技術者

花屋での求人の多くは「制作作業員」または「配送スタッフ」です。
簡単に言えば雑用ですので、花屋で働くと自分の好きな花で花束やアレンジメントを作れるということはありません。
花屋はあなたに技術を教える場所ではないので、好きな花でアレンジメントがしたいなら趣味で教室に通えばいいし、技術を習得したいのなら花の専門学校へお金を払っていくべきです。
少し花の教室へ通っただけの方や花が好きというだけで花屋の求人に応募がありますが、花屋では知識と技術を持ったプロが花を制作販売しているので、趣味感覚で作った花を顧客へ販売するようなことはないでしょう。
未経験の場合は一定のスキルが身に着くまで雑用と考えてください。
当然花に関しての知識と経験、技術スキルがあればどこの花屋でも働けますので自身のスキルを発揮できる好条件の会社を探しましょう。

花屋は人材育成にコストをかける余裕はない

どの業種でも同じだと思いますが、未経験者に手取り足取り丁寧に仕事を教えていくことはありません。
未経験であれば働く側が努力して一日でも早く仕事を覚える必要があります。
一般的な花屋では接客・受注・制作・配送・事務などの業務全般を数名で行いますので、手のかかる人材育成までは余裕がありません。
毎日何も考えず努力もしなければ、いつまでたっても雑用となります。
いま与えられている仕事を完璧にこなし、改善点を会社に提案する。
これができて次のステップに上がれます。
ダメな従業員がよく言う「やらせてくれない」「教えてくれない」というのは教える段階にも達していないということです。

あなたの個性は求められていない

お店にはコンセプトや個性があります。
オーナーの世界観と個性が店や商品で表現されて、それを求めるお客様がいることで店舗運営ができています。
その店ではそのコンセプトに合った商品を提供しなければなりませんので、自分の好きな花で好きなものを制作できることはありません。
自分の世界観で個性を発揮したいのであれば独立開業しましょう。

花屋の仕事の本質

自宅用のお花を販売しているお店は値段と品質が求められます。
贈り物用のお花の場合は少し違っていて「指定の日時に指定のお花を納品する」事が最優先です。
花屋の仕事は良い商品を提供することと思われがちですが、お花を贈るということは相手にメッセージを送るということが本質だと思います。
誕生日であればその日に届かなければ意味がなくなり、結婚式やイベントでは指定の日時にお花を「何があっても絶対に」納品しなければなりません。
花を職業にするということは技術だけではなく、その前の準備やスケジュール管理など細かな業務が無数にあり、花の制作はその中のほんの一部に過ぎません。

年収400万が限界か

花屋は全国で約16000店舗あり平均年商は2300万円です(農林水産省資料より)
花は粗利が高い商品ではありますが、廃棄コストも多く原価率は30%~35%と言われています。
年商2300万円-原価35%-固定費30%=865万円
ざっくりした計算ですが、つまり3人だと年収250万円程度となります。
経営状況が良い花屋でも年収350万円~400万円が上限ではないかと思いますので参考にしてください。

花屋のこれから

ネガティブな内容が多くなりましたが、花の業界はいろいろな面で遅れています。
IT化も進んでおらず昔ながらのアナログで非効率な経営を続けているお店も多く、儲からない仕組みのままです。
これから若い世代がオーナーとなり働き方や売り方が大きく変わってくると思いますので、本気で目指す方にとってはむしろチャンスではないでしょうか?
私は少しでも業界活性化と効率改善のためにGEMCASEという花屋専用の注文・顧客管理システムを作り提供しています。
無料プランでも十分活用できますのでぜひご利用ください。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?