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【読むだけでポーカーが上手になる!シリーズ基礎編⑩】 アジャストして利益を最大化しよう

こんにちは、ひっきーです。
今回は相手のプレイに応じてこちらの戦術を柔軟に変える(=アジャストする)ことで利益を最大化する方法について解説していきます。

  • GTO戦略とは

アジャストを語る前に少しGTO戦略について触れておきたいと思います。そこそこプレイした人であれば聞き覚えのある言葉だと思います。GTO戦略について詳しく知らなくてもその概要がわかれば、アジャストについての理解を深めることができます。

GTO(Game-Theory-Optimal)戦略とは平たく言うと、どう頑張っても負かすことのできないプレイのことを言います。ポーカーにはこのような戦術が存在し、ゲーム理論という数学的な理論に裏付けされています。もしGTO戦略同士で戦ったらどちらも負けることはなく、引き分けということになります。ジャンケンを例にするとGTOがどういうものかなんとなくわかると思います。

結論から言うと、ジャンケンにおけるGTO戦略はグー、チョキ、パーをそれぞれ3分の1ずつの確率で出すことです。この相手を長期的に負かす方法があるか考えてみてください。こちらがどの手を出そうとも勝つ確率と負ける確率と引き分けになる確率が等しいのでどのようにがんばっても不可能なことがわかると思います。

では、相手がグーを封印しチョキとパーのみで戦っているとします。この時こちらは永遠にチョキを出し続ければ負けることはなく、相手がパーを出す度に一勝するので長期的に勝つことができます。

ポーカーでも全く同じことが言えます。多くの人のプレイはジャンケンで言うとチョキとパーのみで戦っているようなものなのです。そのような相手に対してはこちらのプレイを適切に変化させることで長期的な利益を生み出すことができます。では、具体的にどのようにプレイを変化させていくのでしょうか。相手のプレイスタイルに応じてこちらのプレイをアジャストする方法を見ていきましょう。

  • プレイスタイル

ポーカーでは大きく分けて4種類のプレイスタイルがあるとされています。プリフロップとポストフロップの傾向をそれぞれ二分して組み合わせると4つのプレイスタイルになります。

プリフロップ  ・・・ ルース or タイト
ポストフロップ ・・・ アグレッシブ or パッシブ

ルースとはプリフロップで参加してくる頻度が高いこと、タイトとは参加してくる割合が低いことです。ルースなレイヤーは強いハンドから弱いハンドまでいろいろなハンドをプレイし、タイトなプレイヤーは比較的強いハンドをプレイします。

アグレッシブとはポストフロップでベットとレイズを多用する攻撃的なスタイルのことを言います。パッシブとは反対にチェックとコールが比較的多い防御的なスタイルです。

これらを組み合わせてプレイヤーを4系統に分類することができます。

  1. ルースアグレッシブ

  2. ルースパッシブ

  3. タイトアグレッシブ

  4. タイトパッシブ

GTO戦略ではこれら4つのどれに偏ることもなくルースとタイトの中間でアグレッシブとパッシブの中間でバランスの取れています。絶対に負けることがないと聞くと素晴らしい戦略のように感じますが、裏を返せば大きく勝てることもないということです。

これはジャンケンでグーしか出さない相手に対してグー、チョキ、パーをバランスよく出すようなものです。そのような相手に対してはパーを出しつづけることが最も利益的になります。相手の戦略は少なからずこれら4つのいずれかに偏っているので、ジャンケンの時と同じ原理で相手に合わせてこちらのプレイを変化させることでより利益的なプレイをすることが可能なのです。

  • それぞれのプレイスタイルにアジャストする

それぞれのプレイスタイルの特徴とその対応策を考えていきましょう。

①ルースアグレッシブ

このタイプのプレイヤーはプリフロップを多くの手で参加し、レイズやリレイズの回数も多いです。またポストフロップもアグレッシブに攻めてきます。このタイプのプレイヤーテーブルにいると場が大きく荒れます。多くのハンドを参加するためブラフを多用し相手を降ろす必要があります。一部の上級者はこのスタイルを使いこなし大きな利益を出しますが、習得するのは非常に難しいです。

