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ガーデンめいと[今週のお手入れ]【クリスマスローズ(ヘレボルス)編】

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◆[今週のお手入れ]
【クリスマスローズ(ヘレボルス)編】
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メールマガジン「ガーデンめいと」2000.10.14号より
Look over and make corrections. 2020.12.19

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■本当のクリスマスローズって?
人気のすっかり定着した「クリスマスローズ」ですが、ご存知の方も多いと思いますが、本当のクリスマスローズは学名ではヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)と呼ばれ、12月に咲くことから「クリスマスローズ」と名づけられた白花の種類です。(近年ではH. nigerの紅褐色が発見されたり、ピン クの園芸品種も育成されていますが。)
【2020】
H. nigerのピンク品種や八重咲き品種も多く出回るようになっています。


ちなみにnigerとはラテン語で「黒い」を意味します。根が黒いんですね。
ニゲラ(クロタネソウ)は学名はNigella damascenaですからまさに黒?

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「Helleborus」の根は、強心剤、利尿剤などとして利用されましたが、用量を誤り、中毒になると腹痛、下痢、嘔吐、流産などの症状を起こすことから、ギリシャ語の「へレイン」(死に至らしめる)と「ボーラ」(食物)からこの名がつけられたようです。

■通常「クリスマスローズ」として主に売られているものは?
雪の中でうつむきかげん花を咲かせる・・・といったイメージ?で人気の「クリスマスローズ」ですが主に売られているものは、「レンテンローズ」と呼ばれるニゲルの仲間で、学名:ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborusu orientalis)という、2~6月に花(正確にはガクですが、詳細は後述)を咲かせる種類です。
「ニゲル」とは「ヘレボルス」という同じ仲間ですが、咲く時期なども違うため厳密に言えば「クリスマスローズ」と呼ぶのは間違いです。
●最近は園芸店やホームセンターなどでも「ヘレボルス」と表記するところが増えてきたようですが。
▲生産者、販売業者、消費者が「わかりやすい」「売りやすい」「買いやすい」を優先してしまった、あまりよくない例ですね(^^;

オリエンタリスは、花色がピンク~濃紅、黒紫や白、緑、黄など幅広く、種から育成(実生)された小苗の場合は花色は咲いてからのお楽しみとなります。
例えば、黒花と呼ばれるような濃い紫の花などは人気で、実生で育て開花した中から選抜するか、株分けで増殖させるため、数がなかなか揃わないこともあり、なかなか高価で、愛好会内での交換や、大型の園芸店などで花つきで販売されることもあるようです。


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■緑のクリスマスローズも見るけど?
切花などとしても人気の高い「フェチヅス」(H.foetidus)なども苗や鉢植えで出回っていますが、これもまた別の原種で「木立性クリスマスローズ」とも呼ばれるヘレボルスの仲間です。

■どうしてあんなに花が長持ちするの?
オリエンタリスは2~6月と寒さの残る時期から初夏まで花を咲かせつづけますが、「花」と呼んでいる鑑賞部分は実は「ガク」なのです!
育てたことのある人ならわかる方もいるかと思いますが、花(と呼ばれている部分)が残ったまま、中にタネのサヤが出来ていたことはありませんか?
他の花を考えれば、「花が咲いているのにタネが出来る。」のは変な話ですよね?

寒さの厳しい季節に、それでなくても少ない冬場の虫に強くアピールために、花びらより寒さに強いガクを発達させたのではないでしょうか?
何はともあれ、花の少ない時期に、ながーく楽しめるオリエンタリスもうまく活用したいですね。
本来の花である部分がガクに変形した八重咲や獅子咲などもあるようですが、販されるのは何年後かなぁ?(^^;
【2020】20年の間に八重咲きもアネモネ咲きなどもメリクロン技術によって組織培養したクローン苗が安定して出回るようになり、値段もお求めになりやすくなりました。

■去年、苗を買ったけど咲かなかったけど?
当店でも販売していますが、7.5cm~9cmのポットに入った苗は、開花まで2~3年かかるようです。価格的には200~500円とお求めになりやすいですし、オリエンタリスの場合はもしかしたら人気の黒花が咲くかも!?という淡い期待を込めて、気長に可愛がっていただければと思います。
と、考えると、花つきの鉢植えが1500(円) 以上するのも納得?(笑)
咲く時期はニゲルでしたら12月、オリエンタリスでしたら2月~となります。

【2020】八重咲きのピコティーの開花鉢だと
 1万円(2005)→2000円(2019)くらいな印象です。

■どんなところで管理すればいいの?

夏は直射日光&西日を避け、冬は日当たりのよい場所で寒風を避けて管理。
日本の平地だと夏の高温多湿で弱りやすいので遮光したり、風通しの良い棚の上などで涼しく過ごさせましょう。また、原産地を見たわけではありませんが、林の中の落葉樹の下にひっそりと咲いているイメージに近づけるよう管理すればOK?
なお、ヘレボルスの生育期間は9~5月と秋~春ですので、植付けは10~11月が適期とされます。

■水やりは?
庭植えはほとんど不要です、鉢植えもメリハリをつけ乾いたら、たっぷり与えるように。開花期は水切れに注意。

■肥料は?
あまり必要としません。生育期(9~5月)は置き肥や液肥を控えめに与えます。夏季は休眠しているので施肥は厳禁です!
寝ているときに口をこじ開けてステーキを食べさせても・・・ってことですね(^^;

■繁殖は?
株分けを秋に。また初夏に取れるタネを蒔いても増やせます。
タネからだと開花までに4~5年かかるようですが、オリジナルの花を育成するのも楽しいのでは?タネまきは、タネの取れる初夏か、秋に行います。
こぼれダネでも結構発芽しますので、それを移植して苗にするのもOKです。

■その他の管理は?
秋にいたんだ葉を切り取り、株分けなどをします。
環境にもよりますが、鉢植え、庭植えともに、5年ごとに植替えもしくは株分けを。植替え時には腐葉土などを多めに混ぜて水はけを良くするとなお良いでしょう。

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メールマガジン「ガーデンめいと」2000.10.14号より
Look over and make corrections. 2020.12.19
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【メールマガジン『ガーデンめいと』2000年 発行分よりコラムを抜粋】

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※ 2011年の震災を受け「Flower&Green GARDENさかもと」は、楽天市場を退店し、現在(2020.12)は営業しておりません。

2000年の『ガーデンめいと』は、店長、坂本 歩がほぼ一人で運営している頃のものでメールマガジンも全編、本人によるものです。・・・テンションが高め?な店長と顔文字の多さをとくとお楽しみ下さい?!

坂本種苗株式会社
Flower&Green GARDEN さかもと

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