俺たちの戦いはこれからだ!

宮本先生の次回作品にご期待ください!(打ち切り


いやまぁ、冗談半分だけど。てことは、お前、半分本気だな!?

さて。大阪ダービーを取りこぼし(敢えてこの表現)、監督を替えようぜ!!って論調も見られ始めた今日この頃。その前に、今までの概要を振り返ってみよう!って感じで書き始めました。

理想ツネさんターン1

ツネさんのJ1初戦となったのは、2018年第18節鹿島戦でした。この試合では、高と遠藤とのDMFで組ませたわけですが、遠藤が自在過ぎるポジショニングを取るという問題が発生。

満を持して次節磐田戦で、高江・高のDMFを組ませました。ここで、高の横パスを見送ってしまう等、高江の集中切れが頻発。激おこツネさんは高江の序列を落とし、遠藤・高で変革を進めようとします。

高江との競合を原因として、遠藤へのコントロールは効き始める(と思われる)ものの(従わないなら使わない)、進まないチーム戦術構築。ええーいぶん投げる!!

妥協ツネさんターン1

相手対策(ゲイム戦術)を主眼に置き、川崎戦から連勝を開始。DMFは今野・遠藤へと変化しました。そしてリーグ戦9連勝を達成。最終節、柏戦のみ、ここまでの連勝メンバで理想を追求するとどうなるのかとの試験を行い、見事に大失敗しました。

ここ、情報の粒度が下がったのが、顕著に見えましたね。細かいことをやっていた頃は、たとえば、『ここで横ギャップを取る、WBが張る、そしてアンダーラップを入れてペナ角・ポケットを使いに行く』くらいの濃度を感じましたが、妥協した頃は、『経路は任せる、スペースを使って、最終的にはペナ角・ポケットを使っていこう』くらいの濃度に感じました。


理想ツネさんターン2

まずは、2018年の9連勝メンバを中心として、理想を追求するターン。しかし、大混乱する今野、パスを出せない東口・三浦等を原因として、理想の追求は一度頓挫します。そして迎えた大阪ダービーで、1-5-3-2系を採用。CB/GKのパス出しに問題があるなら、数を増やせば良いじゃない!あとついでに守備の枚数も増えるね!

しかし、内容は好転したものの、勝ち切れず、結果が出ませんでした。更には、宇佐美・井手口・パトリックIN、個人能力の高い選手を獲得したけれど、チーム戦術にフィットしません。

この時期を高評価するか否かで、プロ監督としてのツネさんへの評価が、おおよそ定まると思います。私は高評価してます。

高江、小野瀬、食野兄、高尾の絡んだ右サイド攻撃は最高の機能性でした。各々が、役割とポジションとを入れ替えながら、すなわち、ローテーションしながら、ニアゾーンを崩しに行くという論理で一貫しており、実際に崩せていた。問題は勝負強さだけでした。

妥協ツネさんターン2

第26節鳥栖戦から、2018年9連勝パターンへと変化します。井手口・遠藤でDMFを組ませ、細かいことはやらせない。なかなかな偶然ながら、2013年健太さん類似の堅牢な守備と縦ポンとで、ラスト9試合を6勝1分2敗でフィニッシュ。残留を勝ち取りました。


理想ツネさんターン3

2019年のチーム戦術を、より個人能力の優れた選手らで実現しよう。しかし、高及び高江のレンタルにより、チームへの掌握力が低下。遠藤の自在過ぎるポジショニングが復活してしまいます。矢島の離脱により、更にチーム戦術浸透度は低下。


妥協ツネさんターン3

山本、君に任せた!(ポケモン?

第15節から、矢島の離脱を機に山本を抜擢。当初は忠実だった山本も、徐々にポジションを守らなくなっていきます。結果として、遠藤に任せたのと大差なくなるという大惨事が発生。ならば…と遠藤を起用した試合で、遠藤は見事な野放図さを発揮。『謝る謝らないじゃない、使わない』発動(?)、遠藤は磐田へレンタル移籍。そして山本の野放図さも修正できないままシーズンを終えました。意外なことに2位フィニッシュ。

山本を遠藤の後継者扱いする言論に対して、『あー…うん、まぁ…』的な微妙な反応になってしまう原因はここですね…悪い意味で、ああなってくれると非常に困る。


理想ツネさんターン4

チュを獲得、山本との競合関係。IHでも競合関係を作ることで、『従わないなら使わない』手法を採用可能としました。これにより、チームへの掌握力が上昇、チーム戦術浸透が一気に進むであろうと予測されました。