ブラフが多いということが相手にバレているので、その状況でも相手を降ろすほどの大きなプレッシャーを与えなければなりません。相手のハンドを正確にリーディングする能力に加えて、こちらのアクションに対して相手がどのように反応してくるかを予測する能力も必要となります

利点としてはハンドが読まれにくいため予想外のハンドで大きなポットを獲れることが多くなります。またポットに参加する回数が増えるのでテーブルが緩かった場合に無双できるという大きなメリットがあります。その反面ブラフを失敗したときには大きなポットを失うことになるので諸刃の剣と言えます。

ルースアグレッシブプレイヤーの対応策としてはまずハンドを絞ることです。ポストフロップで激しくベットやレイズをしてくることが予想されるのでそれに耐えうるハンドで参加し、パッシブに対応しましょう。

ルースアグレッシブプレイヤーはブラフがしたくてたまらないので望み通りさせてあげましょう。強い手を持っていてもレイズをする必要はありません。レイズをするとせっかくブラフしようとしていたのを諦めさせてしまう恐れがあります。ひたすらコールすれば自滅します。

②ルースパッシブ

このタイプのプレイヤーはプリフロップで多くの手を参加する割にはポストフロップは受け身です。プリフロップでもレイズで入るというよりかはすでに入っているレイズにコールしたり、リンプをしてレイズにコールするという参加の仕方をすることが多いです。

初心者のプレイヤーやレクリエーショナル勢に多いスタイルでどんな手でもとりあえず参加してフロップが見ようとします。ポストフロップでもなかなか降りずコーリングステーションと揶揄されることもあります。当然ですがこれはチップをばら撒く行為なので推奨されません。

このようなプレイヤーがテーブルにいたときは最も多くの利益が期待できます。攻略するのが最も簡単な相手です。こちらがとるべきアジャストの戦略は単純です。ブラフをせずにバリューベットだけ打っていればいいのです。

プリフロップはルースに参加してもタイトに参加してもどちらでもいいです。腕に自信があるのならルースに参加してできるだけ多くのポットをこのプレイヤーと戦うように努めましょう。ただ、ルースパッシブプレイヤーがテーブルにいるときは多くのプレイヤーが狙っているのであまりルースに参加しすぎると他のプレイヤーに対して不利な状況で戦うことになるということは頭に入れておいてください。

③タイトアグレッシブ

プリフロップではハンドを絞って参加し、ポストフロップでは積極的に攻めていくスタイルです。プリフロップがタイトなのでポストフロップのベットもそれなりに説得力がありブラフを効果的に成功させることができます。テーブルにルースパッシブなプレイヤーがいるときに最も効力を発揮するスタイルです。基本的に強いプレイヤーはこのスタイルに則ってルースパッシブなプレイヤーを標的にします。

習得するのも簡単なので初心者に推奨されることが多いプレイスタイルです。ただしこれはこのスタイルが正解と言ってるわけではありません。多くのテーブルにルースパッシブプレイヤーがいて、そのプレイヤーから多くの利益を得られるスタイルがタイトアグレッシブなので推奨されているという背景があります。

仮にテーブルが全員タイトアグレシッブプレイヤーなら自分は多少ルースにプレイした方がいいのです。状況に合わせて臨機応変にスタイルを変えられるようになるのが理想的です。

タイトアグレッシブプレイヤーは対応するのが最も難しいプレイヤーです。ポストフロップは基本的に抜け目がありません。問題点があるとすればタイトにしすぎるとルースなプレイヤーに対してプリフロップでの損失が大きくなるということです。

このようなプレイヤーがプリフロップで3ベットをしてきたときなどは通常ならコールするようなハンドを降りてしまって構いません。またブラインドにこのプレイヤーがいるときは積極的にスチールしにいくことができます。さらにタイトすぎるプレイヤーのポストフロップのベットはバリューに偏ることが多いのでこれに対しても簡単に降りることができます。

