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ゲームシナリオのザックリなつくりかた

ご質問頂戴したので、ざっくりまとめました。

シナリオは、キャラクターから考え付く場合と、世界観から考え付く場合があるます。半分半分くらいでしょうか。


(とりあえず)キャラクターから考える場合

帰り道を歩いてるときとか、別のゲームをつくっているときとかにぽわ~んと浮かびます。姿かたちだけの子もいれば、バックグラウンドも含めて考え付く子もいます。

ぽわ~ん。

それから、そのキャラクターたちにしてほしい表情とか、言ってほしいセリフとか、「こういう状況・展開になったらおもしろそう!」「住んでいる町はどんなところだろう」「こういう敵と戦ってこんな掛け合いしてたらおもしろいな」とか断片的な空想をします。例えば「仏頂面だったキャラが最後に笑ったり」「いつも冷静なキャラが終盤で声を荒げて怒ったり」・・・そういうのいいよね!いい!

まだバラバラに浮かんでいる空想を、プロットになるように順番を何となく考えます。ここからノートにまとめたり、データにしたり、とにかく頭の中にいれとくだけじゃなくてアウトプットします。

同時に、これらの展開がうまくはまるような世界観を考えます。世界観から考え付いた場合には、その世界観にはまるようなキャラクターを考えます。前者はひき肉を餃子の皮で包むような感じで、後者は焼きあがったシュークリームの皮に生クリームを注入する感じです。(おいしそう)。外側が出来上がっている方がはみ出しにくくて簡単なのです。なので世界観から考え付く方が楽です。

で、そのプロット組みなのですが、物語の順番は起承転結って言いますよね。私はずっとこの言葉にしっくりこなくて、承と結の部分が特に具体的にどういうことなのかよくわからなくて、この言葉に囚われていた頃はシナリオつくるのが好きじゃありませんでした。起承転結なんて気にしないね!!と開き直ってからすごく楽しくなりました。

起承転結よりも参考になったのが、アメリカの小説家カート・ヴォネガットのシンデレラ曲線です。

ハッピーエンドの話を物語進行度と主人公の感情のグラフにしたものです。「シンデレラ曲線」でぐぐるとくわしく説明してくれているサイトがでます。感情を指標にしているあたりが分かりやすい。

落として上げる。大事。落とす時はとことん主人公をいじめぬいてどん底に叩きつけることを心がけています。で、最後はめっちゃあげる。ちょっとあげて灰色の線くらいのところに落ち着くのも個人的に好き。(ちなみにバッドエンドだと、グラフを逆にして、めちゃくちゃ上げて最後にめちゃくちゃ落とす)   

縦軸はシンデレラの感情とされていますが、私はどちらかというとプレーヤーの感情として考えています。

色々な応用がきくと思っています、この曲線。例えば最初からどんどん右肩下がりに主人公が不幸になっていって、こんだけ下がればさすがに最後めちゃくちゃ上がるのでは?とプレーヤー/観客に期待させといて、やっぱり上がらず最後に「こんちくしょー!」って思わせるシナリオとか面白くないです?この曲線に沿った話を見ている人ほど「こんちくしょー!」って思ってくれるんじゃないか


RPGだと前半のアップダウンはこんな感じかなと思います。一番の見せ場なのは5のどん底部分から6へ昇華されるところなので、いつもここから想像してます。盛り込みたいことはじゃんじゃんいれます。それだけシナリオも考えやすくなります。

ここまでが現在から未来の流れです。
それからお好みで伏線を仕込んでいきます。意味深な描写や回想、キャラクターが話す過去エピソードなど。このグラフだと5のフラグをひっそり立てていき、5から表シナリオと一緒に6まであがる感じ。伏線は後半で生かされるのだけでなく、プレイ序盤にプレーヤーの気をひけます。ほんわかぱっぱなゲームでところどころ不穏な描写あったら最後までやりたくなりませんか?私はそういうの好きです。

ざっくりこんな感じで私はシナリオをつくっております。以上です。


ちなみに参考になった本を紹介しますね。

『クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK!』オースティン・クレオン

シンデレラ曲線はこの本で知りました。作品を何かしらつくって、公開する上でいろいろためになることが読みやすく書かれています。書面がおしゃれでさくっと読めていいです。


『脚本を書くために知っておきたい心理学』ウィリアム・インディック

キャラクターの内面を考えるときに役立ちそう。けっこうぎっしり内容がつまっていて、読み物としても面白かったです。



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