2020年ベストゲーム5選
2020年ベストゲームを昨年に続いて今年もnoteで綴りたいと思います。
なお、今年は5選にさせていただきます。去年100試合以上観戦して10選だったのに今年は54試合から10選ってちょっとアレじゃないですか。そういうアレです。違うぞ、10試合も感想書くの面倒くさいとかそういうのじゃないからな!
5位 7月11日 都市対抗野球埼玉一次予選(市営浦和球場)
一球幸魂倶楽部 1-4 全大宮野球団
一球 000 000 001 | 1
大宮 100 000 12x | 4
今年は春先に全く野球が見られないという状況が続いていましたが7月に入り都市対抗埼玉一次予選は市営浦和開催の試合なら見られるという情報が。
自宅から浦和までは乗り換え一回で行けるとは言えかなり遠いのですが、とにかく、野球が、見たい。その一心で訪れた市営浦和球場で見た最初の試合がこのゲームでした。
全大宮・山本、一球幸魂・寺崎両先発が6回を投げ終えた時点でともに被安打2という互角のピッチングに両チームの守備も安定していて見応えのある投手戦。特に7回裏、全大宮が2点目を得点できるかという場面で一球幸魂のセカンド増井選手がセンターへ抜けそうな打球を肩を脱臼してしまうレベルで体を張ったダイビングキャッチ、ショート日野選手が逸れた送球を拾いバックホームするという一連のプレーの素早さは今でも動画を見ているとゾクゾクするくらいのスリルがありました。
増井・日野の二遊間が懸命な守りを見せた中で1点をもぎとった全大宮は8回裏にも追加点を加え試合を優位に進めます。一球幸魂も最終回に1点を返しますが全大宮・山本投手が反撃を許さず完投勝利。久しぶりの野球観戦がこの試合で本当に良かったと思うくらい最後まで目が離せない展開でした。
またこの試合は7回表終了後に雨が強くなり一時中断となりました。この雨天中断→グラウンド整備で試合が再開された時に場内から自然と拍手が起きたのがとても印象的でした。球場で試合を見られない日々が続いていたことも相まってか試合再開に向けて懸命に整備を続けていた関係者に対する感謝の気持ちが自然と拍手となったのかもしれませんね。
4位 9月20日 JABA埼玉県会長杯(市営浦和球場)
川口ゴールデンドリームス 2-1 新波(延長10回タイブレーク)
川口 010 000 000 1 | 2
新波 000 000 001 0 | 1
5位の試合で一気に埼玉のクラブチームに興味が沸いた私は9月に開催されたJABA埼玉県会長杯を観戦すべく再び市営浦和球場へ。都市対抗一次予選ではとんでもない打ち合いやワンサイドゲームもありましたがこの日は息の詰まる投手戦を目にしました。
両チーム合わせて得点は川口ゴールデンドリームスの8番川口選手によるソロホームランの1点のみという膠着した状態で迎えた9回裏、1点ビハインドの新波は二死一三塁のチャンスを作り打席には3番山下選手。フルカウントから放たれた打球はレフトへ抜けそうな当たり。これをサード小寺選手がダイビングキャッチするも送球が逸れ同点に追いつきました。延長10回表に再び勝ち越されそのまま追いつけず敗れた新波でしたが、土壇場で追いついたその執念に感動しました。
この試合は延長に突入したのにも関わらず2時間を切るというハイテンポなゲームでした。新波・福田投手、川口ゴールデンドリームス・山下投手はともに10回を1人で投げ切ったのですが、どちらも大卒ルーキーで選手名簿によると誕生日も5日違いだそうです(福田投手1996年9月20日、山下投手1996年9月15日)。この2人の新鋭がこれからの埼玉の社会人野球を盛り上げてくれることに期待です。特に山下投手は本当にキレッキレだったしブレーキの効いたチェンジアップもすごく良かったのでまた見たいピッチャーです。
3位 10月4日 都市対抗野球北信越二次予選 決勝(HARD OFF ECOスタジアム新潟)
伏木海陸運送 4-2 信越硬式野球クラブ
伏木 000 030 100 | 4
信越 101 000 000 | 2
昨年のベストゲーム1位に輝いた千曲川硬式野球クラブ対FedExを観戦して北信越…激アツ地区だぞこれは、と大きく心を揺さぶられた私。もちろん今年も北信越二次予選観戦に行きました。有観客開催、本当にありがたかった…!!
