新型コロナウイルス感染症対策のアウトカム指標を考える

萩野先生のこれらのツイートに触発されて、少し整理して見ようと思ったnoteです。

結論からいうと「行動変容や自粛により失業者数はどのように変化するか、感染症でいう実効再生産数のような指標分解を経済学者はしろ」という感じか。

※経済学者が「失業はいま発生しているからグダグダ言わず経済給付を!」というのは、感染症対策側が「感染はいま拡大しているからグダグダ言わず隔離を!」というのと同じレベルの話をしていて、感染症対策側はそこを1段分解して効果的な対応を考え始めているのだから、経済学側も(もちろん当座対応の一律給付とか貸付とかはしつつ)1段分解した効果的な対応を考えて欲しい、という話

ツイートを初版にしようかと思ったが、それぞれ140字ではあふれそうなので一旦noteにメモ書き。

最終アウトカム指標:「死者の前後の年と比べた増減数」(減るのが望ましい)…これを分解していく

Q. 死亡だけではなく「路頭に迷って人生台無し」とかも含めるべきでは?
A. もはや定量化が難しいし、生き延びたらリカバリーの希望は残る

Q. なぜ「超過死亡数」ではないのか?
A. 病死とかにフォーカスされる調整をするところで「超過死亡数」という数字を出すからこの時点では別の名前にした

死者増減数=(医療面)要因を特定しない超過死亡数(流行期間限定)+(経済面)自殺者数(2年後まで計算)

医療面では、新型コロナウイルスの死者だけではなく、新型コロナウイルス対応で医療体制が変わったことでケアが遅れて死亡した人も含むべきという考えてこの死者数

経済面では、本来は「経済的な困窮による平均寿命の縮みから計算した、数年先まで足し上げた死者増加数」を採りたいが、そんな数字なさそうなので、経済苦が1,2年後まで響くことを考慮してこちらまで余分に計算

(医療面)超過死亡数…新型コロナウイルス感染症による死者数で代替(なんらか係数を掛ける)

新型コロナウイルスでの死者数が急増するときは医療キャパシティが不足している状況なので、その他の超過死亡も増えると考えると、一旦普通の死者数と考えてよい

(医療面)新型コロナウイルス感染症による死者数…感染者数により増減、感染者数を大きくコントロールするのは実効再生産数

ここは言うまでも無いので省略

(経済面)自殺者数(2年後まで)…失業率に比例、1pt増加で年間1000名。失業者数と読み替えてもよい

Q. 自営業の廃業とかも考えるべきではないか、人生が台無しになったとかも含めるべきではないか
A. (再掲) はや定量化が難しいし、生き延びたらリカバリーの希望は残る

ということで、経済学者には「経済形態の変容がどのように失業率に影響するか」をしっかり出して欲しい

医療面では、超過死亡数⇒感染者数⇒実効再生産数と2段階深掘りできているのに、経済面では自殺者数⇒失業率(失業者数)と1段階しか掘れていないので、行動変容でどう失業率が変わるかを出して頂きたい。


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