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韓国:海外養子縁組先進国?

今、海外には韓国にルーツをもつ外国籍の若者がたくさんいるそうです。彼・彼女らの苦悩を独シュピーゲル(「7番目の子供」 Der Spigel 2009.2.20)が伝えていたので興味を持ちました。
なぜそんなに多くの韓国人が養子として海外にいるのか、腑に落ちません。

なぜかというと、最近聞いたニュースでも韓国は人口減少(「地方消滅 慶尚北道が対応策研究へ」慶北毎日新聞 2021.4.28)への関心高く、孤児輸出国と揶揄されるイメージなんかありませんでした。

인구 감소、イングカムソ〜人口減少

調べてみると(「赤ちゃんの輸出国、韓国」BBCニュース2020.6.23)韓国から海外へ送った養子は16万人(2009年)、2016年までに20万人を超えたといいます。1960年代に韓国から国際養子縁組が活発になった理由は養子一人あたり5000〜1万ドルの斡旋料が韓国政府に支払われていたからだそうです。その影響か、多い年には8000人以上の子供が養子に出されたと。2016年までの養子の半数は米国が受け入れ先だったそうです。

ただ、海外養子に頼ったのは韓国の家族血統主義・純潔主義が影響して国内養子が進まなかったからとも。

国内養子が進まないのは韓国の血統主義・純血主義が影響しているという。
1998年に金大中(김대중、キムデジュン)大統領が成人した海外養子(해외 입양、ヘェウェイ イビャン)を青瓦台に招き国の養育放棄を謝罪(「養子の存在を初めて認めた政治家」プレシアン 2009.8.24)している。更に2012年には養子縁組法が改正されている。

さて現状はどうかというと、相変わらずアメリカへの養子縁組は健在でした。アメリカは過去統計(1999〜)で27万8745人の養子を海外から受け入れており、韓国からは20万966人です。2019年の166人は少ないように思いますが、この年の受け入れは2971人で5.5%を占めており先進国では稀な数字です。インド、中国、ウクライナ、コロンビア、ハイチ、ナイジェリア、ブルガリア、と166人以上の国を挙げるとそれがはっきり感じられます。

韓国からアメリカへの養子縁組 
米国務省領事事務局(養子縁組統計)
2019 166人
2018 206人
2017 276人
2016 260人
2015 318人
2014 370人
2013 138人 ※養子縁組法の改正
2012 627人
2011 736人
2010 865人
2009 1079人
2008 1064人
2007 938人
2006 1373人
2005 1628人
2004 1713人
2003 1793人
2002 1776人
2001 1862人
2000 1784人
1999 1994人

養子縁組は1〜3歳が多いようで、ここ最近は彼(彼女)らが成人し子供をもうけルーツを探る動きも活発化(多くの記事が出ているので、機会があれば紹介していきます)しているようです。少なくとも2012年までの養子については、利益を得ていた韓国政府が手厚いサポートをするべきだろうと思います。

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