夢は逃げない

今日は私が4年半という時間を過ごしたエアライン業界に関してのお話を少し。

子供の頃に出会った、憧れのお姉さんのようになりたくて志した航空業界。

それはもう、楽しかったですよ。

大好きな飛行機に毎日携われるという幸せ。

わたしは「グランドスタッフ」という仕事をしていました。いうなればチェックインのお姉さんですね。

チェックインのお姉さんて、搭乗口にもいますよね?走ってますよね?そう、そのお姉さんしてました。


あれってなんで走ってるか、考えたことありますか?

飛行機に間に合わないから?

まあ間違いではないですね。

でも飛行機って、電車やバスと違って、操縦している人、つまりパイロットの判断で勝手にドアは閉められないんです。

では誰が判断するのか?


それがその走っているお姉さんなんです。


ここでちょっと専門的なお話を。

チェックインのカウンターにも、搭乗口にも、スタッフの中にリーダー(コントローラー)がいます。

チェックインにも締め切りの時間があります。航空会社によって異なりますが、国際線なら出発1時間〜50分前が多いでしょうか。

何故なら、最終の搭乗人数と搭載荷物の重量を踏まえて、飛行機のウエイトバランスが偏らないように計算するんです。出発時刻までに。

ちなみにこれ、人1人増減するだけで飛行機のバランス変わります。

飛行機のバランスが正しく計算されずに離陸するとどうなるか。


最悪の場合、墜落します。


航空業界において、私たちの使命は一つです。


【お客様(お預かりしている荷物含め)を、安全に、時間通りに、目的地までお連れすること】


チェックインや搭乗時間に遅れ、ご搭乗をお断りしたお客様に、本当によく言われたことがありました。


「なぜ飛行機はまだ空港内にあるのに、私たちを乗せてくれないのか」


理由は一つです。


「全てのお客様に、安全に、時間通りに、快適に旅をしていただくためです」


航空業界はサービス業と思われがちですが、本質は異なります。

サービス業というものが、カスタマー一人一人にあったサービスを提供するものであるとするなら

航空業界におけるサービス業とは、カスタマーが平等にサービスを受けられるようコントロールする仕事です。


ですから、コントローラーが存在します。


もちろん航空券を購入頂いているお客様なわけですから

多少お時間に遅れてチェックインのカウンターに来られたり、搭乗時間ギリギリに来られたとしても

予定通りご搭乗頂くために、私たちも時間の許す限りは全力を尽くします。


ですので、走っています。全力で。


全力で走ってオンタイムで離陸する飛行機の後ろ姿は最高です。


そうして旅立つ姿を見ながらグランドスタッフが思うこと。



「絶対(機材メンテナンスとかエンジントラブルで)帰ってくるなよーーー!!!!!」















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