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ガロスぺのお話 2019年夏

2019年8月11日 高田馬場ミカド
餓狼伝説スペシャル世界大会にプレイヤーとして参加してきました。
一回戦負けで悔いが山ほど残る終わり方でした。
もっとできた。あそこでこれが、ここであれが
たらればが頭の中で跳梁跋扈ですよ
言ってもしょうがない
思ってもしょうがない
ただただこんちくしょうと歯を食いしばって
俺に勝ったのだから取りあえず優勝してこいと思うだけです
いや後から並べた綺麗ごとですな。
その時は「終わった。終わってしまった」
と、思うだけなのです。
そして毎年思うんですよ。
「ダックすまない。お前はもっと勝てるのに」って。
また不甲斐ないチキンメンタルな俺のせいで
お前に土をつけてしまったな。って。

ほんと毎年思うんです。

前後の野試合はのびのびやれて調子が良かったから余計にそう思うし、
余計に後悔が募るのだとは思いますが、

もっとできた。あれできたこれできた。
あの選択はこっちだ。
これは通ったかもしれない。
あれは無謀だったかもしれない。
何故できなかった。あの同時押しを何故ミスった。
ぐるぐるぐるぐる考えてしまうのです

まぁ、優勝した与作選手以外は全員そうだとは思います

有名プレイヤーの公明さんやAKIRAさんが言うように
2019/8/11ガロスぺ世界大会で
一回戦負けは128位タイだし、
二回戦負けは64位タイだし、
ブロック決勝負けは32位タイなんですよ。

たとえ実力が世界一強い男でもその日の結果は覆らないんです。
逆に言えば前日や次の日ボロボロでもその日に優勝したやつが
一番強い奴なんです。一年間は。

後からトーナメント表みてここに入ればもっと行けた。
とか、
あの人が別ブロックだったら!
とか、
全体的に見たら俺64位ぐらいの実力あるんじゃね?(天神談)
とか言ってもひっくり返らない事なのですよ、
カッコ悪いことですよ天神さん。

いや、言いたいよ。
過去を振り返っても沢山沢山言いたいよ
2015年は初戦通りすがりダックで嫌って程実力差を突き付けられた。
でも経験浅い人も多かったから組み合わせ次第ではもっと…

2017年はベスト16までいってシュウヘイ選手
ここじゃなくても・・・とダック対策してない事に後悔した

2018年はムツミさんだった。まじここで当たらなくてもと思ったよ。
今年ならアクセルだって行けたと思う。去年は無理だった。

そんなタラレバを人間的に未熟な私だから言いたい!
と言うか誰でも言いたいんだとは思いますよ。
皆、真剣にやっているんだからそれが当たり前だとも思います

でも、世界大会当日はトーナメント表があって
実況付きのあの雰囲気の中、何やらかんやら色々で
どうにかなりそうなプレッシャーに溺れながら
一発勝負があって、勝ち負けが出るわけで。

それが世界大会って場所であって
順当もあれば大番狂わせもあったわけですよ。

タラレバ愚痴るのは、Twitterぐらいにしたいもんです。
カッコ悪いけど言わなきゃやってられない気持ちはわかりますもの
Twitterならまぁ、言っちゃうよね。だって悔しいもの。
自分の不甲斐なさが、応援してくれた人や相棒のキャラに申し訳ないもの。
だから、プレイヤーがタラレバをツイートしてても
そっとしておいてやってほしいと思うのです。
特に私のツイートね。


で、2019年世界大会は与作選手が優勝しましたけど、
正直ウルっと来ましたよ。

その前日に今は第一線から退いてるけど、昔は全国回ってガロスぺ布教してた人が
ふらっとミカドに現れて、20年近く振りに再会した与作の手を握って激励していったんですよ。

たまたま昔の知り合いにあっての事だったのかもしれませんが
それでも与作氏はその日の事を嬉しそうにツイートしています
その他にも前日や当日にはたくさん激励があったようです。
与作氏にとっては励みだったり心強さだったりもしかしたらプレッシャーだったり
彼にとってプラスかマイナスかわかりませんが、きっと良い方向に効果したのでしょう

もちろん、優勝がそのおかげと言っているわけではありません。

Twitterの方では、何度も言っていますが、
与作氏は、その性格や言動、プレイスタイルから
所謂「ヒール(悪者)」的な役割にされがちです。
まぁ根は悪い奴ではないのですよ。たぶん。

プレイスタイルも「キムを使って勝つ」と言う問いに最適解を求めて、
与作自身が体験した実戦経験からブラッシュアップし続けて出来た戦法と技術で、とにかく「技巧派」のイメージが私の中にあるのですが、あまり深くやっていない人には「強いキム」はそのまま叩かれてしまう存在になりがちですよね。

