合気道VSテコンドー(日本武道VS韓国武術)

 武術や格闘技に興味がある人の多くが気になるテーマは「どちらの武術の方が強いのか?」という話題だと思います。少し前にはそれをテーマにした巌流島という格闘技イベントが流行っていたし、更にその証拠に合気道VSテコンドーの動画で677万回も再生されている下の動画は非常に有名で、この記事を読んでる皆様の多くが下の動画を見た事が有るかと思います。

 例えば、youtuberなどが武術・格闘技をコンテンツとして再生回数を稼ごうと思った場合、この動画は様々な示唆に富んでいます。

あの動画は嫌韓で伸びた訳では決して無い

 最初、この動画は韓国を落として日本を上げる事で愛国心が強めの人や韓国嫌いの人からのPVを稼いだだけだろうと思って居たのですが、この動画の高評価数と低評価数の比率を見れば、どうも嫌韓需要だけではないらしい事が分かります。この動画は高評価:低評価の比率が5.5:4.5程度なのですが、もし、純粋に韓国貶しだけで再生数が伸びているのならば、高評価の割合は高くなるはずです。

 別のチャンネルの似たようなテーマの動画に「合気道VS空手」というのがありました。

 コチラの動画は、2020年の1月にアップロードされてから僅か2ヶ月で再生回数が74000回を超えており、先ほどの動画が11年間で677万回再生されている(1月あたり約5万PV)事を考えると、それに近い勢いがある動画です。この様な動画が先ほどの動画に近い伸びを見せている事から、677万回再生という非常に大きな再生回数は嫌韓需要によるものでは決してない事が分かります。事実、コメント欄を見ると7割近くが日本語以外の言語で書かれている事から、合気道あるいはそれら武術による他流試合に興味を持っている人達が世界中からアクセスしているという見方をするのが正しいと思います。

 例えば、上の動画は全世界で累計280万再生されており、海外では日本武道に対する興味を持って居る人が一定数存在する事が分かります。

テコンドーは何故弱いのか? 合気道の強さとは?

 先ほどの合気道の動画を見ていると、「テコンドーは弱い」「合気道は強い」という意見が多くありましたが、それらのコメント(主に日本語)を引用しながら、この動画のPV数が国内で伸びた原因を推測したいと思います。

kobudai S
6 年前
足掴んで軸足を払ってしまえば簡単に勝てる気が・・・・
Hachimaru Edf
5 か月前
身体を使ったパズルみたい。技の知恵の輪。素人には理解が追い付かないよ。
大正輝石
1 年前
だいたいが大振りの攻撃。最小の動作による対策が無いから間合いの中に入られるとなんもできん。
バト13号
3 日前
打撃系って掴まれたらこうなるのね。
警察が逮捕術の特訓をしているのも納得。

MusicLL
4 年前
That TKD person is a disappointment...
(意訳:このテコンドー家には失望した)


ちくわ大明神
1 年前
見て思ったこと、テコンドー弱っ!
後これテコンドーより柔道の方が絶対強い
acht Walküre
3 年前
テコンドー(笑) ヒトモドキが武術の猿真似か?w
D Saikoro
6 年前
「蹴り」は威力は強いが、その分大振りになり隙もできるし、スタミナの消費も激しい
多くの武術は、いかに「蹴り」をコンパクトに、トリッキーに、素早く出せるか模索している
ムエタイなんか、その極地とも言える
しかし、テコンドーは「蹴り」をいかに派手に、大きく、綺麗に見せるかを追求している
簡単にいえば、ダンスだよ
残念ながら武術じゃない
airi suzuki
5 年前
テコンドーの奴が空手着や柔道着のパクりみたいな服着てるね。あいつらには独創性がない。
試合の内容はバカバカしくて見る価値ないよ。
テコンドーなんてそもそも格闘技でも武道でも何でもないのだから合気道の前には虫けら同前。
岡くん
3 年前
テコンドーなんて子供遊び
刑事海パン
6 年前
さすが合気道!素敵やん

 こうしてコメントを並べてみると、韓国武術のテコンドーは見せかけだけで隙が大きくて、簡単に転倒させる事が出来る。日本武道の合気道は実利重視で隙が無い。という見方のコメントが多く寄せられていました。

