韓国人はテコンドーの実戦性をどう考えて居るか?
韓国人が嫌いな人達の中には韓国人が「テコンドーこそ最強の格闘技」と極端な主張していると思っている方も少なくはないかもしれません。
例えば、こちらの漫画はそういった荒唐無稽な韓国人の主張を皮肉った漫画として愛国保守系の言論雑誌であるジャパニズムで連載されていました。残念ながら、良くも悪くもマイナースポーツであるテコンドーよりも人々に広まってしまった為に「テコンドーというのは大して強くないくせに最強を自称している痛い格闘技」という認識が日本国内で広がっています。
では、実際には韓国人はどう考えて居るのか?
韓国人から見たテコンドーの実戦性について、相変わらずナムウィキから翻訳して転載する形で注目していきたいと思います。
テコンドー/実戦
https://namu.wiki/w/%ED%83%9C%EA%B6%8C%EB%8F%84/%EC%8B%A4%EC%A0%84
概要
テコンドーは、極真空手のような実戦武術と同様にフルコンタクトの形で始まった。WTFテコンドーとITFテコンドーが分離がされた後、WTFテコンドーは安全上の理由から、拳や腕を使った顔面攻撃を禁止したが、蹴りで顔面攻撃は可能にした。しかし、グローバル化のために、ここでのルールをさらに変更し、特にオリンピック正式種目昇格のためにIOCの要求を受け入れて安全性を強化した結果、実戦性が弱体化した。そうしたテコンドーのスパーリング競技に慣れた状態のテコンドー選手が他の武術家たちとの対決をすると一方的に圧倒される姿がよく見られる。これはテコンドーの武術としての実戦性を望む人々に大きな失望を与えた。2000年代に始まった国内の総合格闘技ブームの時期に、格闘技の舞台でテコンドーベースの格闘家たちの不振を免れなかったので、このような議論は、最高潮に達した。
と、一文目から「競技化を進め過ぎて実戦性が欠落しててほかの格闘技と戦ってもメッチャ弱くて僕らは失望しているよ」と述べている。「最強格闘技!マンセー!」という姿勢は微塵も見られない。
このような状況でも、テコンドー協会や指導者たちはテコンドーはテコンドーというスポーツで、格闘技は格闘技であると二つが異なった物であるとみなして大きな関心と危機感がない。彼らが考えるに、ルールを緩和し、自由な技術を導入すれば、テコンドーだけの個性が消えてしまいキックボクシングやムエタイに収束してしまうと考えているのかもしれません。既にオリンピック正式種目になっており、あえて冒険をする必要がないと考えて居るのでしょう。しかし、逆に空手の流派やITFテコンドーがルールを緩和し、実戦性を高める様々な試みをしながらも、独自のアイデンティティを失わないという点で、このような考え方には反論が出来ます。
著者の「スポーツ化を進め過ぎて弱いんだけどどうすんの?」という問題を提起してもテコンドーはテコンドーというスポーツ路線を進み、実戦性を失っていく事に対する危機感が感じられます。と、同時にテコンドー協会側に改善の兆しが見られない事も読み取れます。
日本の古流武術のように、最初から武術そのものを文化財として保存する場合は、本来の流れを大事にしながらも、時代に合わせて変化していく柔軟性が必要です。しかし、テコンドーはそもそも伝統武術ではないのに、決められたルールと技術の枠組みから抜け出せずに武術としての最低限の実戦性まで失われた状況にあります。さらに、国内テコンドー界は発展をしようとする姿も全く示さず、ただの言い訳だけしまくった消極的に姿勢を崩しません。
「日本武術は伝統があるから形を変えない意味が分かるが、テコンドーは伝統も糞も無いんだから実戦性を得て更なる発展を見せろよ。糞消極的だなボケ」という感じでしょうか。この概要の文章を読むだけでも、そもそも韓国人すらWTFテコンドーの現状について呆れている姿が見て取れます。
最強格闘技と主張するどころか韓国人も現状のスポーツ化したテコンドーには呆れ果てています。
技術的な弱点
更には具体的に技術的な弱点についても論じています。
キョルギ(スパーリング)の際には、拳をはじめ、手を使った顔面打撃を練習していない。同時に相手が手技で攻撃してくるときの対処法も練習していない。胴に向けた正拳突き以外上半身を使った打撃はすべて反則だからだ。加えて、テコンドー競技では蹴りの速度を上げる為、或いは相手の攻撃を誘導するために、両腕のガードを下げる。これは手を用いた顔面攻撃に非常に脆弱で、後にガードやパンチの防御を身につけたとしても、今まで無いことを新たに学ぶので、格闘技初心者が新たに学ぶ事と同じである。この時点で、すでに単独武術としての弱点が生じている。グラップリング系の武道、スポーツも同じ弱点を持っているが、そもそもこちらの目的は、超接近戦であり、テコンドーは目的が立ち技の打撃だ。相手との距離を維持がカギだが、顔面打撃対策がないという事から決して良い評価を受けることができない。