④タイトパッシブ

プリフロップではハンドを絞って参加する割にポストフロップではパッシブなプレイヤーです。合理的なプレイとは言えません。せっかくプリフロップで強いハンドをセレクトして参加しているので、本来であればポストフロップでも積極的にバリューを取りにいくべきです。

このタイプのプレイヤーは臆病であると言うことができます。失うことが怖く、あまりポットを大きくしたくないのです。ルースアグレッシブなプレイヤーがテーブルにいるときはいいのですが、それ以外の場合ではほとんど利益を出せません。

このようなプレイヤーには積極的にブラフを仕掛けてプレッシャーをかけていきましょう。相当強いハンドでないとコールしてこないはずです。フロップ、ターンとコールされた場合は注意が必要です。タイトパッシブなプレイヤーはベットやレイズをしてくることがあまりないのでハンドの強さがわかりにくいのです。

基本的にあまりリスクを取らず相手にブラフをさせて稼ごうという思考があるのでトリプルバレルのブラフはしない方が無難でしょう。ターンまでのダブルバレルは非常に効果的です。もしもベットやレイズをしてきた場合は要注意です。通常コールするようなハンドでも降りた方がいいです。

  • CBをめぐるアジャスト

ここまでは相手のプレイスタイルに応じてこちらのプレイスタイルを変えていくという話でしたが、CBのような単一のアクションに関してもアジャストの考え方は適用できます。

毎回のようにCBを打っている相手がいたらどうでしょう。このCBにはブラフが多く含まれていそうです。このような時はコールもしくはレイズを増やすことで対応することができます。自分にポジションがあればハンドが弱くてもコールするというプレイを取り入れることもできます。フロップでとりあえずCBを打っている相手は一回コールされたらターンはチェックするというアクションをとることが多いです。

これを逆手にとって、フロップをエアーでコールして、ターンで相手がチェックしたらすかさずベットしてポットを取りにいくことができます。このプレイはフロートと呼ばれます。フロートをするときにはポジションが大事です。通常の相手はインポジションにいるときによりアグレッシブになるのでアウトオブポジションからのフロートは原則しない方がいいです。

逆に相手のCB頻度が低いと感じたら、打ってきた場合にバリューハンドの可能性が高いので通常よりも多くのハンドを降りることでアジャストすることができます。タイトパッシブなプレイヤーがCBを打ってきた場合などがこれにあたります。

また、CBの頻度が低いということは裏を返せばチェックの中にも強いハンドがたくさん含まれているということです。このようなプレイヤーはチェックしたからいって弱みということにはなりません。ブラフで積極的に降ろしにいくことは避けた方がいいでしょう。

  • その都度アジャストしよう

タイトパッシブにしてもルースパッシブにしてもパッシブというのはあまり利益的ではありません。テーブルの状況に応じてルースアグレッシブとタイトアグレッシブを選択できるのが一番いいです。アグレッシブすぎると相手に簡単に対応されてしまうのでややアグレッシブにプレイするくらいがちょうどいいと思います。

途中からプレイスタイルを変えるのも効果的です。序盤にルースにプレイすると相手にブラファーのイメージを植え付けることができます。ここでスタイルをタイトに変更すると、最初からタイトの時よりもバリューベットの価値を高めることができます。逆に序盤でタイトにプレイしと途中からルースに変えるとブラフの成功率を上げることができます。

しかし、相手もいずれこちらがアジャストしてプレイを変えていることに気づきます。ブラフが多いことがバレたら相手はコールを増やしてきます。そうしたら今度はバリューベットを増やせばいいのです。それがバレてコールされることが少なくなったら、またブラフを増やします。相手の変化を素早く察知し柔軟に戦略を変更していきましょう。


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筆者について

大学時代に友人の勧めでポーカーに出会い、プロポーカープレイヤーの道へ進む。海外キャッシュゲームの最高月利は400万。

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