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隣の住民の猫の話
少し前、突然隣の住民の猫が僕の部屋の前でにゃあにゃあ鳴くようになった。
黒と茶色の入り混じったような毛色の、薄い青色の目が特徴の猫だ。
猫種はわからない。詳しくないから。
で、ある日、なんだろうと思って扉を空けると、その猫は僕の部屋に入ってきて我が物顔でくつろぎ始めた・・・。
驚いたけど、昔、赤ちゃんの野良猫を拾って、家に持ち帰ったら母に怒られたことあったな。
とか、そんなことを考えていたら急に愛着が湧きはじめた。
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ただまあ人ん家の猫なので、飼い主に連絡を試みる。
当然連絡先等知らないのでインターホン。
が、仕事なのか応答もなし。
家のキッチン周りでのんびりくつろいでるところを無理やり外に引きずり出すのも可哀想なので、とりあえずうちに居させることにした。
目が痒い。ここで自分は猫アレルギーがあることに気づいてしまった…。
結局大家さん経由で飼い主のところに無事戻してもらったけれど、それからというもの、僕の部屋の何が気に入ったのか、たまに入ろうと試みることが増えてきた。
仕事から帰ると玄関先に猫がいる生活。目は痒いし鼻水も出るが正直満更でもない。
名前は知らないから、「ビビ」と勝手に名付けた。
色が黒と茶色だから「Black Brawn」で「BB」→「ビビ」だ。
我ながらかっこいい。
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ビビは好奇心旺盛なようで、僕の部屋の何にでも興味を持った。そういう時は青色のくりっとした瞳が光に反射してキラキラしてとても綺麗だ。
でも可愛がろうと思って喜びそうなことをしてもそっぽ向いたり、興味を示さないこともあり、「実に猫」だった。
そんなビビに、僕はとても癒されていた。
気づけば疲れた足取りもどこか軽く、部屋の前でビビがウロウロしているのを見るとたまらなく嬉しい気持ちになるようになったし、ビビがいない日は少し残念な気持ちになった。
ただ、ある日突然ビビは僕の前に顔を出すことがなくなってしまった。
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まあ、元々人ん家の猫だしそんなもん。と思いながら、僕は結構寂しかった。
たまに通路ですれ違う時、少しの間、僕をじっと見つめるがやがて興味なさげに足早にどこかへ去ってしまう。
これは、寂しい…。
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新しいお気に入りを見つけたのかわからないが、どうか元気でやっていて欲しい。
また、たまにでいいからまた遊びに来てくれないかなあ、とか思ったりする。
本当の名前も知らないしな。
僕も猫、飼おうかなあ…。
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