それが与作にとってどういう風に受け取っている事なのかは、お茶らけて批判をスルーする大人な態度からは我々は想像できません。

ただ、彼の上手さや強さは、誰に教わるでも研究して編み出すでもなくただただ実戦を繰り返して得た彼独自の技術の伴った戦法で、同じことを一朝一夕でやるのは上級者にも無理なんです。

だから、だからこそ、
今回世界大会2019は与作選手が実力でもぎ取った世界一なのは間違いなく、もちろんそれが2019年8月11日高田馬場ミカド限定での話ではあるのですが、素直に賞賛を送ると共に、先ほどちょっと話した前日の事を思い出して、ウルっとしてしまうのです。

決して、彼の事を20年見てきて、
彼がゲームにどう向き合ってきたとか
20年間「与作しねぇー!」と言われても、寂しそうな笑顔で「言わせとけ」とスルーしてきた事とか、
彼の技術の凄さをわからずに嘲笑する動画勢に対してまで「ありがとう」と言える姿勢とか
全国から与作の優勝を祝うツイートやラインや電話があると聞いて
やっぱ見てるやつは見てるしわかってるやつはわかるよなと思うと共に
そういう彼なりの良い所がやっと一つ形になったんだよなぁ・・・って思えて涙したわけではないんですよ。いやほんと。
彼が変態なのは揺るがないし。

関係ないですが、ガロスぺの悪しきシステムと言われる「ライン」について
与作はラインを使った戦法を使いますが、別に多用しているわけではないですし、使っても意味がないとか必要がないときは使っていません。
ってか、令和になってからも「ライン」に対して逃げとか対策とか言っている人たちを見ると、2000年代にはラインを使った攻防で頭を悩ませてた我々からすると10年~20年遅れていますし、関東勢からすれば必要なら使いますよ。必要なら。
それこそ有名どころのあの人もあの人もガロ坊氏も使いますよ。
必要なら。

ましてや、ゲームクリエイターが「これで遊んでください!」って作ったシステムを、卑怯だズルだつまらないと対策もせずに「使わない」を選択するのは、そもそもガロスぺを作ってくれたゲームクリエイター引いてはガロスぺそのものに対しての冒涜です。
小さなコミュニティでやっているのなら理解できますが、仲良しこよしでこのルールは守ろうぜ!はありますよ。
過去にあったガロスぺの聖地では「気絶から気絶」が禁止行為でした。
気絶させたからにはワンコンボで殺し切れよダセェな。とAKAMA氏が言ってましたが、まぁ気絶から気絶が出来ないキャラがいたり無駄にいたぶって楽しむ馬鹿がいたからとか、なんも縛りがないのはつまらないけど、なるべく何でもありに近いようなとか、JゲームがJゲームでのルール作りをしただけであって、Jゲーム勢が例えばHEYやモアなどでそれを誰かに強制したりしてないわけですよ
コミュニティでのマイルール、ローカルルールはあった方が盛り上がりますが、それが全国的と言うか、そのゲームに備わるべき常識だと言うなら、そんな烏滸がましい事はありません。

この問題について、最適解でなくても一番正解に近い解答は
「俺は使わない。お前は好きにしろ。その上でぶっつぶす」が
だと思うんですが違います?
某ギースとかまさにそうやってミカドでライン使い駆逐していってますしね。

このゲームが出て26年ですよ。その間ズルいから、つまらないからと封印していたんですか?
ならこのゲームの面白さを5割ぐらいしか楽しめてないじゃないですか。
これからさらに5割楽しめるのですか?うらやましい。

少なくとも10年20年ライン対策を頑張ってきている人がいて、実際に公明さんがラインどうぞどうぞ、その上でぶっつぶすと与作を倒した過去があり、それでもラインを卑怯だズルだ最近になって解禁だとか言っている人たちに私は皮肉の一つ二つは投げかけたいんですよ。割と真面目に。


いや、ラインについての持論は前から色んな所で言ってますし、2019年世界大会で言う事でもないですね。


さてさて、優勝者のお話は置いておいて実際のレポを。
今回の世界大会でのミカド
現地へ行った人やツイートで回ってきた画像を見た人はわかっていると思いますが、ガロスぺが20台以上、正確には20セット以上のガロスぺ対戦台が並ぶその姿は正に圧巻です

しかも20セットあるのに参加者が120人超えているので対戦が回ってないんですよ?
常に対戦できるのは40人なんで、他の80人はベガ立ちやガン見、またはあいさつ回りですよ。
その挨拶まわりも人が多くて禄に出来ない。
それでも初めましてと挨拶をしたり懐かしい顔に久しぶりと言って言われたり、「大丈夫?」と問われれば「大丈夫じゃねーよ」と笑い飛ばしたり、しばしば談笑と言うか和やかな雰囲気になったりしたと思えば、皆、狼の目で対戦に戻っていくわけですよ。最終調整ですよ。
誰もがだいたいそんな感じ

