秋華賞全頭診断

秋華賞は桜花賞からはじめて競馬を見てきた自分の半年の集大成ということで、全頭診断を行って評価していきたいと思います。

ソダシ

評価:A(能力:A、馬場:B、騎手:B、展開:B)

札幌記念で古馬混合GⅡを勝利し、オークスでの大敗はやはりスローペースで息がつかない前崩れの展開になったことともともと不安視された距離延長によるものだということがはっきりした。札幌記念で早めに抜け出して直線でラヴズをかわし切るのは並大抵の馬ではなく、この距離までなら古馬になっても活躍できると確信できるものだった。唯一の不安点はブラストワンピースに競りかけられて早めに動いて勝ったことで、阪神は桜花賞で勝った舞台ではあるが、早めに先頭に立ってしまうと他馬の標的にされて差されてしまう可能性がある。とはいえ、ここではオークスのような大敗は想像できなく、間違いなく勝ち負けはできるだろう一頭。

アンドヴァラナウト

評価:A(能力:A、馬場:B、騎手:A、展開:A)

前前走の出雲崎特別での快勝から続けてローズSも快勝と夏の上がり馬筆頭となっている。出もそこそこ良く中団のいいポジションを確保できる上に、馬群をうまく捌いてくれるので、自在性が非常に高い。ラップ的にも上がり勝負にも高速ラップからの持続勝負どちらもできるが、ソダシに勝つなら一段後ろからの競馬となることから少し落ち着いたペースが望ましいか。今回は、エイシンヒテンが単騎逃げする可能性が高いため、ローズSで経験済みの逃げ馬のペースであれば、この馬にとって展開が向く可能性が高い。

ファインルージュ

評価:B(能力:A、馬場:B、騎手:A、展開:B)

紫苑Sでは持続的な末脚で快勝し、距離不安を払拭した。オークスでは馬群がスローペースで固まり、下げてしまってから直線でそこそこ伸びたが、距離がもたなかったか。上がり勝負となると不安であり、できればハイペースに持ち込みたい。とはいえ、自分の有利な展開だと明らかにソダシにとっても利がある展開であることは疑いようがないので、頭までは難しいか。ルメールJが騎乗するので、追い出しのタイミングやポジション取りは問題ないので、後はソダシに直線で勝てるかどうか。美浦所属の馬がこの舞台では活躍できていないところを見るとその点でも少し割引か。

アカイトリノムスメ

評価:B(能力:A、馬場:B、騎手:B、展開:B)

オークスでは2着ではあったが、外差し馬場を唯一内を通って入着した馬なので、一番強い競馬ができたのではないかと思われる。休み明けを不安視されているが、一週前の状態だとオークスのときより全体時計も終いも良かったので、状態はそこまで不安視する必要がない。戸崎Jに変わるが、出があまり良くないこの馬で最近重賞で振るわない戸崎Jがどこまでポジションを取れるか。上位人気の馬を差しきれるような切れる末脚ではないので、ある程度のポジションにつけられるようなそこそこ中の枠が望ましい。

ユーバーレーベン

評価:B(能力:A、馬場:B、騎手:B、展開:B)

前回は、デムーロJの好騎乗と外差し馬場のおかげもあって念願の1着を取ることができた。しかしながら、その後脚部不安もあり、全休しギリギリ状態を秋華賞まで戻してレースにこぎつけた。一週間前の追いきりだと終いは悪くないが、全体時計が71秒ほどとかなりゆるやかなペースでまだ陣営も本調子の仕上げにできていない。また、この馬の脚質的に展開に助けられないといけないので、よい状態で迎えられている馬が多い中で不安要素が多いこの馬を馬券の中心に据えるのは難しい。

アールドヴィーブル

評価:C(能力:C、馬場:B、騎手:B、展開:C)

前走は勝ち馬の後ろにつけていて十分勝てる展開ではあったが、上がり勝負で完敗。切れ味も持続性も上位人気の馬に劣り、前崩れなどの展開利がないと、勝ちきるまでは難しいだろう。ここ最近地方ダート重賞での勝鞍が多い松山Jがインでうまく溜めて突き抜ければ馬券圏内はありえる。

アナザーリリック

評価:B(能力:B、馬場:A、騎手:B、展開:B)

前走は圧巻のパフォーマンスで、古馬を圧倒するような直線での末脚だった。重馬場でも問題なく走れるので、雨が降って上がりがかかるような馬場なら積極的に狙っていきたい。高速馬場でも上がりは使えるが、出足はそこまで良くない馬なので、そこそこ内枠で溜めて直線で開放できれば上位に喰らいつける可能性は十分ある。

エイシンヒテン

評価:C(能力:C、馬場:B、騎手:C、展開:C)

前走は二の足を使って2着に粘れたのは予想以上の強さだった。しかしながらオパールムーンが蓋になって単騎逃げで自分のペースでレースできたのが好走の要因だったように思われる。そう考えると、上位人気馬、特にソダシが番手につけてくる以上、前走のようなレースは全くできない。相手関係も大幅に強化される以上、ここでも前走のような着順を求めるのは難しいだろう。

スルーセブンシーズ

評価:C(能力:C、馬場:B、騎手:C、展開:C)

