Laplacian演算子の逆演算子
ふとした瞬間、そう薄ぼんやりと遠くの空を見ていたとき、Laplacian演算子の逆演算子ってなんだろうと考えることがありますよね。
Laplacian演算子は2次元だと$${\nabla^2=\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}}$$のように記述される演算子で、電磁気とか流体とかでよく使われてます。
おそらく電磁気や流体力学を勉強した方なら逆演算子が何かはご存じであると思われます。ですが、ここでは個人的に思い出すとき用に書いていきます。
欲しいもの
まずLaplacian演算子を作用させてデルタ関数になるようなものを見つけてみます。これはすぐにわかって
$$
G(x) = - \int \frac{d^2 k}{(2\pi)^2} \frac{e^{i k x}}{k^2}
$$
となっています。実際にLaplacianをかけてみるとデルタ関数になることがわかるでしょう
$$
\nabla^2 G(x) = \int \frac{d^2 k}{(2\pi)^2} e^{i k x} = \delta^{(2)}(x)
$$
じゃあ上手いことこの関数を使って逆演算子というかLaplacianの逆を求めたいですね。
どのような性質を持っていると逆になるのでしょうか?
私は逆演算子$${\hat{R}}$$として次のような性質は持っていて欲しいと考えました。
$$
\hat{R}[\nabla^2 f] = f
$$
また単に関数Gをかけるだけでは逆演算にならないことがわかります。
どうしましょう
あまくだり
Gがデルタ関数と関係があるとのことで、うまいこと積分を使いたいですね。とは言ってもどうすればいいかわからなかったので、とりあえずGとConvolutionした関数を考えました。
$$
F(x) = \int d^2y G(x-y) f(y)
$$
するとどうでしょうか。この関数にLaplacianを作用させると$${f}$$になるではないですか!
ということでこのGとのConvolutionがどうやら逆演算子になっているようです。実際に欲しい性質を満たしていることも以下のようにわかります。
$$
\begin{align}
\hat{R}[\nabla^2 f] &= \int d^2y G(x-y) \nabla_y^2 f(y) \nonumber \\
&= \int d^2y \nabla_y^2 G(x-y) f(y) \nonumber \\
&= f(x)
\end{align}
$$
こうしてLaplacianの逆演算子がわかったのでした。めでたしめでたし。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?