次第に言葉数も少なくなり、
抽象的に表現するなら
薄っすらと気迫が店内に充満していって、
現実には記念参加勢の元Jゲーム店員AKAMA氏が
「人多すぎ」と呟いて飄々とどこかに消えていく。
そんな雰囲気

で、大会前野試合は見てた人達はわかると思うんですが、ぶっころがす!ってガチでやっている人より、調整している人の方が確実に多かった。
レバーぐるぐるしたり、ボタン位置の確認なのかラウンド事に手首の位置かえてボタン叩いたり。切り替え器はあるものの、BOX配置はともかく、
SNKの4ボタン一列とCAPCON6ボタンのA落ち配置は似て非なると言うか別物ですからね。人によってはかなりやりづらいでしょうし、気になるのでしょう。
また、ボックス配置といってもCAPCON6ボタンのボックス配置だと
弱キックと強パンチの距離が少し離れているコンパネもあったりするので、色々出てくる微妙なずれを修正している感じでしたね。
どの筐体で大会やるかわからなかったから必要な事だったと思いますし
やってやるぜうぉーー!って人もいたから、クレーバーにコンパネを確認している人たちが冷静な殺し屋みたいに見えましたよ。

そんなこんなな雰囲気の中、各々の狼たちはそのままがっつりと野試合したり飯食いにいったりして、大会当日エントリーの始まる14時頃には120人超えの狼たちがあのミカドに集まってきてもう完全に身動きが取れない状態。

特に私は足が不自由なので、あまり身動きはとれず、当日いたはずの人を見てなかったりなんてことも。それぐらいぎっしり。
14時からのエントリーにて、正式にエントリーを終えた狼たちは、それぞれ戦いに向けて臨戦態勢ですよ。
私も含めて肝っ玉が狼に食われる側のチキンハートたちは死んだ顔してましたよ。特に私。

実際の大会の内容・詳細についてはYouTubeなんかにあがっているので
皆さんが皆さんのタイミングでさらっと見て頂ければと思います。

現場はと言うと、おっさん・・・だけではないけど、
あの日の少年たちが集まってわいわいがやがや。
驚き溜息奇声に罵声。衝撃に言葉を失って。とにかく大盛り上がりです。
一年に一回の大盛り上がりですから、狼たちもギャラリーになれば童心を呼び覚まし揺り動かしあの日の小僧に戻るのですよ

さて、結果として前述の通り、与作選手が優勝したのですが、私の感想としては前述の通りで、まぁその皆様色々ご意見もあるでしょう。
どうぞどうぞ、ご自分でSNSなどをご活用の上、世界で発信なさってください。
そういう言葉があると、まだガロスぺはオワコンではないのだなぁ
と、幸せな気持ちになれます。

「忘れられた時が死である」とは人に限った話ではありません。
例えゲームがエミュレータを利用して永遠に残ったとしても
誰も遊ばなくなったらそのゲームは死ぬのですよ。

だから、ガロスぺの話が色んな所で巻きあがっていると幸せな気持ちになるんです。

また、狼たちそれぞれの感想は、それぞれTwitterやブログで語ってますので、見て回ってみるのも面白いと思います。


それだけでは何なので現場の裏話として。

A~Dの各ブロックから4人ずつ16人の結晶トーナメント出場者が出た後、と言うか直後、今まで観戦してた狼たちがわっと筐体に群がってすぐ埋まったんですよ
「決勝まで暫く休憩しまーす」ってアナウンスの直後にはもう埋まってました。
わかりますわかります。あんな戦い見た後では、やりたいですよねガロスぺ。
その後の決勝トーナメントも確かに気になるとは思いますが、それ以上にガロスぺ大好きっ子たちはやりたかったんですよ。
まぁ、負けた狼たちだから色んな思いをぶつけるのはやっぱガロスぺだけだったんでしょうね。

負け組の話と言えば、決勝出場者が決まる頃には皆試合の行く末に興味津々で前述の休憩以外は殆ど全員試合観戦でしたが、一部の狼たちは隅っこの方で固まって対戦繰り返してました。
当然です。皆試合見ているので対戦が途切れて対戦を求めてまだ対戦している方によって来るのですから。
最後までやってたのは、天神、YMT、通りすがりと、あとベアの上手い人(名前がわからない)それとパラパラ数人集まってた
試合は後で配信アーカイブを見ればいいんや!ここでしかできない戦いが
本線以外にでもあるんや!と言わんばかりの連コですよ。
もぉ、ほんと通りすがりダックには2015年からずっとトラウマ。
でも、やっぱ皆この一年を目標に調整してきて、負けたからってそんなに簡単に熱は収まらないし、ライバルたちはまだ勝ち残って戦っているとなったら、やっぱねぇ・・・