前走はイン突きで直線少し不利を受けたがほぼロスない競馬で、外を回った勝ち馬に負けてしまうというような内容。ゴールすぎてからも手応えはあるようにスタミナは十分だが、あの内容で負けたとなると内回り阪神2,000 で後ろから勝ち上がるのは難しいだろう。出足が毎回つかずに後方競馬になるのも気になる上に、初輸送も気になる。買うのは紐までで買うにしてもパドックでの状態確認は必須。

ステラリア

評価:B(能力:B、馬場:B、騎手:B、展開:B)

前走は今までの競馬と異なり前目につける競馬でソダシを潰したはいいが、自身もかかってしまい、直線での手応えは全くなく大敗したため、考慮外としてよい。とはいえ、フレグモーネを発症し、トライアルを使えないなどちょっと陣営の管理方法に疑問が残る。阪神2,000では勝鞍があるので、ここでも一定のパフォーマンスは出せるが、まだ春先の状態に戻っているかは不安が残る臨戦過程。プラスポイントは武豊Jに乗り替わりで手が合いそうなところくらいか。また、血統的にも道悪は歓迎なので当日の天気と状態次第では重めの印をつけたい。

ミスフィガロ

評価:B(能力:B、馬場:C、騎手:A、展開:B)

前走は内を追走して、直線で外に持ち出して届かず3着。末脚の伸びは1, 2着の馬と比べても一番良く突き抜けていた。ただ、出足は良くなく後方からの競馬となることから、川田J騎乗のときのようにポジションを上げるようにするなど展開や騎乗に左右されるところが大きい。藤岡Jのテン乗りはプラスポイントにはならないようにみえる。先週のマカヒキのような好騎乗を期待したいところだが、馬場が渋る可能性が高いので、今のところはよくて3着にみえる。

クールキャット

評価:C(能力:B、馬場:C、騎手:B、展開:C)

前走は後方待機から全く直線伸びず大敗と先行できないとダメ出し、かといってオークスやフェアリーSのようにハナを切っても消耗してしまう難しい馬。中団あたりで競馬できればフローラSのように抜け出す脚はもっているのだが、気性難のためそれも難しいとなると好走を期待するのは難しい。テン乗りになってしまったのもマイナスポイント。馬場が渋るのもこの馬にとっては歓迎できない。基本的に消しで。

サルファーコスモス

評価:B(能力:B、馬場:B、騎手:A、展開:B)

前走やはり古馬相手に2着ということで始動は遅かったが、秋華賞に成長が追いついたという形で桜花賞、オークス組と比べても遜色ない状態にあるといえる。ただ、2F の距離延長がどこまで影響するか。ソダシがいるので、前はタフな展開になりやすい以上、この馬もタフさを要求されるし、なによりオークスでソダシを自爆覚悟でマークした川田Jということで、また必要以上に締め上げて自身の馬ともども潰れていく可能性もある。上位人気ほどの安定感はないが、ハマれば一発の可能性はある。

ホウオウイクセル

評価:C(能力:B、馬場:B、騎手:C、展開:C)

先行できれば勝ち負けまでできるが、ゲートでチャカつく癖があり、ここ2戦はゲートを出た時点で勝負から外れてしまっている。そのため、最低限後入りの偶数番のゲートは必須。紫苑Sでも最後方になってしまい、勝負にならなかったことをみると、ここで強調して買う要素はない。

スライリー

評価:C(能力:C、馬場:B、騎手:C、展開:C)

番手につけて、粘り込むのがこの馬の勝ちパターンではあるが、前走それで直線全く伸びず、大敗。ハイペースでなく、あとはポジションを取れれば勝負はできるが、今回は先行馬に有力勢が多いところをみると勝ち負けは難しい。スタミナにもやはり問題があるので、上位には総合的に見て力負けしているようにみえる。

エンスージアズム

評価:C(能力:B、馬場:B、騎手:C、展開:C)

クラシック世代との対決では掲示板にすら乗ることができずに大敗しているところを見ると、現時点では力関係で勝てない相手との勝負にみえる。鞍上もこと重賞ではイマイチピリッとしない競馬をするので、ポジションを取れずで終わる可能性が高い。血統的にはこのコースは大歓迎だが、脚質とポジションをみるに、内枠で溜めて直線伸びるか、大雨で外差し馬場からの外まくってワンチャンスあるかないか。要するに展開がよほど向かないとこの馬にとって厳しいレースになるということです。

評価一覧

評価A:ソダシ、アンドヴァラナウト
評価B:ファインルージュ、アカイトリノムスメ、ユーバーレーベン、アナザーリリック、ステラリア、ミスフィガロ、サルファーコスモス
評価C:アールドヴィーブル、エイシンヒテン、スルーセブンシーズ、クールキャット、ホウオウイクセル、スライリー、エンスージアズム

順当に人気どころから埋まっているようにみえますが、A、B間は正直枠や調教次第で覆る可能性は高いです。あくまで今までのレースぶりと臨戦過程からみてどのくらいパフォーマンスを発揮できるかを評価したものです。とはいえ、Cは展開利がないと厳しいように見えます。最終予想も書きますが、Cはこれから決まる枠とまだ確認していませんが追いきり次第でよほどのものがない限り買うことはないと思います。



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