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ジャニヲタになっているなという話

 ジャニーズのライブでは必ずといっていいほど、フィナーレとともに特別仕様の金テープが飛ぶ。ライブに参戦した証となるし、数量限定のため争奪戦が始まる。金テープが発射されると同時に会場の多くのファンが上空を見つめ、なんとか1本でも多くの金テープを奪取しようと手を伸ばす。まだステージにメンバーがいるのにも関わらず。そうしていつもメンバーは言う。

「まだ僕たちここにいますよ〜〜」笑

非常に奇妙な光景だと思っていたし、思っている。次にいつお目にかかれるか分からない本物のメンバーよりも、上空から降ってくる金テープ。初めてライブに参戦したときは、決してこうにはなりたくないと思った。1秒でも長くメンバーの姿を目に焼き付けていたいと思った。

それから3年の時を経て、9月3日、Hey! Say! JUMPのアリーナツアー初日。客席にいた私は、フィナーレでいつものようにメンバーの掛け声とともに発射された金テープを必死に目で追い手を伸ばしていた。数本の金テープをゲットできた満足感と高揚感の中、ふと耳に入ったメンバーの

「まだ僕たちここにいますよ〜〜」笑

にハッとさせられた。その後間もなく奥に消えていってしまったメンバー。貴重なライブの時間をメンバーではなく金テープに費やしてしまった。
しかし不思議と後悔はなかった。なぜなら数10秒費やして奪取した金テープをみるだけで、いま目の前でライブが行われているかのような興奮が蘇ってくるからだ。複数のライブを参戦し、時が経るとともに薄れて紛れてしまう記憶を、確実に目の目に呼び起こしてくれるもの。
金テープはタイムワープ装置
そんなことを理解すると、ジャニヲタとして1歩進んだ気がした。

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