椿

あなたを知れば知るほど
素敵な人だとわかって

あなたの、純粋で、それから泥臭くて
強烈な、人間の匂いを感じた時

わたしはわたしの蓋を開けて
そこが空っぽなことに気がついて心底焦るのです。

君が思っているほど、君は何もないことはない、とあなたはいうけれど、
わたしはそれでも何も持っていなくて、
今までの虚勢を疎ましく思いました。

ねえ、わたしを作るわたしは、どんな風に見えますか?

あなたが素敵だと知れば知るほど、
わたしではいけない気がするのです。


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