WTテコンドーキョルギ(2022年ルール変更の和訳)
ワールドテコンドーのホームページに2022年の新ルールが公開されました。新旧対応表があったので、簡単な注釈を入れながら変更点を紹介していきたいと思います。ただし、具体的な内容や正誤については皆様自身の先生方に確認するようにして下さい。僕はあくまでただのテコンドーオタクのツイ廃です。
変更1.重量カテゴリー
カデットの階級で、従来の体重による階級分けに加えて身長による階級分けも併せて導入しています。各身長ごとの階級には最大体重が設定されており、例えば、148㎝以下の階級では最大体重が45kgと制定されています。
この階級が従来の階級とどのように使い分けられのかは不明ですが、出来る限り背が高い選手が有利なルールの中で無理な減量を強いられる子供が減る事を願います。
変更2.試合形式にベスト3システムが追加
比較的大きな変更点(追加点)として、今まではグランドスラムなどの一部の大会でテスト導入されていたベスト3システムがWTの公式ルールに記載される様になった事ではないでしょうか?
これはバレーボールの様な形式だと思って貰えると分かりやすいと思います。各ラウンド毎に獲得した得点が多い選手をラウンドの勝者として、取ったラウンドが多い選手を勝者とする方式です。
このルールの場合、各ラウンドで4回の減点で反則負けとなり、仮に3ラウンドを終えて1-1だった場合は合計得点が多い選手が勝者となります。
変更3.バックキックの厳密化
ターン蹴りや後ろ蹴りを中段に決めた場合に4点が加算される事は従来通りですが、その定義として注釈文が加わりました。
これにより、振り返らずに背中を向けて蹴るタイプの後ろ蹴りは、普通の中段蹴り(2点)としてカウントされる様になりました。
変更4.ビデオリプレイ
ビデオリプレイを要求できるタイミングが反則だけではなく、上段蹴りに関しても要求できるようになりました。
変更5.反則の追加
先ず、2016年のルール改訂でクリンチ状態から足の裏や足の横で相手の中段を蹴る蹴りが禁止されていたのですが、ここに上段蹴りも加わりました。
これにより、クリンチからのパンダルチャギも反則技となります。また、クリンチ状態で相手の後頭部を蹴る蹴りも反則になりました。
ただし、クリンチ状況と変則蹴りに対する正確な解説及び指針は今後補完されるものとみられます。
更に、クリンチ状態で審判は「ファイト」の指示を出し、5秒以内に選手が分離して戦いを再開しなかった場合、消極的な選手もしくは両方の選手に減点が与えられます。
また、倒れる行為に対する減点も一部改正されました。回転攻撃で得点後に倒れる行為に対しては減点が適応されません。したがって、回転攻撃後に得点に失敗して倒れれば減点ですが、得点に成功した後に倒れれば減点を受けなくなりました。
三歩以上後ろや横に連続して移動すると減点を付与する規定がありましたが、これも「技術発揮(technical engagement)」なしで移動する場合、減点を付与することでフレーズが追加されました。つまり、三歩後ろか横に移動するとき、拳でも足でも、技術的行為を伴いながら移動する場合には減点が付与されなくなりました。
補足 前足足裏蹴りに関する規定について
今回の競技規則で関心が集まった前足足裏での蹴り(カット蹴り)に関する規定は改正されませんでした。これに関連して、連結蹴りではないカット蹴りに対する減点規定の導入、足底と足刀で得点に差をつけるなどの改善案が競技規則改正委員会などで議論されたが、実際のWT技術委員会では受け入れられませんでした。(出典:TKD NEWS)