ジナンボー@スポーツ選手から要介護者までトータルサポート

整形外科クリニック→リハビリテーション特化型デイサービス施設長→スポーツトレーナー(現…

ジナンボー@スポーツ選手から要介護者までトータルサポート

整形外科クリニック→リハビリテーション特化型デイサービス施設長→スポーツトレーナー(現在)/ フリーランス理学療法士 スポーツ選手から要介護の方までのリハビリテーションを担当した経験から、臨床のアイデアや基礎知識を発信します。

記事一覧

インサイドキックのバイオメカニクス

以前の記事でボールスピードを意識したインサイドキックを紹介しましたがインサイドキックのバイオメカニクスを紹介します。 Nunomeらは、高校生サッカー選手によるインス…

サッカーのピリオダイゼーション~Football Periodization~

ピリオダイゼーションとはスポーツ医学に基づいて時宜(じぎ)に応じたトレーニング計画を立てる手法です。 フットボールピリオダイゼーションとはサッカーというスポーツに…

バドミントン選手のスマッシュ速度に必要な能力

はじめにバドミントン競技はさまざまなストロークを正確に、かつ攻撃的に継続的に打つことによって対戦相手にエラーをさせるようにしむけるスポーツです。多数あるストロー…

PTがリハ特化デイサービスの施設長になって良かったこと、大変だったこと

私は現在、スポーツトレーナーとして働いていますが、前職はデイサービスの施設長をしていました。整形外科クリニックからリハビリテーション特化型デイサービスに転職し、…

【体験談】PTの私がリハ特化のデイサービスに転職して良かった事5選

理学療法士の多くは、病院やクリニックで働いており、介護施設に勤める理学療法士は全体の2割程度といわれています。その中でもデイサービスで働いている理学療法士は更に…

全国大会でのコンディショニング

コロナ過の現在ですが、2020年12月23日から高校バスケットボールの全国大会である、ウィンターカップが、12月31日からは高校サッカー選手権大会が開催される予定です。 全…

腰椎分離症とバイオメカニクス

はじめに腰椎分離症は日本人の5.9%の頻度で発生すると報告されています。スポーツ選手ではもっと多く、スポーツ選手の10%~30%で発生しているといわれています。スポーツ活…

走方向転換のバイオメカニクス

球技スポーツにおいて走る方向を素早く変換できる能力は、スポーツパフォーマンスに大きく影響します。一方で方向転換動作は、外傷が発生しやすい動作でもあります。 以上…

腸活のすゝめ

自律神経と腸は密接に関係しており、腸を健康的に保つことで、自律神経を整えることが出来ます。 セロトニンと腸腸には「セロトニン」と呼ばれる、神経伝達物質が90%も分…

「病は気から」の科学的根拠

最近、日中と朝晩の寒暖差が大きく、体調を崩す人も多いと思います。同じ環境で生活していても、病気になりやすい人、なりにくい人がいます。「体が強い人」「免疫力が高い…

疲労の科学

最近疲れが取れないと 感じることはありませんか? 一言に疲労といっても疲労にはいくつか種類があり、 ①末梢性疲労 ②中枢性疲労 に分類されます。 ①末梢性疲労 い…

現代社会とドライマウス

ドライマウスの原因 ドライマウスの原因として、 ①唾液が蒸発してしまう(保てない) ②唾液の分泌量減少 この2つに大分されます。 ①唾液の蒸発 唾液が蒸発してしま…

自律神経とドライマウス

ドライマウスとは?自律神経の乱れは唾液の量と密接な関係があり、副交感神経の働きが弱まると、唾液の量が減り、「ドライマウス」と呼ばれる状態になります。 ではドライ…

鼠径部痛症候群とインサイドキック

高橋らの研究によると、「鼠径部痛既往歴群のインサイドキック側の股関節外転角度、膝関節伸展角度はコントロール群と比較して小さく、股関節内転角度、膝関節屈曲角度は大…

サッカーキックにみられるムチ動作のダイナミクス

サッカーにみられる最も典型的なムチ動作はキック動作時の下肢にみられます。何種類かあるキックの中でもインステップキックは、ヒトの最も基本的な動作である歩行・走行中…

サッカーチームにおける疲労回復

はじめに現在ヴィッセル神戸のフィジカルコーチをしているカルロス・アルベルト・ピメンテウのインタビュー記事からフィジカルコーチの仕事として関わる、疲労回復における…

