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きっかけはARCさんへのお返事💛

twitterでブチあがってる(2020・07・29現在)社会福祉士の藤田さんからの「フーゾク撲滅しろやぁ」⇔主にワーカー当事者たちからの「そんなもん解決にならんのじゃ~」抗争てか藤田テロについてARCさんから話しかけをいただいたのですが、返事が140字で何コマ行くのか予想がつかないのでこちらにまとめます(基本推敲無しの一発書き派)。返事というよりARCさんからの文章きっかけに色々脱線なよしなしごと文ないなってしまった。やっぱ長文苦手!ARCさん、ごめんよし。

ARCさんが書いてらっしゃったまとめ↓

https://threadreaderapp.com/thread/1288101625228222467.html

まずは、キョーレツな藤田さんの言葉に疲弊しているワーカーも散見するので、そんなばかりじゃないよと言いたい。

専門家としていくらどんな相談受けていようが、あんな滅茶苦茶な撲滅論は正当化されないからねと伝えたい。優先されるべきは実際に現場にいるワーカーの安全や健康であって、お金のためや一般的な労働形態だと働きにくいとか今の選択としては福祉に頼るよりは働く方を選びたいとか、学費からやっぱバーキン一度は買いてぇまで色んな理由ある中選んだことは一人一人の力なんだと全世界の全セックスワーカーに言って回りたい。余計なお世話だと蹴られる覚悟もコミで。

どんなに他人が「かわいそう」「間違っている」と言おうが一人一人の生きている中での選択です。選択できるというパワーがあるんだぜと。

エンパワメント無き「かわいそう」はエサに毒の「かわいそうな象」方式です。やってもうた方、反省してください。

あと藤田さんのセックスワーカーの想定にバリエーションなさ過ぎてそれも驚きです。ヘテロの男だけどウリ専で働いてるとか言ったらパンクしてしまうのではないかと思う。それくらい幅無さげ・・。

搾取や暴力が存在する/起こった時に被害とされにくいことについて、私も身を持って被害に遭いましたし無視もしていません。相談を受けることもあります。だからこそSWASHに参加しています

変えていくことも必要な改善しないといけないことだらけの労働環境です。そんなことは現場のワーカーが一番痛感していることでしょう。(程度はその人によるだろうけど)

当事者としての被害や傷つきを「やっぱりこんな仕事はない方がいい、産業自体が暴力だ」となる当事者がいるのも知っています。私は「この問題は性的なサービスだから起こるのでなく偏見や制度を含めた環境自体が偏見に甘えた放置であり奪われたものなんだ」「どんな事情で従事しようが働くときは安全に働き安心して辞めることが出来る環境も欲しい」と思ったから労働環境改善したいなとなりました。当事者といってもバリエーションがあるのです。それはそれ。

労働環境整備について「好きで働く」vs「やむに已まれぬ事情」は意味がありませんし、この話にベクトルの向きがどうであれ戦時性奴隷の話をねじ込んでくるのも筋違いです。被害なめんな。道具じゃねえよ。(因みに個人として戦時の性奴隷とセックスワークについての見解は2014年ごろに毎日新聞で大きめの枠でインタビュー記事にしてもらったことがあります)

イデオロギーやイズム、頭の中の理念ではどうしようもないバッサリとも出来ないようなリアルなことで私は動いています。SWASHでも福祉専門家にバックアップしてもらいながら生活保護申請について当事者オンリーのイベントをしたこともありますし、反貧困のイベントでお話させてもらったこともあります。専門的な知識をセックスワーカーも安全に安心して使えるよと伝える時に二段階くらい作業が必要になります。

まずセックスワーカーに偏見やかわいそう萌えを持ち込まない専門家を探す。

専門家にセックスワーカーが持ちやすい悩みを伝えてワーカーがリアルに使いやすいやり方を一緒に模索すること。

生活保護申請の場で「ソープで働けば?」はウソみたいなほんとにあったことですが、働くことで得られる糧で「健康で文化的な最低限度の生活を営む(憲法第25条)」の権利を続けることが難しいから生活保護申請を行うのに倒錯的な対応です。そして性産業を労働として捉えていないこともよくわかります。おそらく他の業種の日雇い等労働は勧められないでしょうし(福祉課の人もピンキリすごいから言い切れないという残念さ)。てか、この話って性産業が悪いってなる要素あります?藤田発言の不可解さです。

よくない仕組みや加害があったからその業種撲滅!なら飲食も引っ越しも映画館も宗教もオールアウトです。藤田さんzozoの時撲滅までやりましたっけ・・?改善すべきところにちゃんとフォーカスされていませんでしたか?

