エプソムカップ全頭診断

鳴尾記念と安田記念において、紐にすら入れていない馬が入着しました。これもひとえに馬柱をさらっとみて、人気の馬しか考察できていないことも一因だと思うので、今回は全頭診断を行ってみようと思います。

全頭診断は以下のポイントで見ていこうと思います。

①馬の特徴(脚質、血統など)
②過去のレース成績
③今回のレースにおける評価(A~Eの5段階)

まずはじめに、今回のレース、東京芝1,800m の特徴について、述べておきたい。

東京芝1,800m の特徴

①逃げ、先行有利(テンの早い馬)
②内枠有利

これは以下の画像のように

画像1

※ネット競馬様から画像をお借りしております。

東京芝1,800mの大きな特徴として、スタートしてからすぐにカーブを迎えるため、内枠かつテンの早い馬が向こう正面の直線でいいポジションをとりやすい。逃げ・先行馬が内枠に入ったら、人気薄でも紐には入れておきたい。

アトミックフォース

①馬の特徴

脚質:逃げ・先行型、

血統:父:ワークフォース(キングマンボとサドラーの血を持つ)、母父:フジキセキ、叩き良化、内回り得意、マイル適正高い

②レース成績 

前走メイSでは、逃げからの粘り込みで3着、極端な負けはないが、去年の新潟大賞典以外では重賞で勝ち負けできないない。馬場が渋ったときは走れていない。

③レース評価

評価:B 逃げ先行有利のコースには適正高い。末脚は不発することも多いため、直線の長い東京ではそこは不利。乗り替わりはない。前走の時計であればここで勝ち負け可能。

アドマイヤビルゴ 

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:ディープインパクト、母父:Elusive City、休み明け強し、直線よし

②レース成績

前走の大阪杯では、重馬場だったこともあり、直線全くのびず凡走。重賞では全く結果を残せていない。2ヶ月以上間隔あけるとそこそこ好走する。日経新春杯では、前が全く開かずに直線伸びなく凡走。京都新聞杯では、好位から直線早めに抜け出したが、全く伸び切らず凡走。正直2,000m が限界の馬。そこそこ外の枠が良さそう。

③レース評価

評価:C 好位から外回れば直線で勝負ができる。外目の枠のほうが良さそうか。大阪杯から引き続き岩田Jが騎乗。

アルジャンナ

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:ディープインパクト、母父:Tiz Wonderful、全弟に新馬戦圧勝したコマンドラインがいる、直線得意

②レース成績

重賞でもダービー以外は掲示板に必ず入っている。中団差しで阪神のコースで掲示板に入れているのはさすが。

③レース評価

評価:A ルメールJへの乗り替わりで鞍上強化。間隔も問題なく、G1級には届かないが、ここでは勝ち負けできると思われる。

エアアルマス

①馬の特徴

脚質:中団差し(最近少し先行多め、しかし結果出ず)

血統:父:マジェスティックウォリアー、父母:エンパイアメーカー

米国血統色強し、ダート、短距離得意

②レース成績

最初芝使ってからダート転向し、最近芝に戻ってきた。最近は重賞ばかり出ているが結果は全く残せていない。

③レース評価

評価:E 血統的にも実績的にもG3ですら勝ち負けはできないように見える。東京の長い直線も相性が悪い。松山Jから三浦Jへの乗り替わりもマイナスポイント。

ガロアクリーク

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:キンシャサノキセキ、母父:キングマンボ 短距離、ダート適正高し

②レース成績

クラシック三冠チャレンジしたが、皐月賞以外は結果出ず。そのままの流れで、マイル以上にチャレンジしているが結果出ず。中山巧者であり、中山の勝率は高い。

③レース評価

評価:D 血統、実績からもマイル以上で使うのは合っていないのに、マイル以上で使い続けているのは理解できない。また、川田Jから野中Jへの乗り替わりもマイナスポイント。

サトノフラッグ

①馬の特徴

脚質:後方追い込み

血統:父:ディープインパクト、母父:バラダセール、欧州血統強め、パワー型

②レース成績

3歳時点では、好位に上がってそのまま差し切る競馬を行っていたが、ダービーを機に後方から追い込む競馬が増えた。高速馬場に弱く、末脚が不発することがある。欧州血統だが、パワーのいる馬場で結果を出せていない。どちらかというと、菊花賞のように長くいい脚を使って勝負するタイプ。

③レース評価

評価:D 東京1,800mは忙しく、この馬には合っていない。ルメールJからの乗り替わりもマイナスポイント。(少なくともルメールJにはアルジャンナのほうがポテンシャルがあるように見えているということ)