決勝のカードは信越硬式野球クラブと伏木海陸運送。私は前日の準決勝も観戦していたのですが、ロキテクノ富山相手に終始自分達のペースで試合を進めていた信越硬式野球クラブ、実力の差は見せながらも新潟コンマーシャル倶楽部の塚野投手を打ちあぐねてしまいなかなか流れを掴みきれなかった伏木海陸運送、と戦いぶりは対照的だったように映りました(あくまで個人の感想)。
決勝も信越硬式野球クラブが伏木海陸運送のエース宮前投手から2点を奪い前日の勢いそのままに幸先よくゲームを進めます。しかし伏木海陸運送は5回表に先頭打者の9番越中選手のセーフティバントを皮切りにチャンスを作り4番乙野選手の同点タイムリー、6番石黒選手の勝ち越しタイムリーでゲームをひっくり返します。更に7回表、4番乙野選手がライトにダメ押しホームラン。このリードを4回裏から登板した後藤投手がボール先行ながら信越硬式野球クラブの勢いを食い止めるナイスピッチングでリードを守りきり伏木海陸運送は3年ぶりの北信越代表を決めました。
序盤の信越硬式野球クラブの勢いとそれを食い止めにかかった伏木海陸運送が中盤でゲームをひっくり返し最後までリードを守り切る。両チームが一丸となってぶつかり合う、まさにチームスポーツの結集と言っても良い試合でしたが、負けたら終わりの北信越二次予選決勝でそれが見られるっていうのはもう激アツ案件ですよね。北信越、やっぱり裏切らねえな…お前最高だよ…。
また今大会は試合前にかかる音楽が我街の誇りではなく都市対抗を讃える野球の歌だったり、準決勝第1試合のロキテクノ富山対信越硬式野球クラブで電光掲示板がトラブルで使えずランニングスコアを黒板に書いてイニング間に表示したり、表彰式後に優勝した伏木海陸運送のダイヤモンド一周行進があったりとなかなか見られない光景が色々見られたのも印象深かったです。試合以外でも強い個性を放つ北信越地区、好きだよ、好き。
2位 11月15日 JABA東海地区クラブ野球選手権大会 準決勝(長良川球場)
静岡硬式野球倶楽部 1-0 焼津マリーンズ
静岡 000 000 100 | 1
焼津 000 000 000 | 0
見終わった後にしばらく震えが止まらなかったくらいの緊張感のあるロースコアゲームでした。また来年、西ヶ谷球場でお会いしましょう。詳細はこちら。
1位 11月14日 JABA東海地区クラブ野球選手権大会 1回戦(長良川球場)
矢場とんブースターズ 0-6 焼津マリーンズ
矢場 000 000 000 | 0
焼津 000 000 06x | 6
矢場とんブースターズ先発西浦投手の低めに変化球を集めゴロを打たせるピッチングと焼津マリーンズ先発中村投手の最速143km/hのストレートにキレのある変化球を織り交ぜるピッチングがどちらも冴え渡り6回まで両チームともに1安打。
試合が動いたのは7回裏。焼津マリーンズが連打でチャンスを作ると矢場とんブースターズは先発の西浦投手からサウスポーの原井投手へスイッチ。原井投手は連続三振でピンチを切り抜けるのですが、回を跨いだ8回裏に三者連続四球を与え降板。焼津マリーンズがこのチャンスに付け込み、押し出し四球、犠牲フライ、タイムリーエラー(打球自体はかなり良かった)と畳み掛け、とどめは6番薮田選手の2ランホームランでこの回一挙6得点。矢場とんブースターズも9回表に2安打を放ちチャンスを作るもこの回も続投した中村投手が得点を許さず3安打10奪三振の完封勝利を収めました。
結果的にはワンサイドになりましたが逆の結果になっていてもおかしくないくらいの拮抗した戦いぶりは11月ナイター観戦特有の体に突き刺さるような寒さを吹き飛ばすくらいの熱いものがありました。両チームともレベルの高い野球をすることは風の噂で聞いていましたが…東海のクラブチームやっべえ…。
ちなみにこの日は名古屋に住んでいる私の両親も観戦に来ていました。お昼前くらいに球場に到着した両親は日が暮れて寒くなったら帰るつもりだったらしいのですが、普段クラブチームの試合を見ない2人が寒空の下で試合の結果を見届けたくらいだったので本当に白熱した試合だったんだなあ、と思います。私もあまりの感動と興奮のあまり、試合終了後の整列でスタンディングオベーションをしてしまいました(笑)。
2位の静岡硬式野球倶楽部対焼津マリーンズとどっちを1位にするか本当に悩んだのですが今年はこの試合を1位にしようと思います。
ということでベストゲーム5選を長ったらしい説明付きで紹介しましたが改めて振り返ると埼玉のクラブチーム2試合、東海のクラブチーム2試合。大学野球はランクインせず、企業チームは伏木海陸運送のみという結果に。クラブばっかじゃねーか!
いつも当たり前のように見られた野球が見られず、もどかしい思いもありましたが、その代わりにクラブチームの野球の面白さ、奥深さを再認識した結果が今年のベストゲーム5選なのかな、という気がします。
来年の観戦がどんな感じになるのかはわかりませんが私は見せてもらえる野球を見に足を運ぶだけ。試合数は今年同様あまり多くならないかも知れませんが、その中で胸が熱くなるような試合に出会えたらそれに勝る喜びは他にはありません。まあ今年もこれだけのベストゲームに出会えたのだから来年もきっと出会えるでしょう。
おしまい
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