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【読むだけでポーカーが上手になる!シリーズ基礎編⑦】 コンティニュエーションベット(CB)の成功率を上げるために考えるべき4つの要素

コンティニュエーション(CB)とは、プリフロップレイザーがフロップでも引き続きベットすることを指し、ポーカーにおける最も重要な技術の一つです。まずは具体例から見ていきましょう。

プリフロップでBTNのプレイヤーがJTでオープンしBBがコール、フロップがA95と落ちた場面です。ここでBBのチェックに対してBTNがベットするアクションをCBといいます。現状なにも手はありませんがBBのプレイヤーからするとAがヒットしているようにも見えますし、コールしていくには何らかの手が必要です。

このようなベットは非常に効果的で多くの場合こちらの手に関係なくポットを獲ることができます。特にトーナメントとの相性がよく、フロップでポットが小さいうちに勝負が終わるので飛ぶリスクを抑えながら着実に利益を積み重ねることができます。

誤解のないように言っておくとCBは必ずしもブラフである必要はなく、A等がヒットしておりフロップでバリューベットしていく場合も同様にCBになります。ただブラフの文脈で話題に上がることが多いため、今回はブラフとしてのCBに焦点を絞って話を進めていきます。

  • CBの基本原理

なぜCBはこれほどまでに効果的で重要な技術とされているのでしょうか。その秘密はフロップでハンドがヒットする確率にあります。

相手がポケットペアでないランダムハンドの場合、フロップでワンペア以上ができる確率は約3分の1しかありません。言い換えると、相手は三回中二回は何の役もないハイカードです。ほとんどの相手はここでベットされると降りざるを得ません。たとえCBの原理について理解していてブラフの可能性も十分にあるとわかっていたとしてもハイカードのみでコールしていくのはなかなか難しいのではないのでしょうか。

そもそもこちらはプリフロップでレイズしており、相手はそれにレイズせずにコールしています。これは相手の手よりもこちらの手の方が全体的に強いことを示しています。こちらの手にはAA,KK,AKなどの強いハンドがありえますが、相手の手にはほとんどありえません。したがって単に強気に出ることができる立場にあるのはこちらでそれがプレイに反映されたものを結果的にCBと呼んでいるという見方もできます。

このことから相手がハイカードの場合は降り、ワンペア以上もしくはドローの場合に抵抗してくると仮定すると(実際多くのプレイヤーはそのようにプレイする)、三回中二回はフロップでポットが獲れるためCBは利益的と言えるのです。

  • CBの成功に関わる要素

では、より効果的なCBを打っていくにはどのようなことを意識したら良いのでしょうか。ここでは4つの要素をあげてみていきます。

・オープンレイズの頻度
・ポジションごとのCBの頻度
・ボードテクスチャー
・相手の傾向と人数

まずオープンレイズの頻度に関してですが、ルースにプレイしていると相手はどうせブラフのCBだと思ってKハイや場合によってはQハイでもコールしてくるようになります。また相手に何も手がなかったとしても、こちらも同様に高確率で手がないと思われてしまうのでレイズで抵抗されることも多くなります。ハンドレンジは固くした方がいいと言われる理由はCBという観点からもみてとれます。

次にオープンレイズを適切に行えていたとしてもCBを毎回のように打っていてはこれも信用がありません。適切なCBの頻度は状況によるので一概には言えませんが、インポジション(IP)の時のほうがアウトオブポジション(OOP)の時よりも高い頻度でCBを打つことが推奨されます。

これはIPの方がOOPよりも有利であり、コールする側としてはなるべくOOPでコールをしたくないことに起因します。OOPからのCBはIPからのCBに比べて驚くほど少ないです。あくまで目安ですが、全体的なCBの頻度はIPからが約70%なのに対してOOPからは約30%程度にとどまります。この頻度の差からもOOPがどれだけ不利かが読み取れるのではないでしょうか。

ボードテクスチャーも同様に重要です。AK4のフロップと654のフロップではどちらの方がCBの成功率が高いかは一目瞭然ですね。一般にAやKなどの高いランクのカードが落ちているフロップはプリフロップレイザーにヒットしている可能性が高くCBの成功率が高くなります。

