なぜ中国にもガンバファンが多いのか。

ガンバ大阪という日本プロサッカークラブは、設立してから25年以上の歴史がある。世界のサッカー界においては、まだ歴史の浅いプロサッカークラブだけれども、所属する日本プロサッカーリーグでは、優勝回数が鹿島アントラーズに次ぐ2位であり(2019年2月時点)、トップリーグ、ナビスコカップ(ルヴァンカップ)、天皇杯を複数優勝しており、なおかつAFCチャンピオンズリーグを優勝し、すっかり日本サッカー界の名門クラブまで上り詰めた。

さて、この名門クラブには、実は多数な海外ファンが存在しており、海外サッカーファンには、ガンバ大阪のサッカースタイルなどに魅了され、ちゃっかり虜になってしまうケースが多々存在する。その中にも、中国ではかなりのガンバファン(自称)が存在し、これからもガンバ大阪を応援し続けて頂いている。

では、なぜ中国にもガンバファンが多いのか。実はすごく興味があるので、僕自身なりの考察について、書き上げたいと思う。

まずは、ガンバファンになったキッカケについて、少し話していく。

※黎明期

中国サッカーファンがガンバ大阪について、認識し始めたのは、やはり賈秀全でした。賈秀全の移籍&活躍により、ガンバ大阪というサッカークラブがようやく中国サッカーファンの目に留まった。

しかし、賈秀全はその後、退団し、引退してしまったので、お荷物時代のガンバ大阪について、サッカーファンおろか、マスコミさえ注目し続けることがむずかしい時代でした。

このアジアプロサッカー黎明期に、中国レジェンド賈秀全がガンバ大阪に在籍していたことには、とても光栄であり、いまでも中国ガンバファンに多大なネタを寄与しているし、これからも語り継がれている。

この時期に賈秀全のキッカケでガンバファンになった方々が、いまだにガンバ大阪のことを応援して続けているなら、ほんものなガンバサポだ。

※成長期前半

あれから3年、1997年にクゼ体制のガンバ大阪にカメルーンからエムボマ選手が加入し、ユースからも稲本潤一が飛び級昇格。この年のガンバ大阪はエムボマ選手の活躍で、リーグ9連勝の記録を作り上げ、首位争いも絡み、外国助っ人頼みのクソサッカーが炸裂した。

1997年の中国では、高度成長期であり、毎年のGDP成長率が10%以上を維持し、一部の国民は豊かな生活ができるようになった。多少生活に余裕のあるサッカーファンには、サッカー観戦は地上波やケーブルテレビ頼みだけではなく、衛星テレビを導入することにした。

当時では、衛星テレビ視聴は違法な行為であり、見つかったら大変だったが、都心部以外にはこういった取締が緩かったこともあり、ほとんど摘発されていませんでした。

そのおかげて、衛星テレビの各チャンネルを通して、海外サッカーの生中継を観ることができ、いままでにない楽しみができた。FOX、ESPNなど海外のスポッツチャンネルでは、いろんな国のサッカーリーグを生中継してもらい、おかげでJリーグの一部の試合の生中継も観られた。

このキッカケで、ガンバの試合を観て、ファンになった方々も少なくもない。要するにはエムボマがすごかったからだ。笑。

それと、衛星テレビが観られなくても、プレステやセガサターンなど、サッカーゲームを通して、Jリーグを認識しはじめたケースも結構ありました。

例えば、ビクトリーゴールシリーズやサカつくシリーズ、ウイイレシリーズ。とくに1997年に多大な人気を誇るウイイレは、当時にだれでもやっているゲームで、仲間たちとの対戦に楽しんでいた。

個人的にいちばん印象に残ったのは、やはりJリーグ実況ウイニングイレブン3でした。とにかく、エムボマ選手がすごかったので、すっかりガンバファンになりましたね。

あの時代はいろんなサッカーゲームが発売され、多くのゲームはJリーグ各チームを収録されており、ゲームをやるたびに、Jリーグに対する認識が深まりつつあった。

この時期からガンバファンになった方々は、結構多かった印象がある。なおかつ、日本代表が98年ワールドカップ最終予選に勝ち上がり、最終予選脱落の中国と対照に、日本サッカーが右肩上がり基調で、日本サッカーに注目しはじめたサッカーファンも少なくもなかった。それでJリーグに着目し、リーグの各クラブに応援しはじめるファンもいました。

余談だけど、当時、中国で一番人気なクラブはアントラーズかヴェルディだったはず。

※成長期後半

レジェンドであるエムボマ選手も長くガンバ大阪に在籍しなかった。移籍後、ガンバ大阪の成績も乏しく、98年、99年シーズンはすっかり中位なチームになってしまった。ただ、このチームに新たなスーパースターが生まれた。その名は、稲本潤一。

99年ワールドユースの活躍で、準優勝メンバーである稲本潤一がすっかりサッカーファンの目に留まった。サッカーセンスだけではなく、あのベビーフェイスが大変可愛がられて、女性から抜群の人気を誇っていた。

この選手はどこのクラブに所属しているのですかと、しばしばネット掲示板で聞かれた。女性サッカーファンからも人気だったので、自然な流れでガンバファンになりました。

2000年前後は中国でもインターネットが大普及。アナログモデムでインターネットに繋いで、簡単に情報を検索できるようになった。いまほど簡単に情報を取れる時代ではなかったものの、テレビや新聞頼みよりは、取得手段がずいぶん進んでいた。なおかつ、BBSなどで日本のサポーターと交流もできたので、インターネットの普及もガンバ大阪のPRに一役を買った。

さらに、2000年にアジアカップは日本が優勝。ますます日本サッカーが注目を集めた。しかし、翌年の2001年に、シーズン中に稲本潤一がアーセナルへ移籍し、ガンバ大阪に目玉選手がいなくなりました。

