失礼ながら勝手に改作ウマ娘 第7,8,9話

 改作するということはプロの作ったものにケチをつけるということであり、非常に失礼な行為であることを理解しております。しかしそのうえで、やはりより良い作品を観たかった。放送が終わってから数日経っても良かったと浸れる作品を観たかったというのが私の正直な感想であり、個人的には3期はその域に達していたとは感じませんでした。そのため二次創作的?に改変をしています。3期が面白かったというのは否定しませんが、2期ほどの出来ではないというのが多くの見方でしょう。それは年間ランキングなどで数字として見える形になっていると思います。この改変は私なりに、素人なりに、どうすればより良くなったのかという考えにすぎず、これが正解というものではありません。プロに対して素人が失礼な行為をしていること、コメントをしていただく際は主観的な判断であるため「”個人的には”○○の方が良い」など個人的な好みであることを明言すること、素人である以上私はこれがベストだとは考えていないことなどを踏まえた上でご覧ください。
 あとキタサンブラックはトウカイテイオーとは違うスターウマ娘であることを前提とした話になっています。私はあくまで原点である「笑顔で温かい空気がいっぱいの場所」「いつも熱狂の渦でグルグルしてて、熱くて、騒がしくて、キラキラしてて、クラクラするくらい眩しい場所」にするためには、手段は選びません。解釈違いの人は不満を抱えたままお読みください。

第7話

芝の練習場
沖野T「よし、じゃあ今日のトレーニングはここまで!」
キタサン「はぁ、はぁ。ありがとうございました!」
スカーレット「キタサン、ちょっといい?」
キタサン「? はい……」
OP
スカーレット「キタサン、次のレースジャパンカップよね?」
キタサン「はい。皆を笑顔にするために国際G1に出たいって言ったら、トレーナーさんがまずはジャパンカップだって」
スカーレット「ジャパンカップは、東京競バ場芝2400m。レースは違うけど、条件は私が出られなかったオークスと一緒。…………トリプルティアラには、これだけが足りていないの」
キタサン「スカーレットさん……」
スカーレット「キタサン。いっつも負けないでって思ってはいるけど、ここだけは絶対に負けないで。私の代わりって言ったら変だけど、このレースは、絶対に勝ってほしいの」
キタサン(まただ……。また、私なんかに期待してくれてる)
スカーレット「キタサン?」
キタサン「あ、わ、わかりました! 次のジャパンカップ、絶対に勝ってみせます!」
キタサン(なんだろう、この気持ち。胸の奥が熱くなって、今にも走り出したくなって。いくらでもはやく走れそう……!)
キタサン「絶対……勝ちますから!」
ジャパンカップ。応援に熱が入るダイワスカーレット。勝利するキタサンブラック。ヤケに喜ぶダイワスカーレット。ドン引きするウオッカ。

CM

練習後
スペ「キタさん、ちょっといいですか?」
キタサン(ま、また!?)
ダイワスカーレットと同じ場所、同じ画角
キタサン(またここだ……)
スペ「キタさんとダイヤさんって、ライバルなんですよね」
キタサン「あ、はい! ダイヤちゃんとは昔から仲良しで、一つしかないものは譲り合ったり、半分こしたりしていました。でも今度の有馬記念の1着は、譲れないし半分にもできません。だから、今はライバルです」
スペ「ふふっ。2人を見ていると、なんだか私とグラスちゃんを思い出すんです。グラスちゃんはいつも優しいし、とっても仲良しで。だけどレースでは1着を譲れなくて、全力でぶつかって。でも私は結局……グラスちゃんに1回も勝てませんでした。
キタサン「スペさん……」
スペ「だから、キタさん。次の有馬記念、勝つところを見せてください。私はグラスちゃんに勝てなかったけど、キタさんならきっと勝てるって、信じてますから!」
キタサン「……はいっ!」
有馬記念
キタサン(勝ちたい勝ちたい勝ちたい! スペさんに託されたんだ! 応援してくれてるんだ! 笑顔にしてみせるんだ! だから私は、絶対!)
有馬記念で負ける
キタサン「ご、ごめんなさい、スペさん。私……!」
スペ「お疲れさまでした、キタさん! 全力で走ってくれて、ありがとうございます!」
キタサン(あれ。スペさん、笑顔だ。スペさんだけじゃない。お客さんも、スピカの皆も……。私、負けたのに。あれ? じゃあ、私が。私が勝つ、意味って……)

