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テイルズ オブ アライズの「ヒロインは敵の男に手篭めにされた説」について

Tales of Arise』は2021年9月9日発売のゲーム(setamでは1日遅れの10日発売)。

ヒロインのシオンについて「あの時、敵の男に手篭めにされたのではないか」という話題が盛り上がっている。
ガチで心配しているのではなく「そうとも受け取れるよな~w脳が破壊されるww」「薄い本で描かれそうw」とネタにしているだけで、実際には多分大丈夫だろうと思っている人が大半のようだ。
大丈夫だろ派としての感想を書いていく。

タイトルで既にネタバレ気味だが、以下はもろにネタバレしていくので注意。

前提のあらすじ

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主人公のアルフェンは過酷な肉体労働を強いられている奴隷人種の青年。1年前にふらりと現れた出自が不明な記憶喪失者であり、痛覚をも失っている。
ヒロインのシオンは奴隷を支配する側の人種。彼女は荊(いばら)と称される「体に触れた者に激痛を与える呪い」を背負っており、誰とも接せられず同胞の中にさえ居場所がない。

二人は色々あって共に行動するようになる。シオンは痛みを与えないがために人を遠ざける言動が板についており言動が攻撃的。アルフェンは優しく忍耐強い人格者で、なにより痛覚喪失のために彼女の手を取ることもでき、シオンは次第に心を開いていく。

シオンは強い力を持つ「炎の剣」を呼び出すことが出来るが、燃え盛るその剣は使用者をも焼くので彼女自身は使えない(ちなみにシオンは銃使い)。しかし、アルフェンは痛覚喪失のためにその剣を振るうことができる。シオンは治癒能力を有しているので、炭化してそうな黒焦げのアルフェンの腕を戦闘後に毎回治す。炎の剣を頼りにして、他の仲間も加えていきながら強敵との戦いを重ねる。

手篭め疑惑の流れ

最初に要約すると「ヒロインに執着を見せる男が、ショックを受けて茫然自失としているヒロインを拉致。主人公が再会した時にはヒロインは露出度の高いエロ衣装に着せ替えられて死んだ目をしていた。助けた後で仲間が事情聴取してもヒロインは拉致後の記憶が曖昧で何をされたか不明。男を倒しに行くと『今一度我がものとなりにきたのか?』とゲス顔でヒロインに言った」。

下からは詳しい流れ。

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旅の中で「謎の剣士」が一行を襲う。パーティ全員でかかっても倒せない強敵だが、シオンの銃撃が剣士の顔をかすめて傷をつけた(右目の上、オデコに)。
剣士は戦闘狂らしいので、初めて顔に傷をつけられたことに喜びすら感じているようだった。(「楽しそうだった」とパーティキャラが言及)

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再び現れた剣士は「来たぞ。恋焦がれる者のごとく」と言って、シオンを抱き寄せて拉致しようとする。
荊が発動しているのに剣士は平然としている。彼は凍った剣の使い手であり、根性(?)で両腕を凍てつかせながら戦うのが本気を出した時のスタイルなので、痛みには慣れているのだ。

丁度この瞬間、色々あってアルフェンは痛覚を取り戻していた。

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痛覚の復活に無自覚なまま、アルフェンはシオンを助けようと手を伸ばす。が、正常な痛覚を得た状態では荊に耐えられず、つないだ手を振り払って地面に転がり悶絶してしまう。

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シオンは初めて涙を見せ、剣士に対して抵抗する気力をなくしてうなだれ、大人しく拉致されてしまう。アルフェンは激痛で座り込んだまま呆然と見ていることしかできなかった。

黒ドレス

剣士の居城に連れて行かれたシオン、何故か着替えている。黒ずくめの剣士の趣味で選ばれたかのような黒いドレス。目に光はなく落ち込んだ様子。

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黒ドレスは後々着せかえ衣装の一つになるが、普段着よりも露出度が高い。

変なこと

シオン救出のために動いている仲間たちの会話。
「シオンはあの男に傷を負わせた。あるいはそれで興味を覚えたのかもしれん」
「変なことされてなきゃいいけどな」
「変なことって…変なこと言わないでよ」
「いや、だって心配になるだろ」
「だからってそんな――」

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一行は剣士の居城に乗り込みシオンと再会。シオンの目は完全に死んでおり、「私は独り」とブツブツつぶやく。今まで荊は感電のような描写だったが、具現化してシオンを取り囲み他者を拒絶する。

激痛

アルフェンが荊をかきわけ、激痛を感じながらも耐えてシオンを抱きしめたことで、シオン再起動。パーティ復帰。

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仲間はシオンに「おかしなことはされなかったか?」と訊くが、シオンは拉致されてからの記憶がなく「覚えていないの」と言う。

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一行は剣士を倒しに行く。
「その男の屍の前で、今一度我がものとなりにきたのか?
剣士の発言にシオンは「貴様!」と激昂。

流石に手篭めにされてないとは思う

嫌がってるのに無理矢理やるとか、放心状態をいいことに好きにするとか、純粋にそういうのをやる作風ではない。人命関係でのダーク展開はあるが、セクシャル要素はほぼない。
ただ、「ここはそういう妄想をする下りですよ!」と意図してシナリオ書いてるだろ~?と思う。

なんで着替えているのか。
これは元の服が一応武装服なので、非武装の服を与えられたのだろう。露出度の高さもエロスというよりも、戦うのに心許ない姿。
メタ的には「戦う気力も失い黒く染まった心」をビジュアルでプレイヤーに示すためもあっただろう。

あとシオンはファッションにうるさいというキャラである。パーティに誰かが加入するたびにファッションチェックを行う一コマがあるし、物語の当初でボロボロだった服に着替えを用意されても美意識から断り自分で別の服を探しに行っていた。
そんなこだわりの強いシオンが与えられるまま剣士好みの服を着るのは、彼女の心が折れてしまった印だろう。
シオンはファッション好きかつグルメである。これはツンツンキャラを緩和させるための「可愛げ」として作中でコミカルに描かれる。現実世界ほどは娯楽産業がない世界で、また他者とのコミュニケーションも控えなければいけない彼女はモノに傾倒しがちだったのかもしれない。


剣士が平気でシオンに触れることができ、シオンが抵抗をやめてされるがままに拉致された瞬間は「あっちの男に乗り換えちゃうんじゃ?」と寝取られ展開が頭をよぎったりした。
でもワタシハヒトリモードになっているぐらいだし、触れられれば誰にでも心を開けるわけではなかった。
パーティ内がカップルだらけで恋愛要素強めの作品なのだが、この展開は「アルフェンでなければダメなのだ」というのを強調するためのものだろう。

結論。先に書いたように「制作者はプレイヤーが邪な目で見られるように狙って書いてはいるが、本当にそんな胸糞展開として筋書きしているわけではない」。


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