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生地の密度

不織布マスクでかぶれてしまう人には、布マスクでも素材を工夫すればN95マスクと同等の性能がある、との記事に安堵された方も多いのではないでしょうか。私もそんな一人です。論文では、スレッドカウント600TPIの綿1層とシフォン(ポリエステル90%,スパンデックス10%)2層の組み合わせが最適と書かれています。

ここで一つ疑問が生じます。スレッドカウント、TPIって何?私も楽天を利用して生地を買いますが、商品の説明にTPIは書かれていません。

スレッドカウントとは?

こちらの記事が参考になります。https://sheets.jp/19596
TPIはThreads per inchの略で、1インチ=2.54cm 四方あたりの横糸と縦糸を合計した糸の本数を表す単位です。スレッドカウントの値が高いほど密度が高く織り上げられた布ということになります。論文では、スレッドカウントが高いほどエアロゾルの遮断効果(フィルタリング効率)が高かったと書かれています。例えば、300nmより小さい粒子のフィルタリング効率は、80TPIの綿2層の場合38%だったのに対し、600TPIの綿2層では82%の粒子を遮断することができています。

市販の綿生地のTPIはどのくらい?

市販で購入する生地の多くには、TPIは表示されていません。そこでiphoneの10倍ズームで写真を撮り、数えてみました。1つ目の布(綿100%)では、縦糸は約2.54mmに7本。1インチ換算では約70本。横糸も同数程度として換算すると、約140TPIです。2つ目の布(綿100%)は、私が持っている生地の中で一番密度が高そうな布ですが、縦糸は約2.54mmに11本。横糸も同数程度として換算すると約220TPIです。「生地の森」さんの超高密度な綿生地(https://item.rakuten.co.jp/morimori/in50690-/)は300TPIで、商品の説明によると、一般の上質な綿ブロードは180〜200TPIということです。

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まとめ

市販で売られている綿生地の多くは、100から200TPI程度で、高密度なもので300TPI程度なのでしょうか。600TPIの布のバリエーションは多くなさそうです。

論文では、120TPIの綿2枚の間に中綿(〜0.5cm)を挟んだ、いわゆるキルト(キルティング)の場合、N95マスクに匹敵するフィルタリング効率があったと書かれていますが、キルティングのマスクは夏は暑そうです。

なお、1%程度の隙間があると、フィルタリング効率が大幅に低下することも示されており、顔にフィットするようにマスクを作ることも大事と言えます。生地の素材の組み合わせ、顔にフィットする形状などを工夫してマスク作りを楽しみたいと思います。



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