性が絡む搾取、暴力だから撲滅!なら恋愛もアバンチュールも結婚も家族もオールアウトです。

で、その焼け野原にする最中とその後、誰が助かるのでしょう?まるで改善へのリアリティがないのです。私にはそこが一番気持ち悪いし迷惑だと感じます。

何かのイズムやイデオロギーのお題目で「セックスワークはお仕事です」と言ってるわけでなく、実際に日々行うことは労働であり、法制度含めて「仕事」としての環境にしなければ命ごとロシアンルーレットだからこそ言ってるのです。

そこで起こる暴力なり搾取が「性産業の仕事」だからなのではなく、労働として権利が無いことが「ナメくさり」からの横暴を許容しやすい下地を作っているからです。

性産業を雑に人身売買だとか搾取とかで片づける皆様、あなたたちこそ搾取や紡織の加害者だと自覚してください。リアルに働く人たちの環境改善(退職含めて)邪魔すんなって。

「女衒ウハウハ」が良くないと思うなら(実際ウハってる存在なんて大企業に比べたら微々たるもので、しかもウハ期の短さは諸行無常の早回しくらいでしょうけど)、労働として環境や権利が整備されている国のようにワーカー個人がエージェンシーや主導権を握りやすい環境にするのが先です。なぜそれが困難かというと労働としての制度が整備されていないからです。安全に安定して働くためにもボディガードや事務を雇い、仕事場を借り且つ生活を回す。万が一の時の為にも警察や法の専門家と連携を取ることや公衆衛生の為に保健所の協力も必要(これが今の法制度だと難しいのも現状)。

アムステルダムの赤線地帯の元ワーカーが経営するコミュニティカフェには引退した警官がお茶とケーキと会話を楽しみに来てたのは環境と歴史のダンチ痛感体験です。そもそも警官が市民に高飛車な態度取らない国・・。

アメリカで起こった「バックページ閉鎖」(記事リンク見つけられず。見つけたら貼る)を例に挙げます。

未成年への搾取や人身売買の防止も専門家たちと協力して行っていた「バックページ」という出会い系サイトがあって、セックスワーカーも顧客探しに使っていました。「この人はクソ客」等ワーカー同士のやり取りも出来たので安全に働くためにもよいサイトで。それが摘発され閉鎖されたことで少しでもリスクがを低減できる環境をセックスワーカーは政府に奪われた。

撲滅が達成されてワーカーだった人たちが良かったとなっているのは見たことがないし(存在が無いことになってるのはある)、撲滅希望を拗らせて罰則化を進めた結果、労働環境は劣悪になり助けを求めることは困難になり偏見も高まり、殺人や暴力、窃盗の被害が増大というのは罰則化実施国で研究発表もされているしドキュメンタリーにもなっています。

エイズ国際会議ではセックスワーカーは施策対策層でもあることから世界中からワーカーが集まります(開催国との関係や法律によっては入国できない場合もあって、過去の日本開催時に入国で揉めてその後は日本に入国は不可能になった人もいます)。

そうした場のコミュニティスペース(ここは無料で入れる)で様々な報告や会議、イベントやデモが行われ、たわいもない交流もあり、それぞれの状況を分かち合い、知恵をシェアします。(セックスワーカーが行うデモや抗議のアクション、知ってもらうためのパフォーマンスはどれもユーモアと怒りに溢れていて素晴らしい。しかも工夫がたっぷりで資金難のやりくりも手馴れている)

こうした場の拡がりやネットワーク構築の積み重ねがアムネスティーインターナショナルの「セックスワーカーの権利保護」についての宣言に繋がったのです。SWASH編集の「セックスワークスタディーズ」の帯はアムネスティーインターナショナルの役員の言葉です。

https://www.amnesty.or.jp/news/2016/0526_6061.html

これで何かが劇的に改善されたわけではありませんが、これから変えていくにあたって根拠や指針にもなります。

実際日本でも厚労省拠点の性的健康についての研究にセックスワーカーの声を届けるべく班編成が組まれる動きも発足しています。

国連の調査に対して政府が「日本、セックスワーク無いから」で断ってたころから隔世の進歩です。

私も早く破天荒に「放っとけよ」とか言いたいし、セックスワークコントとかやりたいので(ラップは作った)、ちゃっちゃと「ま、なんのかの言うてもヌキ仕事あるしな」と性別関わらず言えるくらい、安全や健康にオッケーな環境にしたいものです。

歌舞伎町も近い新宿アルタ前で行われたセクシズム反対の街宣「私は黙らない0428」でのセックスワークについてのスピーチ動画を手前味噌ですが貼ってお開きにしま~す。長々とおつきあいありがとうございました。

https://www.youtube.com/watch?v=iZ36n6Zp3ek

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