第7話変えた点
OP前くらいに出ただけのジャパンカップをダイワスカーレットから託された構図にした。
ところで、ダイワスカーレットとウオッカが主役のアニメはまだ制作されていない。3期ではあまりトレーニングする様子がみられなかったため、勝手に既にピークアウトしたという設定で考えている。もしかしたら、マツリダゴッホやスクリーンヒーロー、アドマイヤモナークなどの許可をとっていないから作っていないだけで、キタサンブラックの時系列より後に(4期などの形で)制作される可能性はある。事実1期と2期は時系列が逆だ。そこは無関係者であるため、私には知る由のない部分と言わざるを得ない。ダイワスカーレットやウオッカが夢を託すことはアニメの設定上できない可能性がある。ただ、それならそれで併走とかトレーニングに協力してあげてほしい。

次に、スペシャルウィークから有馬記念を託された設定にした。託される度に毎回勝っていると中だるみがでると同時に、感動も薄れる。そのうえ勝ち確演出となってしまう。たんに負けるだけでなくキタサンブラック自身が勝つ理由を見失うことで、8話のキタサンブラックの原点へと繋げていく構成となっている。サトノダイヤモンドとのやりとりは大幅カットすることになるだろうが、元々のアニメもダイヤちゃんが急に覚醒して覚悟がガン決まった感じがあるので、なくしても良いかと思う。「私が勝つよ、キタサンブラック」は入れたいけど、仕方ない。それは「なぜ有馬記念で勝たなければならないのか」(たとえば敬愛するマックイーンに託されたとか)、あるいは「なぜキタサンブラックに勝たなくてはならないのか」を描写した場合にのみ許されるシーンだから。そうでなければ突然のセリフに違和感を覚えるだけの展開となるだろう。

変えた目的
夢を託されるキタサンブラックという構図と、それを原動力に走るキタサンブラックということを伝えたい。テイオーは自ら抱いた夢、ライバルのために走ったが、キタサンブラックは他人から託された夢を原動力に走るという構図であり、トウカイテイオーとは違う道を歩むスターとして描きたい。
スピカの面々は負けたとき、多分笑顔で励ましてくれるんじゃないかと思う。観客は誰が勝っても大きな歓声を上げるので、キタサンを追い詰めるかもしれない。

第8話

キタさん「じゃあ、私が。私が勝つ、意味って……」
OP
ネイチャのシーンをカットし、テイオーとのやりとりをAパートに持ってくる。シュヴァルのシーンをカットし、その分は後でウオッカのシーンを入れる。
キタサン「テイオーさん。前に、言ってくれましたよね。私がキタサンブラックだから、夢を託したいって。あれってどういう意味……ですか?」
テイオー「う~ん、ほら、キタちゃんっていつも他の人のために頑張ってるでしょ? それを見てるとなんか、こっちまで応援したくなるっていうか、レースとかでボクの分まで頑張ってほしくなるっていうか…………。アハハ、ごめんね。あんまり上手く説明できないや」

テイオーと分かれ、商店街に赴くキタサンブラック
そこで頑張った記念セールを見て、色々貰う。
商店街の人「そういや、この前ネイちゃんが言ってたよな」
キタサン「ネイチャさんが?」
商店街の人「そうそう。キタちゃんが勝つと自分もG1を勝ったみたいで嬉しくなるって。キタちゃんには言えねえとか言ってたけどよ。なにを照れてんのかねえ」
商店街の人「でも、わかるよなあ。キタちゃんが勝つと、俺たちが勝ったみたいに嬉しくなるんだ。落ち込んだことがあっても、キタちゃんが勝つと元気が出るんだよな」
商店街の人「そうそう。だからもし落ち込むようなことがあれば、遠慮なく私たちに言うんだよ。今度はこっちが元気をお返しする番だからね」
お礼を言うと、走ってトレセン学園に帰るキタサンブラック。夕方の空には、一筋だけ流れ星が走っていく。

