僕の忘れもの ( 第1回)
道路工事や建設現場等で必ず見かける交通整理員の方々。最近では女性も見かけますよね。
そうした交通整理のお仕事をなさっている方々を見かけるたびに、私は、人生って何なのだろうと思ってしまうのです。
誤解と曲解を恐れずに言いますが、彼等が描いていた夢、追いかけていた夢はどんな夢だったのかを教えて頂ければと。
勿論、まだまだ夢の途中という方も大勢いらっしゃるでしょう。
でもね、そうじゃなくて、懸命に生きていたけれども、懸命に生きてきたけれども、拠ん所ない事情があって、身を引き裂かれる思いで夢を置いて来ざるを得なかった人もいらっしゃるはずなのです。
無力の私には、彼等が置いてきた夢を実現させるなんてことはできません。
しかし、彼等が抱いていた夢、追いかけていた夢の「存在証明」だけは残せるかもしれない、と思い始めたのです。
そんなことをして何になる?!と思う方もいらっしゃるでしょう。仰るとおり、何にもならないかもしれません。どうにもならないかもしれません。無駄かもしれません。もしかしたら、深く傷つけてしまうかもしれません。
それでも私は、彼等が夢を持っていた、という真実だけは残したいと思うのです。
大上段に構えた言い方になりますが、多くの人が遣りたがらない仕事を遣ってくださる方々が居らっしゃるからみんな生きていられるのです。
交通整理員の方々だけではなく、清掃員、ゴミ回収をしてくださる方々。ありがたいのです。でも、無礼を承知の上で申し上げますが、最初から交通整理員や清掃員を目指した人なんていないはずなのです。彼等が描いていた夢って、どんな夢だったのだろう。
せめて、夢の話だけは残したくて。だから、あなたが描いていた夢を教えてください。
私は、これから足を運ばせて頂いて、少しずつですが、あなた方の夢のお話を聞かせて頂こうと思っています。
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