 テコンドーには具体的な弱点が多数上げられるのに対し、合気道には具体的な利点が挙げられる事は少なく、兎に角「合気道は凄い」という意見が多く寄せられていました様に思えます。つまり、良い意味で合気道には得体のしれない強さが有ると思って居る人が多い様です。

偽物のテコンドー

 一方で、テコンドーを擁護する意見も見られたので、幾つか紹介しておきます。恐らく、動画の低評価が多いのはこの層の人たちが低評価ボタンを押したからだと思われます。

各総悟
1 年前
これは色帯で弱い人だからこのような結果になっただけ。
この動画だけで決めつけるネット民は良くないよ。
Bruno's Geek Reviews
4 年前
I don't want to be mean, but the Tae Kwon Do practitioner has to be the slowest one I've ever seen other than white and yellow belts. Not a good representative of the style at all. :-/
(意訳:気を悪くしたらすまないが、テコンドー選手は滅茶苦茶遅いし黄色帯とか白帯のレベルでテコンドーを代表するには不適切)
정원
6 年前
nonono... too slowwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
it is real? ㅋㅋㅋㅋㅋ
(意訳:マジでやってんの? 遅すぎるよケッケッケッケ)
Tacxy j
5 年前
せめて関節技ありのITFとやらせろよw

合気道が持つ可能性の大きさ

 これらのテコンドーや空手をボコボコにする合気道が人気を集める要素として一番大きいのは合気道の複雑さと分かり易さだと思います。合気道は我々素人からは理解できない複雑な術理を持って居ますが、そこに現れる結果は至って明快です。相手が合気道によって投げられたり吹っ飛ばされたりする姿を見れば、素人でも凄さが分かります。

 逆にテコンドーや伝統派空手(WKF)と言ったポイント制の競技は合気道と違って技が極まったか極まってないか非常に分かりにくいという欠点があります(下のハイライトでも採用されるのは投げ技などの明確に分かり易い技術が好んで切り取られています)

 その為、例えば空手やテコンドーの戦ってみた系の動画では明確なKOがなければ勝ち負けや優劣は付けられません。つまり、戦ってみた系の動画をやるならば合気道は非常に見栄えの良い武道である事が分かります。

 以前、アマチュアレスラーが投げ有りルールの中国拳法の大会で勝ち上がってネットで話題になったことがありましたが、恐らくアマチュアボクサーが勝ち上がっていたとしてもアレほど盛り上がらなかったと思います。

 プロレスだってそうだけど、派手に相手を投げる技と言うのは古今東西分かり易く人気を集める事が出来ます。世界的に見て、ミステリアスな東洋の神秘的な魅力を持った合気道の投げ技ならば尚更です。

まとめ

 合気道は滅茶苦茶youtubeとの親和性が高いので、コンテンツ次第では幾らでも爆発します。特にワールドワイドにファンを獲得できるので、英語が出来たら尚良いと思うので、英語が出来て合気道の技術力に自信がある方は是非youtuberデビューを果たすと良いと思います。上手くいけば専業合気道家として合気道一本で飯が食えるのも夢じゃないと思います。

 多分、キャリア15年~20年くらいで幼少期から合気道をやってて、容姿が整った垢抜けた20代半ば位の方で、英語が堪能な方がやればゴリゴリにバズる筈です。敬天愛人の手合わせ稽古会くらいの強度のスパーリングが出来ればコンテンツとしては万々歳です。更に兄妹で合気道をやってたりして時々ゲストで合気道女子の妹が出演するくらいのバランスだと最高です。

PS:合気道とテコンドーのどちらが強いのかと言う記事を期待していた方々。本当にスイマセンでした。タイトルは釣りです。僕個人としてはどっちが強いとか本当に興味がないし、判断しかねます。
 僕自身も合気道は心身統一合気道系の道場で5歳から10歳まで習っていました。10年以上前に合気会系の方と定期的に技術交流をさせて頂く機会があり、本当に素晴らしい技術を持った強い方だったので、合気道の技術体系に対してかなり敬意を持って居ます。また、テコンドーの競技者としても参考に出来ればと合気道の道場に出稽古させて頂いたこともあるので、合気道は好きです。念の為。

おまけ

例の動画を見ながらしゃべってみました。