※過度期

2002年日韓ワールドカップに出場した稲本選手、宮本選手。二人ともガンバ下部組織出身で、トーナメント進出に貢献し、活躍した。だが、稲本潤一がすでにアーセナルに在籍し、Jリーグにいませんでした。

幸い、ここにワールドカップで活躍した宮本恒靖選手がいました。バットマンと渾名されたが、気づけば、実はとてもカッコいい選手であった。ワールドカップからツネ様に惚れて、ガンバファンになった女性は本当に多い。

しかし、ガンバ大阪では、2002年シーズンに西野朗監督が就任したものの、2003年には一時は残留争いに加わり、年間成績も4年ぶりに負け越した。この時期では、とても強いイメージが、まだみんなの頭にありませんでした。

※爆発期

2005年のリーグ初優勝により、人気が爆発したが、むしろその前の2004年シーズンに注目して頂く。西野体制3年目に、シジクレイ、フェルナンジーニョらを獲得した。1st・2ndステージ共に優勝争いに加わったし、大黒将志がリーグ戦日本人最多の20得点も挙げた。ここから攻撃的なイメージが少しずつ少しずつ定着していた。

この頃から、ガンバ大阪のサッカーは、とにかく得点が多かった。いちばん驚いだのは、当時、お父さんに言われた一言、『おまえのガンバ大阪は本当にすごい。毎試合どんだけ点を取るんだ。』と。お父さんまで関心を持たれるのは、本当にすごいことだと思った。彼はマンUファンだったのに。笑。

西野朗監督も半端なかったかもしれないが、2005年最終節の劇的な優勝で、いままでやってきた攻撃的なサッカーが、ようやく証明されてきたし、自分の努力が報われた形となった。この優勝により、多くの中国サッカーファンが、ガンバ大阪の攻撃的なサッカーに魅了されたに間違いない。

あれ以降は、言うまでもなく、ガンバ大阪は強いチームと定着してきた。着々と毎シーズンに補強し、優勝回数を積み重ねてきた。

そういえば、2006年に初めて出場したA3カップでは、中国の強豪ともいえる大連万達に勝利し、凄まじいインパクトを中国サッカーファンに与えました。

この頃はすでに多くのファンが中国に存在した。05年のリーグ優勝が第一次爆発期というなら、2008年AFCチャンピオンズリーグ優勝が第二次爆発期ともいえるのでしょう。

ACLの優勝は、ほんとうにデカかった。ACL全試合が生中継される中国だからこそ、その注目度がすごいことになった。アジアでクラブチームの知名度をあげるなら、ACLの出場はまず間違いない。

いちばんインパクトがあったのは、やはりCWCで、あのマンUとの打ち合いだった。とにかく当時は、中国ネット上にガンバのサッカーをベタ褒め。あのマンUから3点も取れるなんて大したもんだと。

中国では、むかしから海外サッカーを多く生中継されており、とくにプレミアやリーガに人気があった。もちろん人気絶頂のマンUも、熱いファンが多く、だからどれほどインパクトあるかは、言うまでもないでしょう。

それに、08年から5年連続でACL出場しており、中国での知名度は、鹿島アントラーズや浦和レッズより、高いに間違いない。

2012年には事故のような降格に見舞われたが、2014年シーズンでは、昇格即三冠という偉業を成し遂げたので、ガンバファンは増す一方となった。

そして、今に至る。

※なぜ中国にもガンバファンが多いのか。

いろいろ振り返ってみたが、ようやくこの本題にたどり着く。

実は要約すると、下記の数点が挙げられる。

①スーパースターの存在

エムボマだけではく、その後も、強力なブラジルストライカーが続々と加入し、攻撃的なサッカーで本領発揮してきた。近年では、ストライカーより、遠藤保仁の存在がますます重要であった。遠藤保仁が好きだから、ガンバを観るというファンが絶えない。中国ファンの間で、遠藤保仁は本当に神のような存在でもある。

②攻撃的なサッカーのイメージが定着

リーグ初優勝のときに打ち出した攻撃的なサッカーは、いつでも観たいと思うファンがいちばん多いはずだ。これがキッカケで、ガンバファンになった方々も多いし、ファンの獲得の一番の要因だと考えている。確かに、つまらないサッカーが観たいというドMなサッカーファンはそれほどいないはずだ。

③優秀な下部組織

本当にガンバ大阪の下部組織は優秀で、これだけでもガンバファンになれると思う。稲本潤一、二川孝広、家長昭博、宇佐美貴史、堂安律など、だれも代表選手級なパフォーマンスをもたらし、ファンの目に留まった。

④ACL出場回数

おそらくいまでも出場回数がいちばん多い。ほんとうにACL出てナンボ。9回もACLに出場していれば、ガンバ大阪のことを知らないサッカーファンはいないはずだ。

⑤ユニフォームがカッコいい

個人的にはユニフォームについて、あんまり気にしていないが、サッカーファンでユニフォームにこだわる方々も結構いるらしいから、たまに言われると、そうだね!と気づいた。但し、インテルみたいにカッコいいだね!と言われるのが、いちばん納得できません。

⑥スタジアムがカッコいい

近年にJリーグを観る為に、足を運ぶ方々が増えており、たまにパナスタに訪れるサッカーファンも結構いました。パナスタで試合を観た後、みんなさんがスタジアムのことを大絶賛らしい。とにかくこの2、3年はこういったパターンがよく聞きました。

こんな感じでしょうか。これもだと思われたら、ぜひコメントを頂ければと思う。

久々の長文で、大変失礼しました。

ガンバ大阪を愛する諸君、では、また!

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