見出し画像

大日向村のこと

ちょうど一年前くらいから、「本の雑誌」を定期購読している。

きっかけは”本屋大賞”。

昨年の春ごろに、本屋に立ち寄ったところ、あまりに面白そうな本ばかりが本屋に並んでいたのだけど、とても全部は読めない。
近くに陳列されていた「本の雑誌」の特集号がまさに”本屋大賞”の特集号だった。大賞にノミネートされた本の紹介など、実際に読む前に概要を掴むことができそうだったので、初めてこの雑誌を買ってみた。
本が好きな人には堪らない内容で、ますます本を買ってしまうような、本の魅力が満載の雑誌だった。

そもそも僕は積ん読が凄まじい。
本棚の一角は全て積ん読である。それもそのはず、読むのが遅い上に気が散るので読み途中なのにどんどん違う本を読み始めてしまう。今だって5-6冊は並行して読んでいる。

積ん読は増える一方なので、本の雑誌のように概要を読めるのは大変ありがたい。(それで興味を持ってまた買ってしまうのだけど、、、)

それ以来、かれこれ1年くらい本の雑誌を読んでいるんだけど、この度、群を抜いておもしろい連載を発見したので紹介しておこうと思う。

それは沢野ひとしさんの連載「小海線物語」である

小海線と言えば、長野県の小諸から山梨県の小淵沢までをつなぐローカル線。僕の住んでいる佐久も通っている。その小海線沿線にまつわるお話なのだけど、今は主に大日向村のことが書かれている。

大日向村は小海線でいうと最寄りは海瀬駅。とは言っても駅から10km以上離れた村である。最近は新しく私立の学校ができたり、賑わいを見せ始めている。

その大日向村の住民たちが、太平洋戦争のころ、どんな境遇だったのかを取材して紹介してくれている。当時、大日向村から、満州に開拓民として移住をしていった方が終戦後どうやって日本まで帰ってこれたのか。読めば読むほど恐ろしいことが書かれていて、今の平和な毎日からはとても想像ができない。

本当に身近なというか、近所の村の歴史。
知らないままではいられないような気がして、夢中で読んでいる。

終戦後、日本に帰国した開拓民の方の中には、大日向村に帰る場所がなく、違う場所での生活を余儀なくされた人もいる。
まだまだ僕には戦争について知らないことが数多くあり、終わったこととして済まされないこともある。

気づけば台湾有事から、日本も軍備が増強されつつある。
どう判断すればいいかわからないことだらけだが、身近な人だけは守り抜かねばなるまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?