インサイドキックのバイオメカニクス

以前の記事でボールスピードを意識したインサイドキックを紹介しましたがインサイドキックのバイオメカニクスを紹介します。

Nunomeらは、高校生サッカー選手によるインステップキックとインサイドキックの蹴り脚動作を運動力学的に比較しています。
1.ともにキック前半に大きな屈曲トルクが発揮される。
2.インサイドキックではインステップキックと加えて内転トルクがやや大きいが、著しい相違はない
3.インサ

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サッカーのピリオダイゼーション~Football Periodization~

サッカーのピリオダイゼーション~Football Periodization~

ピリオダイゼーションとはスポーツ医学に基づいて時宜(じぎ)に応じたトレーニング計画を立てる手法です。

フットボールピリオダイゼーションとはサッカーというスポーツに特化したトレーニング計画を時宜に応じて立てるもので近年注目されている考え方です。

トレーニング計画今までのサッカーのトレーニングでは戦略的、技術的なことはサッカーの中でトレーニングし、フィットネスはサッカーとは切り離してトレーニングす

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バドミントン選手のスマッシュ速度に必要な能力

バドミントン選手のスマッシュ速度に必要な能力

はじめにバドミントン競技はさまざまなストロークを正確に、かつ攻撃的に継続的に打つことによって対戦相手にエラーをさせるようにしむけるスポーツです。多数あるストロークの中で多用させるのがスマッシュであり、攻撃の中心として用いられます。

結果中学生のバドミントン選手に対してスマッシュの速度と相関する能力を調べた研究によると、速いスマッシュを打つために必要な要素は

①前腕の回内動作(インパクト時の回内

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PTがリハ特化デイサービスの施設長になって良かったこと、大変だったこと

PTがリハ特化デイサービスの施設長になって良かったこと、大変だったこと

私は現在、スポーツトレーナーとして働いていますが、前職はデイサービスの施設長をしていました。整形外科クリニックからリハビリテーション特化型デイサービスに転職し、施設長を勤めた私の経験から、理学療法士がデイサービスの施設長になって感じることや仕事内容、メリットやデメリットについてご紹介します。デイサービスの規模にもよりますが、私は小規模デイサービスで理学療法士として個別機能訓練をおこないながら、施設

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【体験談】PTの私がリハ特化のデイサービスに転職して良かった事5選

理学療法士の多くは、病院やクリニックで働いており、介護施設に勤める理学療法士は全体の2割程度といわれています。その中でもデイサービスで働いている理学療法士は更に少ないです。理学療法士が年々増えていく中で、介護施設で働く理学療法士も増えてくると予想されます。デイケアと違い、デイサービス運営は医者の管理下でなくとも可能なため、全体像を知ることで将来の道が広がります。理学療法士がリハビリテーション特化型

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全国大会でのコンディショニング

全国大会でのコンディショニング

コロナ過の現在ですが、2020年12月23日から高校バスケットボールの全国大会である、ウィンターカップが、12月31日からは高校サッカー選手権大会が開催される予定です。

全国大会は勝ち進むと1週間から10日前後宿泊施設に滞在することになり、高校生にとっては普段と違う環境のため、コンディションを崩してしまうことも少なくありません。

特に高校性はプロ選手と違って遠征先で長期間過ごす経験も少ないため

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腰椎分離症とバイオメカニクス

腰椎分離症とバイオメカニクス

はじめに腰椎分離症は日本人の5.9%の頻度で発生すると報告されています。スポーツ選手ではもっと多く、スポーツ選手の10%~30%で発生しているといわれています。スポーツ活動では特に腰椎に負荷がかかることが多く、同じ動きを反復することで分離症が生じます。

特に疲労骨折である腰椎分離症は腰椎の運動負荷が大きく関与しており、腰椎のバイオメカニクスから病態を考えることが重要となります。

腰椎分離症の発

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走方向転換のバイオメカニクス

走方向転換のバイオメカニクス

球技スポーツにおいて走る方向を素早く変換できる能力は、スポーツパフォーマンスに大きく影響します。一方で方向転換動作は、外傷が発生しやすい動作でもあります。

以上のような背景から走方向転換のバイオメカニクスは身体運動パフォーマンスの向上「目的方向に向けたいかに素早く方向転換するか」という観点と、スポーツ外傷の予防「方向転換に伴う外傷発生をいかに防ぐか」という観点から研究が進められてきました。

