ESGの観点から見るカーシェアリング

 ESG(環境:Environment 社会:Social ガバナンス:Governance)は、企業が長期的に成長していくための思考として、全世界で取り入れられつつある。今回は、ESGのEである環境の面から、現代生活の移動手段として欠かせない車、カーシェアリングについて言及し、二酸化炭素排出の抑制について詳しく言及していきたい。

カーシェアリングとは


 カーシェアリングとは、登録をした会員たちと車を共同で使用するサービスのことだ。イメージとしては、観光地等で貸し出しされている自転車と似たような感じになる。短い時間からでも使用できるため、普通にレンタルするよりも安価に利用することができる。また、保有するための土地や管理費、その他もろもろの経費などが削減できるため、お財布に優しく、車は持ちたいが、なかなか手が出せない人たちにおすすめしたいサービスになっている。近年、カーシェアリングサービスを利用している人々が増加しているため、車を持つことが当たり前でなくなる時代がやってくるかもしれない。なお、カーシェアリングの欠点としては、借りたい時に空車がなかったり、止める際のステーションと呼ばれる場所が空いていなかったりすることがあるため、カーシェアリングサービスに登録するのはじっくり考えた方が良いだろう。

カーシェアリングが普及することで、二酸化炭素の排出が抑制される?


 公益財団法人エコロジー・モビリティ財団の「カーシェアリングによる環境負荷低減効果の検証報告」によると、約3割の世帯が保有者を減らした結果が出ている。カーシェアリングによって、これまで車を所有していなかった世帯では走行距離が増えるものの、結果的に走行距離の減少に至っている。

 長年、地球温暖化が社会問題になっているが、その中でも我々が意識して取り組んでいきたいのが、二酸化炭素排出の削減だ。地球温暖化による影響として、「気候変動」が挙げられる。これにより、生態系に悪影響を及ぼし我々の食卓に並ぶ食材も変化する可能性がある。これ以外にも、海面上昇や異常気象、農作物の不作、不漁、疫病発生の可能性、など、数多くの問題が近い将来、我々に降り掛かってくるかもしれない。今すぐにこれらの問題が襲ってくるわけでは無いが、人類が二酸化炭素排出の抑制に協力しなければ、自身の子供、もしくは孫世代に苦しい思いをさせてしまう可能性がある。カーシェアリングだけでなく、日々の生活においても積極的に二酸化炭素排出の抑制に力を入れて行動することが求められる。

今日からできる二酸化炭素削減に向けた取り組みとは

 今日から我々にできる取り組みは至って簡単であり、幼稚園生でもできるレベルだ。例えば、使用していない部屋の電気は消す、2時間以上部屋を開ける場合はエアコンの電源を切る、冷蔵庫の中を整理する、運転をする場合はアイドリングストップを徹底するなどだ。これらを行なって利益を得るのは地球だけでなく、我々の節約にも繋がる。一人一人が生み出す成果はとても小さなものかもしれないが、数が集まればやがて膨大な力となり、地球温暖化への時間稼ぎになる。また、企業においては、日々膨大な電気や水を使用していることから、積極的に節電や節水に取り組むことが求められる。

今回は、ESGの観点から見たカーシェアリングについて言及した。カーシェアリングを行うことで、二酸化炭素排出の抑制に貢献できるのは意外な結果だったが、現代の移動手段に車は欠かせない。今後の生活にも車は必須であることから、「車を所有する」ことから解放され、車を使用しながらも二酸化炭素排出の抑制に貢献していくのが良さそうだ。

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