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酒量日記 7/4 雨 「大瓶とビリヤニの楽園。」

クラフト IPA 500ml 1缶
アサヒ大瓶 1本
自作焼酎炭酸割り 2杯

 北区十条、十条銀座商店街。
ここでで素晴らしい出会いがあった。

「カレーリーブス十条店」

 南インド料理をメインとしたこのレストラン。
夕方17時を回ったあたりになんとなしに入店したのは、
店先に並んだテイクアウトのビリヤニが旨そうだったから。
そして入口付近に立てかけてあったメニューにアルコールがある点。
白地を基調とした綺麗な店内。階段を上がり二階へ。
ゆったりとしたテーブル席は居心地がよい。
私はカレーよりもビリヤニが大好きである。
長粒種の米にスパイスが多重奏で絡みつく感じがよい。
ビリヤニと酒を楽しめるとはなんという幸せか。

 机脇のメニューを手に取る。

「ちょっと待て、スーパードライ 633ml!!?」

633ということは中瓶ではなくて大瓶!
気になる値段にまたも驚愕。

500円

 立ち飲みであっても東京であると600円弱を取られることも十分ありうるビール大瓶。
それを本格南インドレストランで500円でいただける。
あまりの嬉しさに理解がまだ追いついていない。
大瓶をもちろん注文。
インド人っぽい店員さんが運んできたグラスをみてまたも感涙。
グラスはしっかりと冷やされているではないか。
しかもよく見るようなビアタンではなく、ガラスが薄いタイプのどっしりしたもの。
うすはりのグラス底にビールを叩きつける。
ゆっくりと立ち上がるきめ細やかな泡。これが風情だ。
インド料理屋に屹立する美しい633。

 ビリヤニ以外にもおつまみメニューを注文。
値段も総じてお得だ。
確かチキンティッカ400円とオムレツ300円くらいだっただろうか。
大ぶりのチキンは3つ。皿脇のサラダも味わいが良い。
ヨーグルトとスパイスに漬かった鳥は脂っこすぎず、大瓶のつまみになんと合うことか。
オムレツはかなり薄焼のもの。
細かい野菜と一緒に焼かれている。汁っぽさがないのでつまみやすい。
大瓶を飲みつつビリヤニを待つ。
マトンビリヤニ1200円。
値段も高すぎず、ビリヤニはどこもボリュームはあるものだから、このメインがあればもう何もいらないだろう。

 運ばれてきたビリヤニは陶器の壺に入っている。
この壺自体で炊き上げているのだろうか?
スプーンで底から持ち上げてみるとズッシリ。
その瞬間、食欲をそそる芳しさがむわっと立ち込めた。
大瓶の酒肴でマトンビリヤニ。
この浄土の絵図を体験できる時代がきたのか。
見よ!骨付きマトンがゴロゴロと入っているではないか!
臭みもなく重厚な旨味の塊。骨周りをしゃぶる。
骨髄の部分がスルッと吸えた。この辺りが旨い。
大瓶をまた一献傾ける。
丁度いい塩梅のホロホロとした長粒種のスパイス纏った米。
塩味は控えめで優しさを感じる。
辛さや刺激、口に運んだ瞬間ではあーこのくらいねといった程度。
但し、食べ進めていき分かった。
後から来るタイプなのだ。
ジワジワと岩盤浴のように、香辛料由来の火照りが、胃腸の底から沸々と湧き上がって来る。
ドバッとではなく、じんわりとした汗。
このヒーリングがたまらない。
壺の中身は2人でシェアが丁度いいくらいのサイズだ。
酒を飲むなら尚更である。
満足感が凄い。

 ありがたいと思いながら階下に向かい、会計でまた驚く。
大瓶1本、チキンティッカ、オムレツ、マトンビリヤニ
これで2400円!!
2人で行ったから割ればせんべろと言って差し支えなかろう。
PAYPAYで支払う。
期間限定で東京都北区は20%還元セールの対象であった。
街歩きの中でこんな嬉しい出来事があるとはありがたい。

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