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腸活のすゝめ

腸活のすゝめ

自律神経と腸は密接に関係しており、腸を健康的に保つことで、自律神経を整えることが出来ます。

セロトニンと腸腸には「セロトニン」と呼ばれる、神経伝達物質が90%も分布しており、セロトニンには自律神経を整える作用があります。

腸を健康に保つことで、「セロトニン」の分泌量を増やし、自律神経を整えることが出来ます。

また、セロトニンは「幸せホルモン」とも言われており、イライラや不安を抑制する効果もあ

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「病は気から」の科学的根拠

「病は気から」の科学的根拠

最近、日中と朝晩の寒暖差が大きく、体調を崩す人も多いと思います。同じ環境で生活していても、病気になりやすい人、なりにくい人がいます。「体が強い人」「免疫力が高い人」と言ってしまえば、それまでですが、免疫力を高め、体を丈夫にするためには、ストレスを減らす、もしくはストレス耐性を高める必要があります。

「病は気から」

だれもが一度は聞いたことのあることわざだと思いますが、現在ではちゃんと科学的に根

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疲労の科学

疲労の科学

最近疲れが取れないと
感じることはありませんか?

一言に疲労といっても疲労にはいくつか種類があり、

①末梢性疲労
②中枢性疲労

に分類されます。

①末梢性疲労

いわゆる身体の疲労で、
休息や睡眠で回復する。

②中枢性疲労
脳や神経の疲労で、
基本的には睡眠で回復するが、
状態によっては回復しないこともある。

特に夜中に身が覚める、
倦怠感が続く、
イライラしやすい、
不安になりやすい

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現代社会とドライマウス

現代社会とドライマウス

ドライマウスの原因

ドライマウスの原因として、

①唾液が蒸発してしまう(保てない)

②唾液の分泌量減少

この2つに大分されます。

①唾液の蒸発

唾液が蒸発してしまう原因は、主に口呼吸により

唾液が口腔内に保てない状態で、

口呼吸は

・口周りの筋肉が衰えること

・姿勢が崩れていること

などが原因として挙げられます。

「風船を膨らませない」

「口笛が吹けない」人は、口周りの筋

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自律神経とドライマウス

自律神経とドライマウス

ドライマウスとは?自律神経の乱れは唾液の量と密接な関係があり、副交感神経の働きが弱まると、唾液の量が減り、「ドライマウス」と呼ばれる状態になります。

ではドライマウスになると、体にどのような影響があるのでしょうか?

①口内炎ができやすくなる
②口臭が発生しやすくなる
③虫歯ができやすくなる
④誤嚥しやすくなる
⑤歯周病になりやすくなる

特に歯周病の原因となる菌や、歯周病の炎症が原因で、重大な

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鼠径部痛症候群とインサイドキック

鼠径部痛症候群とインサイドキック

高橋らの研究によると、「鼠径部痛既往歴群のインサイドキック側の股関節外転角度、膝関節伸展角度はコントロール群と比較して小さく、股関節内転角度、膝関節屈曲角度は大きい」といっており、鼠径部痛既往歴がある人はインサイドキック時に股関節や膝関節を大きく動かせず、股関節内転動作を早めてボールインパクトする特徴が認められます。これらの動作が鼠径周辺部への力学的ストレスを高めている可能性があります。

鼠経周

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サッカーキックにみられるムチ動作のダイナミクス

サッカーキックにみられるムチ動作のダイナミクス

サッカーにみられる最も典型的なムチ動作はキック動作時の下肢にみられます。何種類かあるキックの中でもインステップキックは、ヒトの最も基本的な動作である歩行・走行中の下肢の動きに近く、無理なく足部を前方へ加速させることができるため、最も早い足部速度(ボール速度)を生み出します。

インステップキックの下肢ムチ動作に関する研究では、特徴的なムチ動作として「大腿部角速度の増加に連続して起こる下腿部角速度の

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サッカーチームにおける疲労回復

サッカーチームにおける疲労回復

はじめに現在ヴィッセル神戸のフィジカルコーチをしているカルロス・アルベルト・ピメンテウのインタビュー記事からフィジカルコーチの仕事として関わる、疲労回復における大切な9つの要素を解説します。

Jリーグは通常土曜日に試合があり、週に1日の試合の場合、試合前日の練習は試合で90分以上戦えるようにエネルギーを蓄えるべく、負荷を軽くします。

試合の翌日をリカバリーに充て、軽い有酸素運動や筋トレではコア

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