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さらば、我が青春の電撃PlayStation。偉大な雑誌の思い出と、影響をつらつら語りたい

『電撃PlayStation(以下、電プレ)』が3月28日発売のVol.686を持って定期刊行を終える。

“定期刊行終了”というと終わっていないイメージだが、多くの場合は廃刊に近い状態になるだろうし、そうなってから盛り返すのは難しいし、少なくとも紙の電プレは歴史は大きな曲がり角を迎えたといえるだろう。

雑誌には“雑誌コード”と呼ばれるコードがあり、この取得が難しい。よって、廃刊状態の雑誌でも休刊などと言って雑誌コードを補完する出版社は多い。そのため、多くの休刊は廃刊と同義だったりする。自分はほぼ廃刊と言うように受け取ったけども、真実はわからない。

『電撃Nintendo』など残っているので紙の電撃系ゲーム雑誌が終わったわけではない。WEBでも電撃ブランドは残る。PS5の勢いがすごければ、ひょこっと蘇るかもしれない。
とはいえ、紙雑誌の電プレこそゲームキャストの生みの親であり(色々なところから影響を受けているが、父か母かというぐらいの影響がある)、それが定期刊行を終え、その後の予定が明かされていないことに寂しさがある。

ゲームキャストにとって、かつての電プレは理想の雑誌で、今でも目指すところだ。
理想とは何か。
他のゲーム雑誌などが注目していない面白いゲームを全力でプッシュして、プレイヤーに知らせてくれる雑誌というところだ。

初代プレイステーション時代、ファミ通は大作などの情報が最も早い業界紙だった。『FF7』などの情報が最初にやってくるところに私たちはワクワクした。
一方、電プレはファミ通などが重要視しないマイナーゲームなどを拾い上げ、プレイヤーに「これ面白いからやってみ」と語りかけるプレイヤー目線の雑誌だと思っていた。

具体的に、電プレがなければ遊ばなかったゲームたちをちょっと思い出してみようか。これらが、私のなかで電プレの名声を高めたゲームたちだ。

電プレの名声を高めたゲームたち

高機動幻想ガンパレードマーチ

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通称、ガンパマ、ガンパチ(部活内の呼び名)。様々なキャラクターが別々な意図をもって活動しているなかで、メンバーの中で「発言力」を確保して組織を動かしていくSLG。
そのキャラクター性とストーリー、きついバランスでだいぶ人気だったけど、プレイステーションが壊れていたのでここで挙げる中では唯一遊んでないゲーム。でも一応、『東京魔人學園剣風帖』と並んで電プレがヒットさせた代表的なゲームなので紹介。

封神領域エルツヴァーユ


宇宙刑事や退魔師な女学生、異世界からやってきた騎士など、架空のTVアニメや実写番組の主人公が戦う1vs1の対戦格闘ゲーム。
方向キー+ボタンだけで必殺技が出て、ほぼどのキャラクターも技の操作は共通。
部活内に1人、ずば抜けて格ゲーが弱いプレイヤーがいたけども、エルツヴァーユは久々にそういったメンバーも含めて一緒に対戦を楽しめた。
1人用のストーリーもかなり盛っていて、それも良かった。

トラップガンナー

広いフィールドにトラップを仕掛けて相手をハメ、体力を減らしあう1vs1の対戦ゲーム。じっと隠れているとトラップにかからないので安全だけども、フィールドに出現するトラップを回収しないとトラップ不足になってしまう。けど、動き回るとトラップに引っかかるかもしれないし……そのバランスが絶妙。
また、格闘ゲームとは異なる「トラップの仕掛け合い」はコマンド入力などのハードルが全くないし、ゲームテンポもゆっくりでアクションが苦手でも全然問題なかった(じわじわトラップが増えていく緊張感があって退屈ではなかった)。これは今でもめちゃくちゃ好き。

ブレイズ&ブレイド


最大4人で遊べるアクションRPG。TRPGとかファンタジー系の作品を遊んで楽しむ部活だったので、シーフやらエルフやら職業を分担して一緒に遊べるRPGは大ヒット。ゲームセンターでも後に『D&D シャドーオーバーミスタラ』にハマったし、こういうやつが受けた。
でも、アクションRPGを友達と一緒に協力して遊べて、みんなで育て合うってやっぱり楽しかったなぁ。今は基本無料系のアクションRPGでも共闘があるけど、ゲームの終わりを目指して戦う作業は楽しかった。

ちなみに部活はTRPG、将棋やオセロ、モノポリーなどアナログゲームを遊ぶ部活としてやっていた。「野球や将棋は伝統があるが、ボードゲームやTRPGには伝統がない」と学校内の体育会系部活の生徒を中心に反対を受けまくったが、学校の先生方がルール通りに人数を集めれば承認してくれたので感謝しかない。当時の学校は大人は理解があるけど、同じ世代の子供はオタクにすごく偏見があって大変だった。

マリーのアトリエ

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これは電プレのお勧めだったか忘れてしまったけど、電プレを見て買ったのは確か。これ以降続くシリーズの礎になったし、ファンタジー世界で魔王と戦うのではなく、友達の悩みを解決していくのが良かった。
桜瀬王虎姫(わざと間違ってます)さんのイラストも素敵。そういえば『グランディーク』どうなったのかな。

ファンタジー生活というと『ウィザーズハーモニー』とか『悠久幻想曲』とかも電撃で推していたけど、アドベンチャー色が強いので私は遊ばなかった。盲目的に電撃のおすすめを遊んでいたわけではなかった。

いろいろあったと思うけど、特に好きだったのはこのあたりか。
絶対に電プレがなければ出会わなかったであろう(カタログに載っていても買う気にならなかっただろう)ゲームで、電プレのゲーム選定センスはほんと神がかっていた。

ゲームキャストが自分の好き度でゲームを推す方針になったのは間違いなく初代プレイステーション時代の電プレの影響だし、その影響を受けられたのは感謝しかない。
初代PS時の電撃プレイステーション、ほんとうにありがとう。

あと、当時は七瀬葵さんの描くナコルル・リムルルが超絶人気で、そのポスターだか描きおろし表紙だかを逃さず獲得するために本屋に並ぶ手伝いをさせられた思い出も懐かしい。

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電撃のサイトより。七瀬葵さんのナコルル・リムルルのイラストは、女房を質に入れてでも手に入れないといけない、とオタク界隈で言われているときがあった(あまり誇張はないと思う)。

PlayStation買ったぜぇ!

とかなんとかいっちゃって(古い表現)、実は昔の私は淡泊な大作志向のゲーマーで、ゲーム雑誌にこだわりも何もなかった。
あと、ハードは非セガ派だった。

いまでこそ大のセガ好きである私だが、実は2000年ごろにドリキャスでゲームにハマりまくるまではセガの印象値は低めだった(というか任天堂、スクウェアっ子だった)。
1994年に3Dグラフィクスが扱えるゲーム機、セガサターンとプレイステーションがほぼ同時に発売されると、私は迷わずプレイステーションを選んだ。

「だって、セガのゲーム機が1位になるわけないじゃん!」

と言う理屈。

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