機能不全家族を振り返って〜遊楽木節子〜

先日は劇団なが続き旗揚げ公演『機能不全家族』お越しくださった方、来れなくても色々な所で応援してくださった方、本当にありがとうございました!

私は今までステージに立つ活動のほとんどをアイドルグループとして活動してきました。
アイドルとして曲を歌い踊っていた時も曲によって気持ちは変えていたのですがやはりアイドル活動の時は「目の前のお客様を笑顔にする!」ということを私の一番のモットーにしていたので同じ「来てくださった方を楽しませる」というなかにもきちんとセリフを頂いて、役に入り込んで演じるというのはほぼ初めての経験でした。

しかも私の演じた逸見朱美は母親を亡くしたショックでアルコール依存症になってしまい家族に迷惑をかけ続ける30歳女性。
台本をいただいた時、自分自身で経験したものが何も無く本当に演じられるのかな…と不安も感じていました。
この舞台の台本を読み私が最初に感じたのは「この四姉妹誰もまともな人がいないな」という感想でした。
ですが台本を読み解釈していくうちに私の近くに朱美みたいな人がいたらきっと距離を置いるかもしれない、だけど逸見家で四姉妹みんなが過ごしてきた時間や出来事を考えたらそうなってしまう要因や(だからと言って人を傷つけて良い理由にはならないけれど)自分にも少しだけでも朱美に似ているところがあるのではないかと思った時に演じられる気がする…!という謎の自信が湧いてきました。

演技以外にも原案を頂いてからの演出や歌など自分たちで作ってきたこの舞台。
私はわたし以外の6人の凄さを実感しました。
凄まじい速さで曲を作り上げて歌唱指導をしてくれたあおちゃん、梨ナコちゃん、フウカちゃん
脚本の手直しや演出を見てくれた友希ちゃん、レレちゃん、実優ちゃん
本当にみんな天才マンです。ありがとう。

そして劇団なが続きあるあるなのですが、自分たちで色々とクリエイトしている人たちなので余裕を持って話し合いをしていてもいろんな意見が出てきてなかなか決まらない、そして直前の変更などもたくさんありました。良いこと! 全員が最良のものを観てもらいたいと思う気持ち
いつかもうひとつの演出バージョンの『機能不全家族』も見てみたいです。

正直お客さん本当に来るのか…?と6人全員が不安だったと思います。少なくとも私は不安でした。本番初日、会場に向かう電車の中でみんなで「もし本当に数名しかいなかったらどうしよう」と話していたくらい。
だけどいざ幕が開けたら各公演、想像以上のお客様が来てくださっていて本当に嬉しかったです。

舞台本番、客席にお客様の姿が見えた瞬間私は朱美になることができました。
そしてやっぱり私は表現することが好きなんだなということにいつもステージに立って気付かされます。

劇団なが続きはまだ始まったばかり。私たち自身もどうなるか分からないけど確かにここは表現ができる自分の居場所だなと感じました。

これからの劇団なが続きにご期待下さい。本当にありがとうございました!

遊楽木節子

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