Just a little bit(メジロドーベル)

 WINNING LIVE 03を買いました。ソロ曲が推ししかいなくて最高ですね。というわけで、各々のソロ曲について歌詞の意味を考えてみたいと思います。まずはメジロドーベルからです。

Just a little bit

 タイトルを日本語にすると「少しだけ」。自信や勇気といったものが少しだけ足りないメジロドーベルが少しずつ成長していく様を表したタイトルと言えます。

…ほんの少し自分に自信なくちゃダメって
思っているんだけど……踏み出せないでいたの
だけど決めた 走っていかなきゃ
理想を描いた あのゴールへ

 幼少期のトラウマによるドーベルの自信のなさはアプリでも描かれていますが、そんな彼女が目指したゴールといえば特にメジロラモーヌとエアグルーヴでしょう。ジュニアで立てた目標であるトリプルティアラはメジロラモーヌを、クラシックではエアグルーヴを目指す覚悟をドーベルは決めます。
 また、あのゴールはメジロブライトとの約束である、メジロの新たな栄光と考えることもできます。メジロドーベルはいくつか目標を持っているので、このあたりは1つに絞らない方がいいかもしれませんね。

たくさんの人の中 (Cloudy) 抜け出したくなるような
暗い気分でいたんじゃ 胸の奥…晴れたりしないよね
鏡に向かって『笑顔の練習』
誰かと話して『素直に挑戦』
ちょっとずつ ちょっとずつ 前に進まなくちゃ
変わっていけないから

すぐに、慣れたり (視線や、優しさ)
出来はしないけど…

 他人の視線が苦手なドーベル。クラウディはおそらく人に囲まれたドーベル自身の心の内と、群衆を意味するcrowdがかかっているのではないでしょうか。後ろの「胸の奥…晴れたりしないよね」という歌詞は前者の曇っている心と対応していると言えます。ドーベルはその苦手を克服しようと笑顔の練習などを通じて少しずつ成長しようと試みますが、当然すぐに効果は出ません。この「誰かと話して」のところはメジロドーベルのストーリー第2話、「優しさ」は第3話の励ましに対応しているようにも思えます。それから鏡の前で笑顔の練習をするのはサポカイベントの「やってみてもいい」っぽいですね。ところで関係ないですけど、第4話の「バカ」めっちゃ可愛くないですか。

可愛くないっていう自分が先に走って
いつも本当の想い置いてかれる
だけど胸のゲート開かなくちゃ レースにならない
前を向いて自分らしく走っている
そんな人たちを 追い越そうって思うなら
ありのままのアタシのことを信じていないと
強くなれない

 ドーベルは自分らしく自分を信じて走る人たちに勝つには、エアグルーヴを、『誰か』を追いかけるのではなく、自らも自分を信じなくてはいけないと気付きます。育成ストーリーの春の天皇賞のところに当たりますね。しかしそのためには可愛くない、強くないなんていう自己否定をどうにかしなくてはなりません。誰かになることで克服しようとした否定と自らの胸の内で向き合い、克服しなければなりません。それが彼女の弱さであり、乗り越えなくては強くなれないからです。

話しかけられた時 泳ぐような視線でいたままじゃ
なにひとつ…心で向かい合って いないのと同じね
気にかけられたら『そっぽを向いて』
なのに嬉しくて『しっぽを振って』
どうしても どうしてもちゃんと…素直な表情
恥ずかしくて出ないの

 ドーベルのツンデレですね。見た目はそっぽを向いているけれど、心は喜んでいる。素直な表情は恥ずかしくて出せない。すごくツンデレしています。『』の中身は一つ目が目に見える部分、二つ目が目に見えない部分という点で先程と同じ構造をしています。

「別に…ほっといて」(「大丈夫、ありがとう」)
応え揺れてしまう

 返事と心が違うとも読めますし、男性と女性で答えが変わってしまうとも読めます。関係ないですが、別に…ほっといてってどこかで見たと思ったらナリタタイシンのイベント(別に、ほっといて)でした。

想いのなか漂う 記憶に残った一瞬
でもはっきり輝いていたなら それがほんとのアタシ
見つけるたびにすこし 笑顔になれたのなら
胸を張って生きていけるよね……強くなれるよね

ほんの少し自分に自信あればいいって
わかってきたんだから 自分を好きになろう
誰かが今くれたその言葉 信じてみればいいんだね

前を向いていくんだって そう決めたんだ
だけど…怖いかもって? それはお生憎様
胸の奥の勝ちたい気持ちは 自信があるから
アタシにだって出来ること 見せられたら
きっと誰かにも 届けられる
ほんの少し 勇気をだせたら 理想の自分に走れるよって

 仲間に、ライバルに、憧れに。勝ちたい。自分こそが最強だと、自分こそが頂点だと、自分こそがメジロの新たな栄光だと。証明したい。「強いウマ娘」その言葉を信じて。見つけた本当の自分に、弱い自分が「その先は恐ろしい道だ」と囁く。けれど、もう逃げない。「勝ちたい」というこの気持ちは、揺るがないものだから。
 こうしてドーベルは"メジロドーベル"として強いウマ娘になります。そして育成ストーリーの「憧れ、続いて」にて憧れられる側となったドーベルは後輩に「アタシのようにならなくていい」「あなたは……あなたのまま頑張れる」と伝えます。理想の誰かではなく、理想の自分に走れることを伝えられるようになったのです。

 Just a little bitは全体を通じて、メジロドーベルの成長の物語と捉えられます。アプリの育成にかなり沿って作られているように思いました。育成ストーリーとかを見返しながら書いたのですが、改めて見て感極まってしまいましたね。
 さて、今回はJust a little bitを見てきました。次回はExercise the Rightを見ていきたいと思います。

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