機能不全家族を振り返って〜叶芽フウカ〜


皆様お久しぶりです。劇団なが続き旗揚げ公演『機能不全家族』にて逸見碧役を努めさせていただきました、叶芽フウカです。

改めまして、会場に足を運んでくださった方、そして、惜しくも行けなかったけれど応援していたよ、な方も、本当にありがとうございました。

実は、自分が表舞台に立つようになってから、家族というテーマを扱った作品に関わるのは、はじめてでした。自分の曲にも、家族のことを歌った曲はなくて、
思い返せばきっとそれって、家族の話題、避けていたんだと思います。
私、めちゃくちゃ親不孝者な自信がありますゆえ、さらけ出すのが怖いんすよね。

身内を、同じ屋根の下で暮らす人間を、隣人、いやでも隣にいてくれる人を、つくづく不幸にしながら生きていると感じます。音楽やってフラフラするような人間に育ってしまって、ほんで、お金払ってもらってるのに大学辞めたいとかへいきでほざく人間になってしまって、本当に不幸者で迷惑者だと思う。すみません。ごめんなさい。

演じながら、碧のクソみたいな生き方と単細胞で馬鹿なところ、自分を棚に上げて無力の盾で被害者ぶるところ、とか、を自分に重ねまくってしまい、てかあまりにも碧って私すぎて、(脚本の須賀さん、なぜ、わたしのことを、こんなに、わたしのことを書いてくださったのですか)少し苦しくなった後に、じぶんはもうこれ以上育ててもらった人たちを傷つけない生き方をしたいぞ、と心の中で唱えたりなどしていた

ウタカタの最後のセリフ
「けど、あの時食べたお寿司が美味しかったのは、本当だったから、だから嬉しかったし、悲しいんだよね」

わいこれ、舞台袖で聞いて1人で泣きました

わたし、生きるとは、なんて唱え続けてるのに、産んで育ててもらったひとのこと、ほったらかしで、無責任にいきていくのは、あまりにも説得力がないので

幼き日にもらった真心、かならず無碍にせずに生きていきたいね それが生きるということの根本だと、この舞台を通してやっと気づいたわけです。

変わらずクソみたいに、音楽やるけれど、これからおのずと減っていくであろう親子ならんだ食卓を、ほんで、家族だけじゃなくて、いつか突然いなくなってしまうかもしれない人達との食卓を、お寿司の合言葉といっしょに、大切にしていきたいね。お客様ひとりひとりも、そうだといいな、とおもいます

これからの話をしたけれど、もしもやり直せない過去の瞬間があるなら、それもそれで、いいとおもうのです
あの時食べたお寿司も、お寿司じゃなくてもなんでも、誰かと笑いあった取り戻せない瞬間も、あの空間にあったあたたかさは、絶対にうそじゃなかったからね、過去って、もう何があっても覆せないところが、苦しくて、救いでもあるよ
大丈夫だよ

あのそらも
うみも
美しいあおいろをしていて
このよのいきものを
まもっているのに

誰のことも守れずに
ふらふらただいきるわたしの
いのちはあおい ごめんねよわい
こんな私すきじゃないの

死ですらもおそれることができない
あたまがよわいから
真っ直ぐに生きる
それしかできない

生きることは赤く黒く
生きることは狭く暗く
それでも青く 生きる あおく

私は劇中のソロ曲を3人ほど担当致しましたが、碧の曲が1番難産だった

こいつは結局何が言いたいんやと、なんども台本を読み返して、、

碧って、単細胞で馬鹿に見えて、実は無力を盾にして、大した行動も、恩も返さずフラフラ生きるだれよりずるいやつだと、やっと気づいたわけです

この曲は、クソみたいな生き方をしている碧が、少しでも心から罪悪感を抱いていればいいな、という私のエゴなわけですが、劇中で、桜子を優しい人間だと定義付けるセリフの中に、「桜子さんは罪悪感を持ってる」ってのがあります

やはりね罪悪感ってめちゃくちゃ大事だと思います
悪いと思っている無力と 無関心な無力では大違いだとおもうので

私もそういう生き方をしたいです
無力ですけど せかいのためになにもできていないことか、無力なこと、本当に申し訳ないと思っています
そういう生き方を、たくさんの人にして欲しいと思っています

そんな曲、歌うこともかなり難しかった
私としてではなく、碧として歌うのは、まっさらな叫びではなく、彼女の拙い葛藤や後ろめたいこと、彼女の人生を背負って、生きること、を問う曲だから
でもわたし、そういう一筋縄に行かないこと、すごく燃えるので、この歌唱シーンは、本当に色んなこと考えて力入れて演じたつもり
伝わっているといいな

てか、ほんまにずっと演劇やってみたかったんです、わたし、歌うことにはそこまでこだわりがなくて、とにかく、誰かのためになる、意味のある表現がしたくて。

まさか、こんな形ですんなり夢が叶うなんて思いもしなかった、いや、すんなりっていったら語弊うまれるかもだけど、でも、人生って思いがけないことの方が、マジで多いです、これからもそうなんだろうな、なが続きとしても、叶芽フウカとしても、もっと色んな景色をみたいし、それに常々驚いていたい!

来てくださったお客様、準備段階から当日まで沢山手伝ってくださったスタッフの皆様、なにより切磋琢磨し支え合った我々劇団なが続き!

頂いた脚本を、なんだか単に小説読むように面白い話だねって笑いあって読んだ日のこと、しぬほど懐かしいです、あの白い冊子に、演出、歌、合唱、ピアノ、色んな意見重ねて、分厚くなった気持ち背負って舞台に立ったあの2日間だけは、絶対に私たちは逸見家だったよね。
本当にお疲れ様

みなさん全員に、ありがとう、またどこかで!



叶芽フウカ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?