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カラーの値を丸めるIllustrator用スクリプト

CMYKやグレースケールでカラーを設定する際、Illustratorでは1%未満の端数も扱えます。しかし、このような細かな数値は実際の印刷では思ったように差が現れないことが多いため、5%か10%刻みで設定するというのが、印刷原稿におけるカラー設定の通例となっています。これらの色の設定を少しだけ楽にするIllustrator用スクリプトを作りました。印刷メインでIllustratorを使われる方には結構便利なのではと思います。ぜひ試してみてください。

更新履歴など

GitHubのリポジトリをご確認ください

対応バージョン

Illustrator CS5〜2020(24.3)

ダウンロード

スクリプトをダウンロードする

インストール方法

1. ダウンロードしたファイルを解凍します。
2. 所定の場所に「カラーを丸める.jsx」をコピーします。Windows版ではお使いのIllustratorの種類によって保存する場所が異なりますのでご注意ください。
3. Illustratorを再起動します。
4. [ファイル]→[スクリプト]→[カラーを丸める]と表示されていればインストール成功です。

ファイルをコピーする場所

Mac:
/Applications/Adobe Illustrator (ver)/Presets/ja_JP/スクリプト/
32bit Win(CS5まで):
C:\Program Files\Adobe\Adobe Illustrator (ver)\Presets\ja_JP\スクリプト\
64bit Win(CS5, CS6 64bit版):
C:\Program Files (x86)\Adobe\Adobe Illustrator (ver)\Presets\ja_JP\スクリプト\
64bit Win(CS6 64bit版以降):
C:\Program Files\Adobe\Adobe Illustrator (ver) (64 Bit)\Presets\ja_JP\スクリプト\

スクリプトを作ったきっかけ

そもそものきっかけは、hamko(@hamko1114)さんのこのツイートを見かけたことです。

先日公開した「パターンをリセットするIllustratorスクリプト」がカラーの属性を触るものだったので、ベースを流用すれば簡単にできそうと思い、試しに作ってみました。

どんなときに端数が出やすいか

CMYKやグレースケールのカラーを、再配色(ライブカラー)を使って編集したり、RGBのカラーをCMYKやグレースケールに変換するとき、変換の過程で端数が出ることがあります。また、Adobe Color(旧Kuler)から配色を持ってくる場合も、ベースがRGBカラーなので変換において端数が出てしまいます。

使い方

1. 対象となるオブジェクトを選択します。(複数可)
2. スクリプトを実行します。
3. [対象]でカラーの値を丸めたい要素(塗り/線)をチェックします。
4. 必要に応じて[計算方法]と[一の位の処理]を変更します。
5. [実行]をクリックします。
6. 指定のオプションに従って、カラーの値が整数の近似値に丸められます。

丸めの規則

以下の規則に従って丸め処理が実行されます。

1%刻み

四捨五入:小数第一位を四捨五入
切り捨て:小数第一位以下を切り捨て
繰り上げ:小数第一位以下を繰り上げ

5%刻み

四捨五入:一の位を近い方の0か5へスナップ
切り捨て:一の位を小さい方の0か5へスナップ
繰り上げ:一の位を大きい方の0か5へスナップ

10%刻み

四捨五入:一の位を四捨五入
切り捨て:一の位を切り捨てて0にする
繰り上げ:一の位を繰り上げて0にする

カスタマイズ

ダイアログボックスの初期状態を変更したいときは「settings」の値を変更してください。

■ strokeColor(Boolean型):
対象(線)
[true:オン(初期値)|false:オフ]
■ fillColor(Boolean型):
対象(塗り)
[true:オン(初期値)|false:オフ]
■ roundingMethod(Number型):
計算方法
[0:四捨五入(初期値)|1:切り捨て|2:繰り上げ]
■ roundingType (Number型):
一の位の処理
[0:1%刻み|1:5%刻み(初期値)|2:10%刻み]

注意

・対象となるカラーモデルは「CMYK」「グレースケール」のみです。
・[カラーパネル]でのカラーモデルが「CMYK」になっていても、ドキュメントのカラーモードが「RGBカラー」の場合は動作しません。
・シンボルは対象となりません。
・複数の塗りや線のアピアランスが存在するときは、現在アクティブのものだけを対象に実行されます。
・テキストオブジェクトに対してアピアランスで適用したカラーは対象となりません。
・塗りや線に効果が追加されたものなど、構造が複雑なオブジェクトの場合、うまく動作しないことがあります。
・シンボル内のオブジェクトや複合シェイプ、ライブカラーグループ、拡張前の画像トレース、メッシュオブジェクトなどは対象になりません。

免責事項

・このスクリプトを使って起こったいかなる現象についても制作者は責任を負えません。すべて自己責任にてお使いください。
・一応CS5〜2020(24.3)で動作の確認はしましたが、OSのバージョンやその他の状況によって実行できないことがあるかもしれません。もし動かなかったらごめんなさい。

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