コロプラの実験作『ユージェネ』で今行われていること。実験作好きは今から始める価値あり
売上?
そんなもの犬にでも食わしておけ。
コロプラの新作、『ユージェネ』が興味深いものになっている。お行儀が良いゲームとは思えないが、少なくとも私は”新しさ”を体験したくて、リリース2日目にしてちょっと金を突っ込んでしまったほどだ。
『ユージェネ』はガチャすらない実験作で、コロプラ社の見解としても「収益に貢献するかわからないので、リリース後しばらくはベータ扱い」ものだ。
世間では「初日のセールスランキングに載ってこない」などと揶揄する人もいるが、それは当たり前で、本作を既存ゲームの視点で観察すると正体が見えなくなる(もしくは真面目にプレイせず言うと的を外す)から出てくる発言だ。
一部では「ドラクエウォークのコロプラIP版」じゃないか、とか「位置ゲー崩れの謎ゲー(自分もそう思っていた)」とか言われているが、これはそんな安易なものではなく、一見の価値はある。
そして、実験初期段階を見られるのはリリース3日目の今日が最後なので、急いでお勧めする文章を書いている。
ユージェネとは?
『ユージェネ』は、ARや独自の”時空間LIVEテクノロジー”などを駆使し、すぐ側にキャラクターが居て本当に生きているような“ゼロ距離エンターテイメント”を提供するというエンターテインメントゲームアプリとされている。
ゲームは2パートに別れており、ゲームパートではプレイヤーは“#世界(ハッシュワールド)”と呼ばれる壊れた世界を復活させ、取り戻すために戦う。
そして、ライブパートではキャラクターがリアルタイム配信で登場し、プレイヤーはゲームパートで手に入れたアイテムやポイントを使って配信に”エール”を送って一緒に盛り上がれる。
ただ、予備知識なしにアプリを起動すると、ゲーム部分の問題と、既存ゲーム文法からはずれた内容に面食らい、盛り上がるまで行き着かないことだろう。
主流のゲーム文法からはずれたストーリー演出
最初にプレイヤーを困惑させるのは、既存のRPGなどとは異なる、初期のVtuberのような動画放送文化に振り切ったストーリー演出だ。
全セリフ字幕が出て、記号的な表情の変化で、キャラクターはほぼ立ちっぱなしで……ゲームというよりも、Vtuberの動画を見ているように物語が語られる。
他にたとえるものがあるとすれば、Vtuber動画番組『バーチャルさんは見ている』のような少し白々しいノリでストーリーが進む、といえばいいだろうか。
操作に関しても「早送り」「10秒スキップ」などが実装されており、まるでYoutubeだ。
良し悪し以前に、ゲームを遊ぶつもりでダウンロードすると「なんだこれは!?」となる。
普通に遊ぶとしょっぱすぎるゲームプレイ
続いて、操作部分に入るとまたしょっぱくて驚く。
このゲームは日本の地図データを利用したゲームで、日本地図上を歩いて、ランドマークの位置に登場する強敵や、フィールドに点在する雑魚敵と戦っていくものになっている。
世界設定としては、さまざまなものが消滅してしまったもう1つの世界を舞台としており、プレイヤーは標識とか、食べ物とか、かつて世界に存在していたものと戦って勝つことで、その物体を世界に蘇らせることができる。
なお、蘇らせた物体は後述する#ライブで使用できる。
敵との戦いは、3Dシューティングを採用。ジャイロセンサーを利用して照準を定め、敵の周囲を回る菱形のオーブを破壊すると勝利となる。
これは完全にミニゲーム(しかもいまいち面白くない)でしかなく、攻撃力の概念はなくて当てればオーブ1回で破壊できるし、失敗してもペナルティなく何度でもやり直せ、課金要素もない。
『ポケモンGO』の捕獲より複雑な程度なので、もともとは『ポケモンGO』に毛が生えた程度の位置情報ゲームになる予定だったのだろうか、と想像される。
細かい造り込みはすごい
そんなプレイ部分の安っぽさに対して、グラフィックはとても良い。
公園や学校、廃地下鉄駅などのクエストマップは美しいし、敵のグラフィックも精巧でミニチュアのコレクション欲のようなものがそそられる。
敵がこの精巧なミニチュアにアニメチックな目玉をつけただけ、というのはどうかと思うが、見栄えのする映像しかない。
各都道府県にはご当地のアイテム(もちろん見栄えが良い!)が用意されているし、地図に示される場所に移動して報酬を得る謎解きゲームも用意されている(かなりちゃんとした謎なので位置情報ゲームだったら結構楽しめていた気がする)。
繁華街に行けばさまざまなショップやゲームセンターがあって、ゲームの進行度に応じてアーケードゲームが遊べるようになるし、ゲームプレイ中に流れるラジオ(30時間)はストレスなく聞けるし、他のゲームと比べても圧倒的な量の家具が用意されている部屋作り(と家具集め)、主人公の姿や移動性能のカスタマイズなどかなりの量の遊びが用意されているのだ。
しかしそれは枝葉のことで、ミニゲームはどちらかと言えば面白くないし、現実に日本地図を使うマップの移動も単体では面白くないので「位置ゲーとして作っていたのに、迷走していてかわいそうなゲームになったんだな」という感想が出てきてしまう作りではある。
試される大地、北海道
話は横にそれるが、このゲーム地域格差がけっこうある。
ゲーム内では実寸の日本マップを歩き回るのだが、イベントや設備へのアクセスがランドマークなどの密度に依存する。
北海道ではクエストからクエスト間の移動距離が長すぎるし、繁華街にのみ存在するショップを見つけることも困難だ。
何よりでかいのは、エナジー(歩くのに必要なスタミナ)の補充場所で、東京では消費するよりも回復する量の方が多いぐらい補充場所があるのに、北海道は全然見当たらない。
たまに見つかるコンビニに駆け込んでエナジーを補充して旅する羽目になる(ただし、有料アイテムのアスタクリスタルでもエナジーを補充でき、コストがとても安いのでアスタクリスタルを使うことを気にしなければ遊べる)。
各都道府県にはご当地アイテムが3つあるが、東京でも北海道でも3つなので、北海道では歩き回って探す必要があると聞いている。
さらに、本作ではキャラクター山を越えるときは移動力が大きく落ちる。というか、慣性がつくので間違って下ってしまうと登るのにも一苦労。北海道にはでかい山脈があるので……ただでさえ広いのに遠回りが必要になることもある。
北海道を脱出しようとしても、海では移動力が落ちる。つまり、本州と海で切り離された北海道は脱出も困難。
北海道、いつの時代も(位置ゲームで)試される大地よ。
さて、そんなゲームをなぜお勧めするのか。
その理由は……となるが、これはnote会員向けの速報記事+一般公開しないような歯に衣着せぬ言葉遣いで書くものなので、残念ながら会員向けとなる。
金を払いたくない、という人はチュートリアルを終えて21時からの #ライブに参加し 、2日程度ガチで遊べば私が書こうとしていることは理解できるはず。
少なくとも、私が2日目にして課金する価値があると感じた実験がここにある。
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げーむきゃすと は あなた を みて、「さいごまで よんでくれて うれしい」と かたった。