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ゲームの思い出:バーチャロンシリーズ その7 電脳戦機バーチャロンマーズ part2

ツインスティックをPS2で動かすのには時間を要した。動いたと思っても片方だけしか動かなかったり、そもそも認識すらしなかったり。あのころの僕は手探りで作業するには圧倒的に知識が足りていなかった。

僕は仕事から帰ると毎日ツインスティック制作に精を出していた。しかしなかなか上手くいかない。DUALSHOCKをいくつダメにした頃だったろう。

当時ハマっていたガンダムウォーと言うカードゲームの大会に後輩と参加することになり、大会を行うショップの最寄りだった僕の家に久しぶりに集まった。

「あ、先輩マーズ用のツインスティック作ってるんすか?」

バラいている最中のツインスティックを見て後輩のひとりがそう言った。この後輩はフォースこそやらなくなってしまっていたが、家庭用の方ではまだまだバーチャロンをやっており、たまに遊びに来ては家庭用のオラタンやOMGを対戦していた。

「おう、でもなかなかうまくいかなくてな」

片方のスティックは動くのにもう片方は一切反応しなかったり、ボタンが全く機能しなかったり…。
そんな苦労話を後輩にする。
手探りでやっていたので、僕にはどこがおかしくて何故こうなっているのかもよくわかっていなかった。

そんな時だった。

「それなら作り方載ってるサイトあるッスよ」

ドリームキャストでカプエス2を対戦していて負け抜けた後輩がそんなことを言った。

「マジで?」

今の僕にとってまさに朗報だった。
後輩にホームページの名前を教えて貰う。とは言ったものの当時は家にネット環境なんてある家のほうが少ない。高校卒業してすぐ位の僕たちには個人所有のPC自体が無い場合が多かったし、そもそも携帯電話のネットは基本文字のみで画像を見るには膨大なパケット料金が必要だった。携帯で一日ネットでSSを読み漁ればパケット料金がすぐに万を超すような時代である。
携帯のネット環境もパケット料金定額のサービスが無いような時代。
なのですぐに調べるのは無理だった。
僕は休みをとって後日調べに行くことにした。

そして次の火曜。月曜日に出社して翌日の火曜に有給をぶち込み、久しぶりに街に出た。僕が生まれて初めて使った有給だったりする。

当時はネカフェという言葉もまだ広まっておらず、そもそもネット環境がある喫茶店なんてものも少なかった。まんが喫茶にたまにネット環境がある店がある程度。
ネット環境があるまんが喫茶で少し高いプランで入ればネットを使えたがそれもなかなか高い。
家でドリームキャストで調べるのは論外だ。お金がかかり過ぎるし、同じお金がかかるならオラタンのネット対戦がしたい。

こういうネットで少しの調べ物などがあるがお金はあまり使いたくない、そんな時僕達はNTTで調べていた。

当時のNTTには、入口に入ってすぐのところに無料で使えるネットに繋がったPCが設置してある店舗があり、僕たちはそれを大いに利用したものである。

NTTで調べ、製作肯定などをメモする。必要な道具は幸い家に全部揃っていた。

後で迷いそうな所の画像をフロッピーにダウンロードし、それを友達の家で印刷してもらう。

友人に礼代わりのマクドを手渡すと僕は帰路を急いだ。

早く作りたい。早くマーズをツインスティックで遊びたい。

家に帰る頃にはもう日が落ちはじめていた。

帰宅して早速工作に入る。

夜10時頃だったと思う。

思っていたよりあっさり、ツインスティックは完成した。

恐る恐るPS2に繋ぎ、設定。

「よっし!」

動く。思っていた以上にスムーズに機体が動かせる。コントローラーだと少しやりにくかった旋回保存もツインスティックだと楽々出来た。

何周目かわからないストーリーモードをライデンを使って遊ぶ。

結局その日は日が昇るまでマーズで遊んだ。
次の日職場で欠伸ばかりしていたのは言うまでもない。



電脳戦機バーチャロンマーズ

ハード:PlayStation2

2003年5月29日発売。

販売:SEGA

※見出し画像は公式の物をお借りしています。問題があれば連絡をくださればすぐに消去します。 

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