また、WGにウェリントン・シウバ及びチアゴ・アウベスを獲得、宇佐美と小野瀬とを含めて2枚確保。また、CFWのファーストチョイス候補として、レアンドロ・ペレイラを獲得しました。

ところが、現状は、新コロちゃんのクラスタ発生、開幕戦で見せた完成度が急落、相手対策(ゲイム戦術)で勝ち点を拾おうとするも、うまくいっていない、ってところっすね。


私見

振り返ると、2018年シーズンの割り切り後であっても、(ビルドアップは手つかずのままで)崩しだけは整備できていたと思います。ワイドからインナーサイドへとパスとコンビネーションとで切り込み、ポケットからクロス等はできていました。

2019年は、ビルドアップも崩しも、一定以上の完成度まで持っていけてましたね。しかし、新戦力がフィットしませんでした。

2020年は、ビルドアップも崩しも退行、しかし結果は出しました。

っていう概要ですねぇ。

なので、ツネさんへの批判として、(ビルドアップは一定程度できているが、)崩しは仕込めないんじゃないかっていう意見は、首肯し難いんですわ。できていた時期もある。今できていない理由は、相手対策(ゲイム戦術)を優先しすぎ説ですね。

相手の弱みを衝くことを意識した反面、自分たちのサッカーが軽視されている。

相手対策を講じたことで、残留を勝ち取り、2位を勝ち取ったわけだけれど、その成功体験が、チーム戦術の上積みに対する障害になっている、という仮説ですねぇ。

個人的には、まずは、2019年夏時点のチーム戦術完成度まで持っていって、次に、相手に応じて微調整を行う(ゲイム戦術もやっていく)という手順の方が良いと思います。自分たちのサッカーを突き詰めてから、相手を消す。基本的なポジショニングを考えなくてもできるようになってから、相手対策を考えようよ、と。ある種、傲慢な考え方だとも思いますけれど。

現状は、ビルドアップ及び守備には問題はないものの、ボールを前進させる経路及び前進後の崩し局面で、機能していない…という認識です。ここから、崩しの局面を整備していきたいですね。

ここで、大きな役割を果たすのが、WGです。ワイドに張って受けて、アンダーラップ(内追越)するIH/SBに通す。インナーサイドに入り込んで、IHまたはSBのオーヴァーラップ(外追越)を促す。WGのポジショニングをトリガーとして、IH及びSBが動き出す。

このポジションは、間違いなく花形ポジションです。内側に通すパサー資質、縦に抜けてのクロッサ資質、サポートが来ないなら単独でのドリブル突破力、非ボールサイドであればストライカ資質も必要ですね。要するに、ロナウジーニョ・ガウショや若き日のレオ・メッシがやっていた役割ですね。ここで、ウェリントン・シウバへの期待が大きいわけです。

現状、このポジションを果たすことができる選手は、小野瀬と宇佐美くらいでしょう。チアゴ・アウベスは、クロッサ及びパサー資質が足りない。

WG/IH/SBの3名で、ボールサイドでの崩しを担当するので、CFWには崩し局面での役割はありません。本来、ツネさんの1-4-3-3系運用において、1トップに求める役割は、飽くまでフィニッシャです。

ポストプレイは必須ではなく、高さも必須ではない。守備能力もDMFをケアできる程度の、要するに最低限あれば十分…で、ニアゾーンで崩しに絡むことは要求されていません。ファーを動き出しの起点として、CB/SB及びCB/CBの間の横ギャップを衝いてクロスに合わせる、スルーパスに合わせる役割ですね。

ボールを収める能力や、ポストプレイ能力が問題視されるのは、言い換えれば、WG/IH/SBでの崩しが機能していないからですね。


ともすれば相手対策(ゲイム戦術)を重視しすぎてしまい、自分たちのサッカー(チーム戦術)の積み重ねを軽視してしまう。個人的にはここに大きな不満があるので、監督交代も有りかなーと思うところではあります。

候補として、クラブとして目指すスタイルに近い監督は、新潟のアルベルトさんですね。次に山形のクラモフスキさん。

ただ、失敗した場合のリカヴァリを、彼ら自身ができるかっていう問題もあります。ツネさんの場合は、理想を追求して失敗しても手仕舞いできる。しかし彼らは、うまく行かなかった場合に、どうなるか分からない。

この点で、消極的ながら、ツネさんのままでも良いかなーといったところです。しかし、たとえば、アルベルトさんを2022年シーズンに新監督として迎え、ツネさんを適切なポジションで抱え込んでおき、アルベルトさんが失敗したときにツネさんを再投入する…って方法が可能なのであれば、その方が良いだろうと思います。何度も手仕舞いの経験はありますしね。手仕舞いのプロ。


ってところで終わっておきます。

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