【KPNP】が測る数字は何なのか?

2016年に韓国啓明大学で発表された「テコンドーにおける電子防具の衝撃値と力学的衝撃力の関係についてhttp://koreascience.or.kr/article/JAKO201332479080181.page」という論文の中で、エリート選手(Skilled)とテコンドー学科学生(Unskilled)がアプチャギ、トルリョチャギ、ティッチャギについて測定を行い、KPNP社製の電子防具が示した値(下表PF)と並べてまとめたのが下の図であり、左から接触時間T[s]、力積IMP[Ns]、電子防具の値PF[単位不明]、力の平均値AF[N]、力の最大値MF[N]を並べたものである。

また、それぞれの蹴りについて電子防具が示した値PFと力の平均値・最大値との間での相関係数rは以下のとおりである。

アプチャギ


トルリョチャギ


ティッチャギ

このことから、ティッチャギやアプチャギのような押す系の蹴りの場合は蹴りの際に及ぼす力の最大値が電子防具が示す値と強い正の相関があることが分かるが、トルリョチャギの場合はやや強い正の相関を示すのにとどまった。トルリョチャギの場合はデータを見てもばらつきが大きいことが分かる。

これについて論文では、「電子防具に対して垂直方向の成分を考えたときにティッチャギやアプチャギのような押す系の蹴りの場合は垂直成分が大きく、トルリョチャギの場合は垂直成分が小さくなることがあるのではないか」と考察している。