翌日
ウオッカ「キタサン。ちょっといいか?」
ダスカと同じ場所、同じ画角
ウオッカ「次の大阪杯。頑張れよ、キタサン」
キタサン「はい……」
沈黙
キタサン(なんだろう、この沈黙……何か話した方がいいのかな)
ウオッカ「大阪杯」
キタサン「あっはいっ!」
ウオッカ「大阪杯。オレは海外遠征と被っちまって出たことねえんだ。それはトレーナーと話して決めたことだし、後悔はねえ。でもやっぱ、出たかったって気持ちもあるんだよな」
ウオッカ「だからさ。この悔しさは、キタサン。お前に預ける。オレの分まで、勝ってきてくれよな」
キタサン「……はいっ!」
大阪杯勝利

第8話変えた点
ネイチャ、シュヴァルをカットする代わりに大阪杯とウオッカとのやりとりを入れた。ダイワスカーレットと同じ構図は、キタサン復活の象徴。
キタサンが走る原点だけでなく、なぜ善戦や健闘ではダメなのか。頑張っている姿だけではなく、勝たないといけないのか。
変えた目的
8話はキタサンの走る原点(改作では勝つ原点)に焦点を当てた話となる。そこで2話でテイオーの言った「キミがキタサンブラックだから」というセリフを拾い、その真意を解き明かすことで原点と今後のキタサンの方針に繋げていく。
また、ネイチャといえば商店街というイメージはゲームユーザーにはある。ある種のサービスシーンであると同時に、ネイチャもまた言わないだけでキタサンに夢を託していたことを伝える。初見さんであってもキタサンがいる時点で他の生徒が利用していることは不自然でもないだろう。
トウカイテイオーは一等星のような輝きを持つスターかもしれない。夜空に浮かべば自然と目を引き、他のどんな星よりも目立つ。キタサンブラックはそんなスターにはなれない。しかし人々は一等星に夢を託さない。夢を託すのは、流れ星である。キタサンブラックは流れ星として、原点にある願いを、皆を喜ばせるという願いを、託された夢を叶えるという形で達成していくスターウマ娘である。それが、商店街の夜空に消えた一筋の流れ星に象徴されている。
カットしたところについて。シュヴァルのシーンはフォークネタとかヴィルシーナを入れるためだろうか? ただ正直あんまりストーリー自体に関わってくるものではなく、重要性を感じない。原点への戻り方が変わったため、ネイチャのシーンは不自然な繋ぎ方になる。


第9話

マックイーン「私が勝利して以降、スピカは天皇賞・春をなかなか勝利することができませんでした。一昨年、ゴールドシップが勝利するまでは。そして昨年、キタサンブラックさん。あなたがまた、天皇賞・春を制した。ダイヤさんには悪いですけれど、私は、あなたに勝ってほしいと思っているのです。私が叶えられなかった夢、天皇賞・春の三連覇。それを、チームスピカとして叶えてほしい、と」

春天前
キタサン「スペシャルウィークさん!」
スペ「は、はいっ!?」
キタサン「私、約束します! この前のスペシャルウィークさんの夢、叶えてみせるって。次こそダイヤちゃんに、勝ってみせるって!」
スペ「……はいっ。お願いしますっ!」

第9話変えた点
マックイーンとスペシャルウィークとのやりとりを入れた。どこにでも入りそう。夢が二人分もあればレコードも獲れます。知らんけど。
変えた目的
改めてスペシャルウィークの願いを叶えるため。そしてスピカのメンバーの願いを皆の分叶えるため。


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