実際にパク・ヨンス(元韓国代表のWTFテコンドー選手)がこの顔面ガード問題のために、K-1の舞台で大敗した。テコンドー選手だったが顔面パンチの威力は多少は通用するレベルであったが、逆に相手の顔面パンチを防御するテクニックが皆無だった事が原因である。
さらに、足の技術だけで相手の手技を可能にしていない理想的な距離を維持することは難しい。たとえ選手であっても。2017年下半期のルール改正前までは競争の戦いの際、相手が膝くらいの距離よりも中に入ってくると、攻撃をすることが反則だったので、相手の脇や脇腹に腕を挟んで固定して、審判が分かれ宣言をするまでじっとしている姿(クリンチ)をよく見るすることができた。
現在のルールを見てみると、試合時キックはくるぶしの下の部位のみを使用し、蹴りが配点が高いので、WTFテコンドー選手なら、他の格闘技の試合や実戦に臨む時も習慣的に足を前方に最大限伸ばした時の距離で戦おうする。テコンドー修練者が他の武道修練者との対決では距離を維持することができれば、有利な状況で戦うことができる。この距離では、相手のパンチは届かず安全、グラップラーがしがみつくこともないからだ。テコンドーが成果を出すときは、このような状況だ。しかし、問題は継続して距離を維持し、相手を遠ざける事は難しく、容易ではないという事である。
そして、これらの欠点は、距離が狭くなった時続く。WTFテコンドー選手が相手との距離が狭くなる場合、習慣的にすることになる反応は大きく3つだ。一つは、キックの距離を作るために移動したり、押し出したり、正拳突きを放つ。ところが、最初の場合は、壁際や部屋の隅などでスペースが狭ければ出来ない。距離が絞り込まれた場合、テコンドー選手にとって反則的な、すなわち拳など、あらゆる他の方法を使わなければならが、練習したことがないので、どうする方法も持たない。
テコンドー従事者の中ではプムセ(形)の中に対処法がありますので、これを応用すれば、補完可能と反論したりする。しかし、問題は、2つある。最初にキョルギ(スパーリング)とプムセ(形)は継ぎ目が全くない、事実上別個種目である。最近プムセ動作を実際に使用するための研究がテコンドー人と団体によって行われているが、プムセの動作が大きすぎるとして、実際にはほとんど使う事ができないというのが大きな問題だ。まるで、中国拳法の型と散打のようだ。ここまで来れば素手格闘技としての価値が真剣に脅かされる。
と、唐突に中国拳法ディスをするのは良くないなぁ……。
結論として道場や試合でするように蹴り技だけで相手を制圧することは困難で、蹴りが通じないときは、非常に脆弱であると見なければならない。
案の定、熟達した場合テコンドーのキックは特有のスピードだけでなく、十分な破壊力も備えている。例えばヒストリーチャンネルで放送されたヒューマンウェポン(テコンドー編)で司会者でフットボール選手のビル・ダフがテコンドー師範のグァク・テクヨン教授とのスパーリングでこめかみに後ろ回し蹴り(フェチュク)を貰って倒れた。ヘッドギアをかぶったままだ。したがって、テコンドー師範程度のレベルであれば、キックの破壊力は、運動選手をKOさせる程度はあ。しかし、これもテコンドーのルールに基づいてスパーリングをしたので、このルールを離れたときにも、その破壊力を本当に活かせるかは難しい。逆に遠距離から正確に合わせる単発の蹴りが成功しなかった場合にも問題だ。
WTFテコンドーは蹴りに不慣れであっても中距離から毎秒数回の連打が可能なボクシングや遠距離から近距離まで様々な打撃法をそのまま使用することができますムエタイなどと比較すれば貧弱であることに変わりはない。結局、スパーリング方式と、それに合わせて訓練する訓練システム自体が実戦に臨むには過度に危険が大きい。
と、最終的には他競技の立ち技格闘技と比較してテコンドーの不利な面を書き出しています。韓国人の歴史観と同様に日本人が思う韓国人像とは少しズレているように思います。
この後は、御自慢の筈の蹴りに対してもローキックが無い点や脛では無く足の甲などの柔らかい部位を用いる蹴りが多い事について批判的な検証が続きます。