そんなこんなで、配信に乗らない狼たちの闘いも結構熱かったんだよ。
ってお話でした。

ほんと、それぞれにそれぞれの理由があって、どうやっても現地参戦が難しく、それにも様々な理由があるのは重々分かった上で言うけど、こればっかりは、現地にこなきゃ伝わらない感じられないものが多すぎる。
あの日駄菓子屋やスーパーやおもちゃ屋ビデオ屋にあるMVSに小遣い握りしめて走った小僧どもは、別にやろうぜとは言わないから、あの日に戻って一緒に感じてみないか?と思うのですよ。

行き成り世界大会はハードル高いだろうし、まずはミカドで定期的にやっている”ミカド大感謝祭”に来て、適当にフリプでも楽しんでみるのはどうでしょう?
家族連れも多かったりするんですよ。えぇほんとびっくりするやらうらやましいやら。

自分の子供には自分が子供だったあの日の興奮を伝えてやりたいと思いません?
初めての経験は誰にだってわくわくで、自分の子供たちがあの日の俺たちのわくわくを感じてくれるなら…なんて、子供がいない私でも思うのですから、最近子供と遊んでないなぁ…と言うお父さんとか、ご一考くだされば。
などと、ガロスぺ世界高いから大きく話がずれたりしつつ…

さて、長々だらだら語りましたが、このnoteを読んでいる人はガロスぺにある程度以上の興味がある人だと思ってます。
布教にも宣伝にもならないnoteを読んでくださいまして、ありがとうと言う気持ちで一杯です。
よろしければ他にも色々書いていたりしているので反応頂ければ、投げださないようにがんばる励みになります。

もしよろしければ、と言うかこの記事が面白かったら、ここへの元記事にイイネやRT、よろしくおなしゃす。


まぁ何が言いたいかって言うと、

あの日餓狼だった元・少年たちよ!
 万障繰り合わせて来年ミカド会おうぜ!

と、まぁそんな感じ・・・

次回は、後夜祭の話なんかをちょっと語りますね


宣言通りこれをやってきたのだぜ!
ってお話です

おまけ1

ごく個人的なお話

このnoteの著者は筋金入りの格闘ゲーム馬鹿ではありますが、2019年2月2日に脳梗塞で倒れまして、右片麻痺になっております。
未だ体幹はまともに機能せず、杖が無いと立ち座りもおぼつきません。

それが必死にリハビリして、なんとか世界大会に出る事が出来ました。
これがもし決勝トーナメントなどに出れていればそれこそお涙頂戴物語にでもなってテレビから取材でも来るかもしれませんが、現実は一回戦負けです。まぁそんなものですよ。

それに対して、悔しいこんちくしょう来年見てろ!絶対やめねぇ!って思っているんです。もう憤怒ですよ。

それがうれしい。本当に心から嬉しい。
だってもう戻れないと思ってたから。
もうゲーセンなんて行けないと思ってたから。
行けてもゲームなんて、ましてや対人戦のある格闘ゲームなんて絶対に出来ない。
それこそ「これが世界の終わりか!」って思ってました

なので、それが、こうして、

それこそ人生かけてた趣味で、毎年立ち続けてきた全国の屈強な狼たちが集まる舞台に、万全とは言えないけど、それでも去年と遜色無い実力でまた立つことが出来た。

もうそれだけで幸せなのに、

 また来年!やめてたまるか!諦めるもんか!

そう思えるんだから、本当に幸せ。

嫁に家族に主治医に療法士チームの皆に
心の支えだった仲間たちに感謝を
生きている事に感謝を、
生かされている事に感謝を。


あと、世界大会当日とか後日とか
たくさんの人と話したんですが、忘れていないんですが、顔と名前が一致しない病気なんで、いやほんと。倒れる前から。ミカド勢だってたまに忘れる事がある男なので。
すっとんきょうな事言うかもしれませんが、

あの時ここで天神さんと話しました!覚えてないんですか?!ひどい!

ってリプくれると嬉しいです。
物凄くきょどった感じで「は、は、話しましたよねー、やりましたよねー」って返すと思うので、よろしくお願いします。

いやほんと、ごめん。何人か顔と話した事は覚えているんだけど、
名前が・・・その、フォローとか漏れてたらごめんなさい。


おまけ2 として
後夜祭の話とか有料小話(そのうち無料公開分)を書こうと思っていたのですが、長くなったのでまぁそれはそのうちに。
気付いたらもう木曜日だし、どこかで折見て忘れないうちに書かなきゃ

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