ザダル

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:トーセンラー、母父:Lemon Drop Kid 米国血統色強し、ダート適性高し、距離は母系が短距離だが、父系は中長距離でも適正があるため、極端なスプリント路線でなければ問題なし

②レース成績

プリンシパルS、セントライト記念を経て菊花賞に参戦し大敗、そこから、マイル~中距離路線を歩んでおり、OPは2戦とも入着、関越Sでは快勝している。稍重の毎日王冠で差しが決まらなかったところを見ると、パワーが要る馬場は不得意か。

③レース評価

評価:A 毎日王冠のタイムを出せればここでも勝ち負けできる。テンが早い馬ではないので、包まれないように少し外目の枠がいいか。末脚は抜群なので、好走に期待が持てる一頭。

シュリ

①馬の特徴

脚質:先行

血統:父:ハーツクライ、母父:Giant's Causeway(ストームキャット系)、中距離適正にスプリント力を足した血統、ダートもこなせる。

②レース成績

5歳馬だが間隔あけて使われているため、まだ、10戦しかしていない。成績は良いが、OPクラスの出場がメインのため、ここでは相手関係は間違いなく強くなる。

③レース評価

評価:A 叩き2戦目の今回、デムーロJ騎乗によってどうかわるか。ここではタイムは問題なく、あとは好位につけて早めに抜け出せれば勝ち負けも可能。

セダブリランテス

①馬の特徴

脚質:好位

血統:父:ディープブリランテ、母父:ブライアンズタイム 叩き良化型、パワーのいる馬場は得意。

②レース成績

古馬7歳にして8戦と経験はかなり少ない。休み明けで前走六甲Sを叩きに使ったが思うような結果が出ず。さすがに末脚に衰えがあるか。

③レース評価

評価:D さすがに能力の衰えが見られる馬がここで好走するとは思えない。騎手はこの馬で好走をしている石川Jだが、さすがにレース展開や馬の能力が足りないか。

ニシノデイジー

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:ハービンジャー、母父:アグネスタキオン パワーのいる馬場は得意。また、広い競馬場のほうが得意。ウマ娘ファン的には、母母がニシノミライ(ニシノフラワー×セイウンスカイ)というところが最も気になるところだろう。

②レース成績

正直最近の重賞では、全く勝てていない。というか、勝ち負けにすら関われていない。ポジション取りは悪くないのだが、直線での反応と伸びがまったくなく、これでは勝てない。ミドル~ハイペースだと追走で手一杯か。負け癖がついていて馬がすぐ諦めてしまうような気持ちになっていないかが心配である。

③レース評価

評価:E ウマ娘ファンとしては、セイウンスカイとニシノフラワーの血を持ったこの馬は応援してあげたいところだが、近走の結果から見ると、とてもじゃないが、ここでも勝ち負けはできないだろう。江田Jへの乗り替わりで変化に期待か。

ヒュミドール

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:オルフェーブル、母父:チチカステナンゴ 中長距離得意、小回りのほうが適正高い、気性難が多い

②レース成績

去年まではダートだったが、去年の途中から芝に転向し、2, 3勝クラスは勝ちきってきた。しかし、重賞クラスは掲示場が精一杯でなかなか結果がでず。前前走の日経賞はかなりレベルが高く、そこでの4着は見事というほかはない。そこそこペースが上がって最後の直線ですっと抜け出す競馬が得意そう。

③レース評価

評価:B 新潟大賞典では凡走してしまったが、日経賞での末脚を出せればここでも勝ち負けできる。距離は1,800に短縮だが、逆にこの馬にとっては好都合そう。時計も申し分なし。