一方、654のように低いランクのカードが多く落ちているフロップはプリフロップコーラーにマッチしている可能性が高くCBの成功率は下がります。また、ストレート目やフラッシュ目が見えているボードもコーラー側にドローができている可能性が出てくるためCBの成功率は下がります。特に654のようなランクが低くかつストレート目のあるボードは著しく成功率が下がるので打たない方が無難です。上手い相手だとこのようなボードでチェックレイズをしてくることが予想されます。

ではここでクイズですが、ペアボードの場合CBの成功率はどうなるでしょうか?ここまでの話が理解できていればわかるはずです。

正解は成功率が高いです。たくさんCBを打った方がいいです。なぜなら相手がヒットしている確率が3分の1よりさらに低くなるからです。ペアボードでない場合ヒットするためのカードは3+3+3=9枚ありますが、ペアボードの場合3+2=5枚しかありません。相手に2ペア以上(お互いすでに1ペアは確定している)ができている確率は5分の1程度なので大体成功するCBと言えます。

最後にこれはCBに限った話ではありませんが、降りない相手に対してブラフのCBをしてはいけません。きちんとこちらの手を読んで降りてくれる相手に対してのみ打ちましょう。自分にタイトなイメージがついていてかつ相手が降りやすい時がCBの絶好の機会です。
また、フロップでの人数が多い状況ではボードにヒットしているプレイヤーがいる可能性が高まるためブラフでCBを打つリスクが格段に上がります。プリフロップの時点からフロップでのCB成功率を上げることを念頭に置いて、しっかりと人数を絞れる額へのオープンレイズをするようにしましょう。

  • ダブルバレルとトリプルバレル

CBはすでにフロップのアクションとして一般的になっているので経験のあるプレイヤーはCBに対してハイカードでもコールしてくることがあります。このような時に有効になるのがダブルバレルです。ダブルバレルとはフロップのCBのコールされた後、ターンでも引き続きベットすることを言います。これにはハイカードでは太刀打ちできません。またフロップをコールしていたボトムペアや場合によってはミドルペアもコールするのが厳しくなってきます。このことからフロップでのCBと同様ターンでのダブルバレルも非常に有効なアクションということができます。

ただし、やり過ぎには注意が必要です。ターンなのでフロップと比べてポットも大きくなっています。なんでもかんでもダブルバレルを打っているといつか捕まり甚大な被害を被ることになります。押すべきか引くべきかの見極めが大事です。例えば、Aが落ちている時などは押すべき時と言えるでしょう。フロップのCBをコールされたとしても、多くの場合ターンでもアグレッシブにベットしていくべきです。

さらにターンのダブルバレルをコールされたとしても、リバーでトリプルバレルを打つこともできます。ここの判断は難しいですが、全体的な傾向としてターンのベットまではコールできてもリバーでベットされると流石に負けているだろうと降りるプレイヤーが多いためここぞという時にうまく使えると圧倒的な利益を生むプレイになります。
また、リバーでのベットは必然的に額が大きくなっているため人によってはマネープレッシャーが発生します。これにより正常な判断ができなくなり、本来であればコールすべきであるところをミスフォールドしてしまうプレイヤーが多いのです。
この手のプレイヤーは潜在的に自分が正しい判断を下していると思い込みたいという欲求が強いです。もしコールして負けていたら誤った判断をしたという事実に直面することになりますが、降りれば真実は闇に葬り去られるので降りて正解だったと思い込むことができます。この性質をうまく利用しましょう。

再三繰り返しになりますが何がなんでも降りない相手は一定数います。このような相手にブラフでトリプルバレルを打つのは絶対にやめた方がいいです。

今回はCBについて解説してみました。話はトリプルバレルの有効性にまで発展しましたが、基本はボードを見方につせ、相手によく観察し、こちらのベットを相手にリスペクトしてもらうよう努めるということです。これらのことを強く意識して効果的なCBを打てるように心がけましょう。


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筆者について

大学時代に友人の勧めでポーカーに出会い、プロポーカープレイヤーの道へ進む。海外キャッシュゲームの最高月利は400万。

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