 ファルコニア

①馬の特徴

脚質:先行

血統:父:ディープインパクト、母父: Hawk Wing(ミスプロ系)広い直線よし、使い詰め注意

②レース成績

好位から抜け出す競馬で、2回の重賞除けば、全て入着している実力のある馬。レース間隔も問題なし。

③レース評価

評価:A 時計も問題なく、引き続き川田Jが乗るということで有力馬の一頭であることは間違いない。広い東京へのコース替わりもプラス。

プレシャスブルー

①馬の特徴

脚質:後方追い込み

血統:父:ディープインパクト、母父:アンバーシャダイ

②レース成績

古馬7歳で去年やっと重賞に出たが新潟大賞典以外は振るわず。それないのパワーと長く脚を使うことはできているが、瞬発力が不足している。

③レース評価

評価:E 高速馬場で瞬発力が求められる東京への適性は低いと思われる。また時計も全く足りていない。ここでの勝ち負けは前崩れのような展開が向いても厳しいだろう。

マイラプソディ

①馬の特徴

脚質:中団差し

血統:父:ハーツクライ、母父: Salt Lake(ニジンスキーやヴァイスリージェントが入っている) 東京は得意、持続力のある脚を出せる

②レース成績

3歳時はクラシック路線に乗ったが、成績がまったく振るわず、近走のりステッドでは、大阪城Sでは、差し届かずだが掲示板内、都大路Sでは、好位からの粘り込みで2着と好走している。都大路Sの相手はG3ではそこそこ成績を残しているメンツであったので、レースレベルはそこそこ高い。

③レース評価

評価:D レース内容からすると、持続力のある脚を使った粘り込み以外に勝ち負けできないと思われ、それも高速かつ瞬発力が求められる東京だと可能性としては低い。展開が向けば。

ミラアイトーン

①馬の特徴

脚質:

血統:父:Lonhro、母父:Tiznow(どちらもミスプロの系譜)、どの距離もこなし、ダート適性もあるが、瞬発力にかける

②レース成績

古馬7歳馬で、筋層のリステッドでは、好位からの粘り込みで3着を連発している。近走の内容から、末脚に期待することは難しいが、この馬も持続力のある脚で早めに仕掛けていけば勝ち負けできる。

③レース評価

評価:D 近走の内容から、好位につけて粘り込みを行えば勝ち負けの可能性もあるにはあるが、末脚があまりにも物足りない。

ヤシャマル

①馬の特徴

脚質:先行

血統:父:キズナ、母父:アグネスデジタル、中長距離は問題なし、パワーも有り馬場が渋っても問題なし、ダートも適正あり

②レース内容

近走はレースレベルは低いが、しっかりと勝ちきっており、また東京で連帯をほぼ外しておらず、東京への適性は高い。末脚もしっかりと出し切れており問題ない。

③レース評価

評価:B 近走の内容からすると、勝ち負けできそうだが、相手関係が一気に強化され、また時計も早くなるのでそこに適応できるかが問題。

ワンダープチュック

①馬の特徴

脚質:後方追い込み

血統:父:ハーツクライ、母父:Storm Cat、中長距離でもスピードを出せる配合

②レース成績

近走ようやく重賞クラスのレースに出れるようになったが、成績は奮っていない。古馬7歳でも33秒台をだせるのは素晴らしいが、後方すぎて届いていない印象。

③レース評価

評価:C テンが遅く、後方からにはなるが、うまく中団に進出して最後の直線で末脚を出せれば可能性はあり。時計や末脚については問題なし。さらに道悪になれば可能性は高そう。

ヴェロックス

①馬の特徴

脚質:好位

血統:父:ジェスタウェイ、母父: Monsun(欧州血統)、中長距離も問題なくスピードもありそう、また欧州血統もあるので、パワーも問題なし。

②レース成績

クラシック時の成績は抜群で、有馬記念以外は連対を外していない。しかし4歳時の小倉大賞典では凡走し、今年の日経新春杯でも凡走している。末脚に疑問符がつく。

③レース評価

評価:C 前走もかなりの凡走となり、末脚の不安感が強い。また、主戦の川田Jがこちらに乗らず、ファルコニアに乗っているのも気になるポイント。ダノンキングリーが復活したことでこの馬もある程度注目を集めるがここ1年の走りは旬を過ぎたようにしか思えない。買うとしても抑えまで。

総括

評価結果

評価A:アルジャンナ、ザダル、シュリ、ファルコニア
評価B:アトミックフォース、ヒュミドール、ヤシャマル
評価C:アドマイヤビルゴ、ワンダープチュック、ヴェロックス
評価D:ガロアクリーク。サトノフラッグ、セダブリランテス、マイラプソディ、ミラアイトーン
評価E:エアアルマス、ニシノデイジー、プレシャスブルー

感想

なかなか均衡の取れたメンバーが揃っていて一頭一頭見ていく意味があったように思えます。執筆時(6/12 18:00) の人気と、評価結果は概ね一致しており、上位人気で決まってしまうような気がしなくもないですが、B、Cに挙げた馬は展開次第で来る可能性は十分あると考えており、その評価の馬が来るとオッズ的にも美味しいような形になるかと思います。

推す穴馬:アトミックフォース、ヒュミドール

危険な人気馬:サトノフラッグ、セダブリランテス

明日午前中には、枠順や追い切り結果も含めた最終考察の記事を出そうと思います。よろしくおねがいします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?